ネットフリックス、会員数増加が予想上回る-コロナ禍以来最高
Lucas Shaw-
10-12月会員数が1310万人増加-市場予想891万人増
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売上高も市場予想上回る-株価は時間外取引で一時8.9%高
動画配信サービスの米ネットフリックスは2023年10-12月(第4四半期)の会員数が1310万人増加した。外出が難しかった新型コロナウイルス禍の初期以来、四半期として最高の伸びを記録した。
会員数増加は市場予想の891万人を上回った。世界のあらゆる地域で予想を超え、欧州・中東・アフリカだけで500万人余りの会員増となった。23日の発表によると、10-12月期売上高は88億3000万ドル(約1兆3100億円)に増加。これも市場予想を上回った。
ネットフリックスは、23年に過去最高並みの会員増を記録することで、22年の低迷から脱却。パスワード共有の厳格化や割安な広告付きオプションの導入、充実した番組構成に支えられた。10-12月期に配信されたプログラムには、スリラー映画「終わらない週末」やサッカーの元イングランド代表デービッド・ベッカム氏のドキュメンタリーなどがある。
発表を受け、ネットフリックスの株価は通常取引後の時間外取引で一時8.9%高の535.91ドルとなった。23日の通常取引終値までの過去1年間では38%上昇している。
22年上期(1-6月)に会員数が減少した際、経営陣は長年拒んできた措置で対応した。同社は広告を導入し、パスワード共有対策に動いた。広告付きプランは出足こそ低調だったが、勢いがつき始めた。同社は今月、このプランの利用者が今や2300万人を超えたと説明した。
グレッグ・ピーターズ共同最高経営責任者(CEO)は23日、投資家向けの電話会見で、広告事業改善にはまだ多くの課題があると語った。同社は会員増加や新商品投入、テクノロジー向上を必要としている。
ピーターズ氏は「ネットフリックスとの契約に十分な条件を備えながら、まだ契約していない世帯が数億ある」とした上で、「獲得しなければならない」と述べた。
生中継でのレスリング番組は広告ビジネスに弾みとなるかもしれない。同社はこの日、ワールド・レスリング・エンターテイメント(WWE)の生中継の週間番組を2025年から提供するための10年契約を発表した。テッド・サランドス共同CEOはWWEをスポーツ・エンターテインメントと表現した。ただ同契約は、少なくともまだスポーツ放映権に対する同社の関心を示唆するものではないと説明した。
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サランドス氏によれば、WWEには海外を中心に多世代にわたる多くのファンがおり、ファンはネットフリックスで増える見込み。
一方、10-12月期の好調な会員数の伸びは24年までは続かない可能性がある。ネットフリックスは、24年1-3月(第1四半期)の会員数の増加について前年同期の175万人は上回るものの、23年10-12月期には届かないだろうとの見方を示している。市場の予想は431万人の増加。
だが売上高の伸びには響かない見通し。ネットフリックスは例年通り、値上げなどを通じ引き続き2桁ペースで売り上げを伸ばす方針を示した。
10-12月期の1株利益は2.11ドルに増加したが、市場予想には届かなかった。通期の純利益は54億1000万ドル。23年末時点の現金および短期投資は71億ドル。
原題:Netflix Posts Best Customer Gain Since Surge During Pandemic (2)、Netflix Posts Best Customer Gain Since Surge During Pandemic (1)(抜粋)