酒井忠次が導いた徳川の天下 東京でシンポ、庄内藩を発信

2023/7/12 08:49
旧庄内藩酒井家19代目の酒井忠順さん(右)や徳川宗家19代当主の徳川家広さんらを迎えたパネルディスカッション。酒井家と徳川家の深いつながりを学んだ=東京・大手町

 今年のNHK大河ドラマ「どうする家康」で、徳川四天王筆頭として注目される酒井忠次を祖とする旧庄内藩酒井家と徳川家のつながりや幕末以降の酒井家について学ぶシンポジウムが11日夜、東京・大手町の日経ホールで開かれた。パネルディスカッションでは「四天王」における忠次の位置付けなどが話題に上がり「忠次なくして徳川の天下はなかった」などと盛り上がった。

 徳川宗家19代当主の徳川家広さんが基調講演し、「忠次は家康の義叔父で信頼のおける相談者だった」と2人の関係を紹介した。長篠の戦いでは忠次の作戦が勝利を引き寄せるなど知恵者だったことや、徳川家と諸藩の外交担当者だったことなども紹介した。

 家康が幕府を開いた江戸が日本の中心になるには関東・東北の開拓が不可欠だったとし「だからこそ最も信頼する酒井家を庄内に入れた。入部から50年後には北前船の西回り航路が開かれ、庄内・山形は大きく成長した」と解説した。

 パネルディスカッションでは、家広さんのほか酒井家19代目の酒井忠順(ただより)さん、歴史家・作家の加来耕三さん、NHK歴史番組プロデューサーの谷口雅一さんがパネリストに加わった。「忠次は徳川四天王という家臣の一人ではなく、ほか3人とは別格の徳川の身内と考えるべき」「忠次なくして徳川の天下平定はなかった」などと話した。

 ユーモアで人々をまとめた忠次が得意だった踊り「えびすくい」を忠順さんが披露する場面もあり、会場から大きな拍手が送られた。シンポジウムは庄内藩を都内で発信しようと鶴岡市城下町観光誘客促進実行委員会が開催し、300人超が歴史ロマンに触れた。

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