【森功・寄稿】アンジェス森下竜一と「黒い大阪万博」の取材過程を明かす…なぜ松井・吉村は逃げ回るのか

前編『【連続追及】大阪万博トップの「アベ友」阪大教授の重大疑惑に、大阪府市が「記事改竄」までして異様な反応』より続く。

莫大な血税が投入される国家イベントたる大阪万博で、不可解なスポンサー選びが行われている―。この疑惑を報じた本誌記事に対して、大阪府市が示した見解もまた、不可解極まりない内容だった。

一大汚職事件に揺れた東京五輪・パラリンピックと並ぶ国家プロジェクトの開催が、残りあと2年あまりに迫っている。2025年大阪・関西万博である。開催地となる大阪湾の人工島、夢洲の土壌汚染問題やパビリオン建設費の高騰など、数多くの問題が取り沙汰されるなか、私は週刊現代で昨年2回に分け、大阪万博について報じた。

記事内容を誤誘導する大阪府市

HPでは〈記事内容〉としてパビリオン推進委員会のスタッフの証言を取り上げ、こう見解を示している。

〈万博推進局には、記載のある取材を受けた職員はおりません〉

あたかも取材もせず証言をでっち上げているかのように誤誘導する意図が明らかだ。記事では、〈推進委員会のあるスタッフが指摘する〉としてコメントを紹介している。それが〈取材を受けた職員はおりません〉にすり替わっている。匿名証言の犯人捜しをしたのだろうが、そもそも万博関係者にどのような調査をしたのか、むしろ尋ねたいくらいである。

当該記事の執筆にあたっては、匿名を条件に数多くの万博関係者に取材した。だが大阪府市は、記事中のコメントを、何も取材せずに作り上げた「でっち上げ証言」だと誤認させている。

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当方が疑問視している大きな点は森下竜一とサイエンスとの関係性であり、そこは万博推進局にも何度も質問してきた。しかし、何らまともな回答は得られなかった。

たとえば森下はサイエンスから定期的に顧問料の支払いを受けてきたと考えられる。この件については、'22年9月13日に万博推進局で大阪府・大阪市万博推進局および出展部出展企画課の職員と面談の取材を行った。出展部および事業推進部の担当者はこう話していた。

「(森下がサイエンスの顧問であることは)協賛企業になるときに、ホームページで調べてたまたま見かけました。だからサイエンスの顧問就任は存じ上げています」

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