海や川でごみ拾うミュージシャン ペットボトルや缶詰で作る楽器の美しい音色【SDGs】[2023/02/02 12:35]

 テレビ朝日は「未来をここから」プロジェクトの一環で、気候変動問題などSDGs企画をお伝えします。

 2日のテーマは「海の豊かさを守ろう」です。

 日本の海や川には、依然として多くのごみが捨てられています。あるミュージシャンがこのごみを拾い楽器を作り始めました。

 ミュージシャンの大表さんが取り出したのは、拾ったペットボトルで作った打楽器です。鉄琴のような音色を奏でる、ごみでできた楽器。空気圧を変えることによってきれいな音が出ます。

 大表史明さん:「漁業用のブイと缶詰のフタからできた太鼓。釣り糸からできたハープ」

 名古屋市内を流れる川の河口。

 大表史明さん:「ペットボトルとかアルミ缶とか、楽器の弦に釣り糸を使うのでめちゃくちゃ拾う。季節になるとウナギとかも釣れる」

 大表さんが海洋ごみ楽器を作り始めたのは、企業の環境啓発イベントで依頼されたことがきっかけでした。コンサートで各地を訪れた合間にごみを拾い集めています。

 大表史明さん:「ペットボトルのキャップを洗浄したもの。1000個以上はある。『あ、この楽器に使える』と思うと、ワクワクした気分になる。宝探しをしているような」

 大表さんは2020年に、海洋ゴミ楽器集団ゴミンゾクを結成しました。

 大表史明さん:「お米粒みたいなのが、プラスチック製品を作る元になるペレット。皮肉を込めて人魚の涙と呼ばれる」

 河川敷では、最近はごみの量が減っていると感じていますが、このペレットは魚が誤って食べてしまうことが問題になっています。

 大表史明さん:「楽しい音楽を伝えるっていうのがミュージシャンとしてのやりたいこと。ごみに詳しくなったので、それも一緒に伝えていけたら」

 大表さんは「ごみをすべて拾って帰らなければいけないと思い詰めるのではなく、気軽に取り組むことが長く続く秘訣」だと話しています。今後も音楽を通してごみ問題を伝えていきたいということです。

こちらも読まれています