茶の湯 徒然日記

茶の湯との出会いと軌跡、お稽古のこと

お菓子の話

2008-04-28 10:18:29 | 茶道マメ知識
 お茶事では、必ず、濃茶の前に、主菓子、薄茶の前に、干菓子を頂きます。一般に、お寺や大寄せのお茶会で抹茶を頂くと、干菓子が出てくる時と、主菓子が出てくる時がありますが、お茶の世界では、正式には、濃茶には主菓子、薄茶には干菓子の組み合わせとなります。
 お茶を習っていると、菓子が楽しみのひとつです。季節によって、色々な種類、形があって、楽しくなりますね。

 茶道でいう主菓子とは、いわゆる生菓子と呼ばれる、水分が多く日持ちのしない生に近いお菓子のこと。大福や草餅などの餅物、練り切りや練り羊羹、求肥などの練り物、水羊羹などの流し物、饅頭、蒸し羊羹などの蒸し物、桃山やカステラなどの焼き物などがあります。他、羊羹を代表とする、細長い棹のような形をした主菓子を棹物とも呼んだりもします。
 主菓子のうち、一番格の高いものは、蒸し饅頭、特に、薯蕷饅頭となります。四カ伝、行、真と点前があがるにつれて、主菓子の数も3,5,7種と増えていきますが、いずれにも饅頭と水菓子(果物)は含まれることになっています。果物は、一番最初に茶の菓子として用いられたとして、必ず含まれるのです。
 私は、真の引次茶事を体験した際に、初めて出された7種のお菓子を見て、感動しました。7種のお菓子はもちろんその場では食べきれませんので、ひとつ頂いてあとはお持ち帰りです。いろいろな種類のお菓子が彩りよく並んでいて、しかも残りは家族へのお土産となり、2度おいしいお菓子となりました。研究会でも、課目に合わせて5種のお菓子が縁高に盛られて展示されていたことがありましたが、その中にも御饅頭と水菓子は入っていました。たかがお菓子といえど、耳にした知識を実際に目で確かめた時の感動はなんともいえません。お菓子は口でも確認できますから、喜びは倍増です。

 一方、薄茶で使われる干菓子とは、水分が少なく乾燥した日持ちするお菓子のことで、落雁や和三盆などの打ち物、塩がまなどの押し物、おこしや金平糖、砂糖漬けなどの掛け物、ボーロや煎餅などの焼き物、有平糖などのあめ物、ゼリー状の琥珀などがあります。このうち、打ち物が一番格が高く、茶事などで2種の菓子を盛り合わせる時は、基本的に菓子器の右上に打ち物を、左下にそれ以外の干菓子を盛ることになります。
 打ち物とは、つなぎとなる寒梅粉、葛粉などの粉と、上白糖を混ぜた物を木型に詰めて、彫刻模様を打ち出したお菓子のことです。手でつまんで、口に入れることができ、口に含むとホロリと溶けて簡単に頂けますね。
 打ち物と押し物の差がいまいちよくわからなかったのですが、打ち物が木型に入れ固めて、打ち抜いたもの、押し物は、材料は打ち物と大差はなく、木枠へ押し固めて、包丁で切ったようなもののようです。
 お茶会に行くと、大体、季節のものを象った打ち物と、有平糖が組み合わされて出されることが多いようです。皆さんはどちらから召し上がりますか。私は、有平糖から口にすることが多いような。

