「柳は国内FA権を取得すれば移籍の可能性が高いでしょう。21年の最優秀防御率投手は変わらず安定した投球を続けている。しかし中日にいる限り勝ち数が伸びないことが予想され、『成績=お金』も少なくなると思われる。残留させるには余程の好条件が必要だろう」(スポーツマネージメント関連会社関係者)

 中日の若き右腕、高橋も報われない投球が続いている。ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で評価を上げ、シーズンに入っても柳同様に好投しても白星にはつながらない。今季は21試合に先発して防御率2.32(リーグ4位)ながら、5勝9敗となっている。

「開幕当初はWBCでの疲労もあったのか本来の球のキレがなかった。しかし経験を積んで自信を持って投げており失点を最小限にできるのが大きい。プロ3年目の21歳なのでFA権取得までは時間がある。メジャー志向も生まれたようだがMLBには25歳ルールがある。(まだ移籍までは遠い中で)今季の成績を見てチームがどう査定するのか」(在京球団編成担当)

 小笠原は22試合の先発登板で防御率3.23と柳、高橋より劣る。とはいえ、防御率はリーグ11位で今や巨人でエース的な存在となっている戸郷翔征に次ぐ数字だ。6日の試合でも首位阪神に対して7回8安打、1失点と粘りの投球を見せたが、今季10敗目(7勝)を喫し、またもや好投が報われることはなかった。

「本来の左腕エース・大野不在の穴を埋める活躍は立派。可能ならばずっとチームに残って欲しい投手だが、本人が公言するほどメジャー挑戦の気持ちは強い。個人的には状況が整えばポスティング制度などで、なるべく早く出してあげたいという気持ちもある。米国で結果を残して現役最後を中日で終えてくれれば最高のシナリオ」(中日関係者)

 低迷期を脱して今後、上位を狙うには投手陣のさらなる整備は必須。計算ができる3投手には今後も中日で投げて欲しいと誰もが思っている。しかし親会社の業績やコロナ禍で受けた打撃もあり球団経営は厳しい状況が続いている。

 彼らの将来的なキャリアの選択にも今年の年俸査定も影響しそうだが、どんな評価が下されるのだろうか。

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3投手の年俸査定はどうなる?