核禁条約締約国会議、日本はオブザーバー参加もしない考え 松野博一官房長官

2023年11月27日 12時28分
 松野博一官房長官は27日の記者会見で、ニューヨークの国連本部で同日開幕する核兵器禁止条約第2回締約国会議について「政府としてオブザーバー参加はしない」と述べた。日本は核兵器の開発や保有、使用などを禁止した同条約を批准しておらず、第1回会議に続いて参加しない。

松野官房長官

 松野氏は、締約国会議にオブザーバー参加しない理由を、「核兵器禁止条約に核兵器(保有)国は1カ国も参加しておらず、いまだ核兵器のない世界への出口に至る道筋は立っていない」と説明した。
 被爆者らは、同条約の締約国となることや締約国会議にオブザーバー参加することを求めている。だが松野氏は、「(核兵器の廃絶に向けた)現実的かつ実践的な取り組みを継続強化していく」と従来の方針を繰り返した。
 核兵器を初めて全面的に違法化した同条約は2017年7月に国連で採択され、21年1月に発効。これまでに93の国・地域が署名し、69の国・地域が批准した。第1回会議は昨年6月にオーストリアのウィーンで開催された。
 日本は唯一の戦争被爆国として非核三原則を国是とする一方、安全保障条約を結ぶ米国の核の傘に入っており、同条約への参加に消極的な姿勢を維持している。(佐藤裕介)

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