我慢の米沢東、待望1勝 全国高校野球山形大会

2023/7/11 07:39
〈米沢東―鶴岡高専〉2回表米東2死一、二塁、二走宍戸亮太が三盗を試み、相手守備の乱れを突いて先制点のホームを踏む=米沢市営野球場

 第105回全国高校野球選手権記念山形大会は第3日の10日、米沢市営野球場など4会場で1、2回戦9試合を行った。

 米沢東は7―3で鶴岡高専を下し、夏の選手権山形大会初勝利を挙げた。米沢工は5―4で新庄北を振り切った。山形工は10―4で惺山に快勝。鶴岡南は8―1で鶴岡中央にコールド勝ちした。山形中央は15―3で左沢、山形南は10―0で置賜農・米沢商にそれぞれ五回コールド勝ちした。東桜学館は11―0で長井工、酒田南は7―0で山形東、九里学園は12―0で酒田西に七回コールドで勝った。

 第4日の11日は2回戦の残り8試合を行う。

二回、果敢な走塁で先制点

 【ハイライト】米沢東は夏の選手権山形大会で2012年の初出場以来待望の1勝を挙げた。勢いを呼び込んだのは二回表に四球で出塁した宍戸亮太の走塁。果敢に三盗を試み、守備の乱れを誘発して先制のホームを踏んだ。「狙い通り。守りの隙を突いた。役割を果たせた」と力を込めた。

 打力が高いわけでなく、勝利の鍵は盗塁や犠打を絡めた「我慢の野球」との共通認識で臨んだ。意識が生きたのは二回の2死一、二塁の局面。二塁で宍戸は、相手バッテリーを冷静に観察した。「2ストライク。打ち取りたい気持ちでいっぱい。走者に気が向いていない」。心を決めた。

 グラウンドは雨水を含んで重いが、がむしゃらに三塁へとスタートした。不意を突かれたか、鶴岡高専の送球が乱れ、三塁手が捕球できない。宍戸は本塁へ駆け、チームを鼓舞した。

 斎藤宏昭監督が「みんなの気持ちが楽になった」と高く評価した先制点。米沢東は3年前の独自大会「県高校野球大会2020」で1勝したが、選手権山形大会の勝利は特別のようだ。殊勲の3年生は「絶対に白星を挙げようと挑んだ。次も力を出し切りたい」。勝利を重ねる意気込みを高めた。

高校野球

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