セールス・イネーブルメント 世界最先端の営業組織の作り方

著者 :
  • かんき出版 (2019年12月18日発売)
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自社のプロダクトが市場の需要に合致して「毎月営業を増員しないと間に合わない!」というようなプロダクト・マーケット・フィット状態の会社向けの本と言える。

それにしても、元Salesforceの方々がデータドリブンな営業組織(営業のDX、SFA、MA、インサイドセールスなど)の文脈で活躍されるのをよく見かける。本書の山下貴宏さんの他「The Model」の福田康隆さん、「Sales Is」の今井晶也さん、上島千鶴さん、茂野明彦さんらが有名。Salesforce以外にも元KEYENCEも同じ界隈で活躍されている。その内ペイパル、P&G、リクルートみたいに「ナンチャラ・マフィア」と呼ばれるかもね。

中でも本書は「The Model」「Sales Is」と並べるとSalesforceのSFAの進化を概観することができる。「営業を科学する」系譜だ。3冊ともデータドリブンな意思決定をシステマチックにしていこうという美学というか、執念がある。それでも人間が非合理である以上、どんなにシステム化しても買い手の担当者および組織も人間なのでシステムには限界があると思う。

と、これまでは思っていたが、ChatGPT以降はこの考えが変わった。売り手も買い手もAIが自動で意思決定手前まで交渉を進める未来が見えてきたからだ。

そう考えると、仮説精度を高めるシステム開発投資し続けられるSalesforceやKEYENCEなど(あるいは元社員)から「営業AIの決定版」が登場するのかもしれない。「日本企業との交渉は面倒」と考える欧米から出る可能性も高い。当然、購買業務に特化したAIも登場してくるだろう。

自分の会社としては、そんな夢のようなサービスが出た後の展開を想定しておかないといけない。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 0200経営
感想投稿日 : 2023年5月30日
読了日 : 2023年5月31日
本棚登録日 : 2023年5月30日

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