 菓子の盛り方ひとつにもセンスや方法、約束事があり、それらに触れる度に日本に四季があること、日本人の美意識に感動と感謝を覚えます。先日新たに知った干菓子の盛り方にも、なるほどなるほどと、思わずため息。それはまたの機会にご紹介したいと思います。約束事はありながら、状況によって変化させる、それが古人の知恵でもあり、亭主の趣向・センスでもあり、お茶の楽しいところですね。
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8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
お干菓子が大好きです (あくあ)
2008-04-29 22:37:34
m-tamagoさん、こんばんは。
「茶の湯徒然日記」を拙ブログにてリンクさせていただきました。
お干菓子、大好きです。私は有平糖を最後にとっておきます。あの食感をじっくり口中で楽しみたいので。
上のお稽古になるとそんなにいっぱいお菓子が出てくるんですか?
うわあ、がんばってお稽古続けよう(^^)ゞ。
お菓子 (グランマ)
2008-05-01 10:46:25
お点前の格によってお菓子の種類が違う・・
知りませんでした。今度本屋さんで裏千家の
お菓子のの本を見てみましょう。
私も干菓子の場合有平糖でお茶を戴きおせんべい
(表ではこれが多い)とか打ち物は連れ合いに
お土産にしたりします
おいしそう! (ゴマ子)
2008-05-05 08:15:28
お菓子、楽しみですよね。季節を一番手軽にあらわせるものですし、、、
でも、実際盛るときになると、これが難しい。
お写真のお菓子、きれいに盛り付けられていますね。

私はまだ七種のお菓子を目にしたことはないのですが
きっと実際に七種出されたら感動するとおもいます!
お願いです。 (蜆子)
2008-05-05 21:47:31
このたび参加しております「お茶しま専科」というミクシーないのコミュの管理人に頼まれて、よんどころなく引き受けてしまいました。
お茶に関して色々な方面からの勉強する、コミュです。
そこに「茶の湯しりとり」という項目もあります。
勉強していらしたことなどを、書き込みして下さると嬉しく思うのですが。
どうぞご参加下さいますようにお待ちいたしております。
URLはろうとしたのですが、うまくいきません。
私のミクシー内のブログから、行けます。
どうぞ宜しく、お待ちいたしております。
干菓子 (m-tamago)
2008-05-07 09:45:51
あくあさん、こんにちは。
ブログにてリンクして下さったようで、ありがとうございます。

有平糖もその時の具合でホロリと溶ける時と、なかなか溶けてくれなくて、お茶がもう来てしまうよ~と焦る時とありますよね。

>上のお稽古になるとそんなにいっぱいお菓子が出てくるんですか?
茶事ではそうですが、普段のお稽古ではそうはいきません。。。。。問答で、数々のお菓子を頂戴し、、、とは言いますが、残念ながら実際に頂くのは1つだけです。まあ、お稽古ですからね。。。
お菓子 (m-tamago)
2008-05-07 09:48:31
グランマさん、こんにちは。

>お点前の格によってお菓子の種類が違う・・
たぶん、表千家もそうじゃないかなあと思うのですが。。。。
お菓子の世界も深くて知らないことだらけです。

>私も干菓子の場合有平糖でお茶を戴きおせんべい
(表ではこれが多い)とか打ち物は連れ合いに
お土産にしたりします
それはご主人様は幸せですね。打ち物はお持ち帰りには気をつけないと崩れてしまいますよね~。
おせんべいと有平糖の組み合わせも多いですよね。その場合は、おせんべいを右上にしますよね。

おいしい! (m-tamago)
2008-05-07 09:51:35
ゴマ子さん、こんにちは。

>でも、実際盛るときになると、これが難しい。
そうそう、そうなんです。盛りつけもセンスが出ますよね。器によって、ちょっとした置き位置で印象が違う。

>きっと実際に七種出されたら感動するとおもいます!
すごい感動しました。おーーーーーって。違う種類の主菓子が彩りよく盛られていて、すごいです。どれから食べるか迷いました。真剣な茶事の最中なのに(笑)
了解しました (m-tamago)
2008-05-07 09:54:17
蜆子さん、こんにちは。

>「お茶しま専科」というミクシーないのコミュの管理人
おお、すごい。がんばってますね~。私は最近ミクシーまで手が回らず、ほとんど見られていないのですが、蜆子さんが管理人ということであれば、参加させて頂きますね。なかなか書き込みがコンスタントにできないかもしれませんが、お許しくださいませ。

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