ブルーカーボン造成へ マングローブを植樹 瀬戸内町

2023年01月14日

地域

マングローブの苗木を植樹する参加者ら=13日、瀬戸内町小名瀬

瀬戸内町古仁屋のコワーキング施設「すこやか福祉センター『HUB』」と瀬戸内町は13日、同町小名瀬の干潟でマングローブの苗木を植樹した。瀬戸内漁業協同組合や油井小中学校の児童生徒ら約30人が参加。海洋生態系の働きで二酸化炭素を吸収する「ブルーカーボン」の造成を目指し、マングローブ苗木の定着、成長を祈願した。

 

瀬戸内町は2050年までに二酸化炭素の実質排出量ゼロを目指している。ブルーカーボンの先行事例として取り組んでいる藻場造成に続き、今年度は二酸化炭素の吸収率が高いマングローブの増殖に着手。植樹の場所は同10~11月にかけて環境アセスメント調査を行い、生態系の影響がない小名瀬集落の干潟の一角を選定した。

 

苗木は昨年7月に種を植え、約20㌢に成長したメヒルギ約300本を用意した。参加者は鉢から苗木を取り出し、1㍍間隔で掘った穴へ約200本植えた。残る100本は14日に植樹を予定している。

 

油井小3年の田畑結愛(ゆりあ)さん(9)は「マングローブの植樹は初めて。海水で手がぬれて大変だったけど楽しかった。大きく成長して、干潟がマングローブでいっぱいになってほしい」と話した。

 

ブルーカーボン事業を所管する町水産観光課の禧久幸太係長は「マングローブは二酸化炭素の吸収率は高いが成長が遅く、次の世代に排出量削減を引き継ぐためには今のうちから植樹が必要。今後も環境調査を行って植樹可能な場所があれば増殖を進め、藻場造成と2本柱でブルーカーボンを進めていく」としている。