議論「非公開」にしておきながら首相「民主主義を守る」 自民の政治刷新本部、会場周辺から報道陣締め出し

2024年1月16日 21時25分

党本部で開かれた自民党「政治刷新本部」の会合

 自民党は16日、派閥の政治資金パーティー裏金事件を受けて新設した政治刷新本部の第2回会合を党本部で開いた。全ての党所属国会議員が出席できる形で、政治改革や再発防止について意見を聴取。ただ、報道陣に公開されたのは本部長の岸田文雄首相(党総裁)は冒頭あいさつのみ。その後は、会場を含むフロアの全体を立ち入り禁止とする厳戒態勢で行われた。

◆「派閥パーティー禁止」「派閥解消」論も

 岸田首相はあいさつで「国民の信頼を回復するために、そして日本の民主主義を守るために、われわれ自民党は変わらなければならない」と強調。「皆さんそれぞれの党を思う、政治を思う熱い思いを聞かせていただきたい」と述べた。

自民党「政治刷新本部」の会合であいさつする岸田首相(中央)

  3時間に及んだ会合では約50人の議員が発言した。会合からの退室後に記者団の取材に応じ、発言を紹介する議員もいた。会合では、派閥パーティーの禁止や派閥の解消を求める発言が出たほか、人材育成などの観点から派閥の必要性を訴える意見も上がったという。

◆識者「議論の透明性を高めない限り、信頼回復できない」

 法政大大学院の白鳥浩教授(現代政治分析)の話 自民党派閥の裏金事件が国民の大きな関心事になっているにもかかわらず、どんな議論を党内で進めているかオープンにしない姿勢は問題で、議論の正当性も問われる。党内の意見対立を表面化させたくないのではという疑念さえ抱かせる。事後的な概要説明では、党に都合のよい『お手盛り』になる可能性が否定できず、不十分だ。結論までの過程も公開して議論の透明性を高めない限り、信頼回復なんてとてもできないだろう。

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