「政治資金関連の質問を削除してもらいたい」“質問封じ”裏金問題 地方に波及

自民党の裏金問題は、国会だけではなく地方政界にも波及している。

長崎幸太郎山梨県知事。自民党の衆院議員時代から二階俊博元幹事長の手厚い支援を受けてきた。

自民党 二階俊博元幹事長
「長崎君には遠慮なくやれと。君を自民党へ入れないなど言っている奴がお馬鹿さんだと」

今年1月、長崎知事は二階派から受け取った1182万円を収支報告書に記載していなかったことを明らかにしたのだが…

長崎幸太郎山梨県知事
「収支報告にどのように反映させるかについて、志帥会(二階派)からの指示を待っていたまま失念し、今日まで事務所にて別途保管されたまま放置されていたものであります」

現金で受け取った1182万円は、あくまで二階派からの「預かり金」とし、「裏金」ではないと主張した。

記者
「裏金ということに関して否定されていますが、改めて、裏金ではないというご説明を」

長崎幸太郎山梨県知事
「そもそも裏金の定義を教えてください。私たちは預かり金的なものとして認識していた。(収支報告書ではない)帳簿にしっかり記載をし、他人様のお金なので、これまで手を付けず保管をしていた。従ってこれは決して裏金ではありえない」

そのさなか、2月に予定されていた報道各社による知事へのインタビュー取材をめぐり、県側が”質問封じ”ともとれる強硬な姿勢を示した。

山梨県の担当者
「政治資金関連の質問を削除してもらいたい。削除しなければインタビューには応じられない」

地方政界でも、政治家の説明責任を軽視する姿勢が浮き彫りになった。削除の要求に応じなかった一部の社に対し、県はインタビューを拒否。

報道各社は抗議文を提出した。

「憲法で保障された言論と表現の自由を脅かすことにつながると危惧しています。こうした質問規制は全国的にみても異例であり、到底受け入れることはできません」

“質問封じ”は知事が指示したのか…

長崎幸太郎山梨県知事
「時間がない。残念」

記者
「知事、知事。質問の削除要請に関しては、知事の指示というのはあったのでしょうか?」

長崎幸太郎山梨県知事
「何が?」

記者
「質問の削除要請については、知事からの指示等はあったのでしょうか?」

長崎幸太郎山梨県知事
「ないですよ」

記者
「今回の対応について適正だと思いますか?適正な対応だったと」

長崎幸太郎山梨県知事
「問題ないと思っています」

記者
「今後も同様のケースがあった場合、同じように削除要請しますか?」

公聴広報統括官
「それは知事に聞いてもしょうがない」

県側は「県政に関する内容以外の質問は記者会見の場で質問いただくよう調整を提案したもの。取材活動の規制では到底ありえない」などと回答した。