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【独自取材】“裏金”リスト 自民党の安倍派・二階派議員は現時点で42人

2024年1月31日 14:20
【独自取材】“裏金”リスト 自民党の安倍派・二階派議員は現時点で42人
自民党の派閥の政治資金をめぐる事件で、派閥からキックバックを受けたり、パーティー券収入の一部を中抜き・プールしたりするなど、いわゆる“裏金”を受け取っていたことが分かった自民党議員は何人いるのか。そして“裏金”の使い道は。日本テレビが緊急取材。
(※安倍派が1月31日午後に届け出た修正分は未反映)

■“裏金”自民党議員は現時点で42人

1月31日現在、日本テレビの取材で、“裏金”を受け取っていた自民党の安倍派・二階派議員は42人いることが分かった(4人は元国会議員)。“裏金”額の内訳を見ると42人のうち4000万円以上は3人、2000万円以上は5人、1000万円以上は8人、500万円以上は6人、100万円以上は14人、100万円未満は6人だった。

金額の大きい上位10人は以下の画像の通り。11位以下の詳細も列挙する。(敬称略)

1 大野泰正(安倍派)5154万円
2 池田佳隆(安倍派)4826万円
3 谷川弥一(安倍派)4355万円 ※議員辞職
4 二階俊博(二階派)3526万円
5 萩生田光一(安倍派) 2728万円 ※安倍派5人衆
6 山谷えり子(安倍派) 2403万円
7 堀井学(安倍派)2196万円
8 橋本聖子(安倍派)2057万円
9 世耕弘成(安倍派)1542万円 ※安倍派5人衆
10 林幹雄(二階派)1512万円

11 福井照(二階派)1254万円 ※元衆院議員
12 長崎幸太郎(二階派)1182万円 ※元衆院議員、現山梨県知事
13 武田良太(二階派)1172万円
14 平沢勝栄(二階派)1080万円
15 松野博一(安倍派)1051万円 ※安倍派5人衆
16 高木毅(安倍派)1019万円 ※安倍派5人衆
17 堀井巌(安倍派)876万円
18 関芳弘(安倍派)836万円
19 馳浩(安倍派)819万円 ※元衆院議員、現石川県知事
20 末松信介(安倍派)584万円
21 細田健一(安倍派)564万円
22 高鳥修一(安倍派)544万円
23 石井正弘(安倍派)378万円
24 若林健太(安倍派)368万円
25 江島潔(安倍派)280万円
26 赤池誠章 (安倍派)268万円
27 木村次郎(安倍派)236万円
28 塩谷立(安倍派)234万円
29 松川るい(安倍派)204万円
30 井原巧(安倍派)168万円
31 宮内秀樹(二階派)161万円
32 宮澤博行(安倍派)140万円
33 北村経夫(安倍派)118万円
34 長峯誠(安倍派)116万円
35 西村康稔(安倍派)100万円 ※安倍派5人衆
36 野上浩太郎(安倍派)100万円
37 田畑裕明(安倍派)68万円
38 鈴木淳司(安倍派)60万円
39 山本順三(安倍派)58万円
40 高橋はるみ(安倍派)22万円
41 藤原崇(安倍派)14万円
42 山崎正昭(安倍派)4万円

■一体何に使った?“裏金”の使い道は?

今回“裏金”が分かった42人の「使い道」は次の通り。

最も多い「事務所で保管・未使用」は15人、次いで「事務所経費・会合費等」は7人、「不明・未回答」は9人、そして「政治活動費」は9人などという結果だった。

東京地検特捜部に逮捕・起訴された池田佳隆議員や、在宅起訴された大野泰正議員の使い道は明らかにされておらず、「不明・未回答」としている議員は今後、具体的に説明する必要がある。

注目すべきは「政治活動費」だ。政治活動費とは一体何を指すのか、具体的にどのような政治活動に使ったのか、この言葉では“使い道”が明らかになっているとは言いがたい。「使い道をぼかしている」と受け止められても仕方ないだろう。

有権者や国民の理解を得るためには各議員に対してさらなる説明責任が求められる。



【主な使い道】

「事務所で保管・未使用」 15人
「事務所経費・会合費等」 7人
「不明・未回答」 9人
「政治活動費」 9人
「その他」 2人

■安倍派“5人衆”は?

安倍派の幹部のいわゆる“5人衆”はいずれも“裏金”を受け取っていた。その中でも萩生田前政調会長が2728万円と最も高い額となった。また世耕前参院幹事長は1542万円を「政治活動費」に使ったとしているが、具体的に何に使ったのか明らかになっていない。使い道についてはそれぞれ以下のようにコメントしている。



萩生田光一 議員 2728万円「国会議員・外国要人・マスコミ等との会合、出張時の政務活動費」

世耕弘成 議員 1542万円「政治活動費」

松野博一 議員 1051万円「国会議員や有識者との意見交換会合費など」

高木毅 議員 1019万円「会食費や交通費等など」

西村康稔 議員 100万円「個人の政治資金パーティーの収入の一部として計上」

■今後は?実態解明に向けて

安倍派に対して東京地検特捜部の刑事処分が出され、捜査が一区切りしてから10日あまりが経過した。こうした中、安倍派は1月31日、政治資金収支報告書の訂正を総務省に届け出る。

修正される派閥の収支報告書には所属議員に対していくらキックバックされていたのか、いくら中抜き・プールがあったのかが記載されるため“裏金”の実態解明に向けて注目されている。

日本テレビの2024年1月31日時点での取材では、“裏金”を受け取ったことが確認できた議員は42人だが、今回の修正を受けて安倍派の所属議員は自らの政治団体の収支報告を随時修正する見通しで、人数は今後さらに増えることは確実だろう。

今後、新たに“裏金”が明らかになる議員や、いまだ“使い道”を明確にしていない議員には、正確で明確な説明が求められている。

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