「消費税増税から逃げてはいけない」経団連会長 ジャニーズ広告打ち切り問題は「タレントも被害者」

2023年9月19日 19時24分

2023年1月、取材に応じた時の経団連・十倉雅和会長=東京・大手町の経団連会館で

 経団連の十倉雅和会長は19日の会見で、政府が年末までに議論する少子化対策の財源について「若い世代が将来不安なく、安心して子どもを持つには全世代型の社会保障改革しかない。それには消費税などの増税から逃げてはいけない」と述べ、実施時期に十分留意しつつ増税は必要だとの考えを示した。
 消費税増税の前に、富裕層の所得税負担が実質的に軽いなど、不公平とされる税制を正すべきだとの指摘には「米国ほどではないが少数(の富裕層)が富を蓄えている現状があり、社会保障改革の提言の中で(所得が多い人が多くを納める)税の応能負担には触れている」と述べた。

◆「活躍の場を奪うのは…」

 しかし、経団連の来年度の税制改正要望では、応能負担や所得の再分配といった公平な税を目指す提言は一切ない。低所得者ほど負担が大きいとの指摘もある消費税の増税を求めることに、反発が強まりそうだ。
 一方、ジャニーズ事務所の創業者による性加害問題で、広告契約を打ち切る企業が相次いでいることに関して「日々研さんを積んだタレントから活躍の場を奪うのは、タレントも被害者となる。時間をかけて最善策を考えるべきではないか」と話した。(久原穏)

関連キーワード


おすすめ情報