「普段から上空にいるオスプレイが…ぞっとする」 横田基地や木更津駐屯地の周辺住民、墜落事故にショック

2023年11月29日 20時24分
 鹿児島県・屋久島沖で29日午後に墜落した米空軍輸送機CV22オスプレイは、横田基地(東京都福生市など)に配備されている6機のうちの1機とみられる。関東では横田基地のほか、陸上自衛隊木更津駐屯地(千葉県木更津市)に陸自のV22オスプレイ14機が暫定配備。機体トラブルが多いオスプレイを不安視してきた周辺住民からは、改めて飛行禁止を求める声が相次いだ。(松島京太、山本哲正)

◆横田基地近くの住民は「飛行差し止めを一層強く求める」

続々と着陸する米軍のCV22オスプレイ=東京都福生市で(2018年4月撮影)

 「普段から上空を飛んでいるオスプレイが墜落したことにぞっとする」
 横田基地に近い東京都昭島市に住み、騒音被害の損害賠償やオスプレイの飛行差し止めを求める第3次新横田基地公害訴訟の原告の一人の永川(えがわ)勝則さん(81)は、そう声を震わせた。
 「米軍は事故原因の調査などで一時的に運用を停止するかもしれないが、横田基地から全てのオスプレイをなくしてほしい」と訴えた。
 原告団の奥村博団長(73)=東京都昭島市=は「墜落事故は、機体に欠陥があるという不安が現実のものになったのではないか。訴訟で飛行差し止めを一層強く求めていきたい」と話した。
 福生市の加藤育男市長は、本紙の取材に「防衛省に事故原因の究明と原因が究明されるまでの飛行停止などを申し入れた。国は迅速かつ正確な情報を提供してほしい」とコメントした。

◆「情報を速やかに市民に提供」と木更津市職員

 千葉県木更津市には午後3時40分ごろ、防衛省北関東防衛局から一報が入った。陸自木更津駐屯地ではV22が暫定配備されているほか、米海兵隊MV22の定期機体整備の場でもあり、周辺で飛行が続いてきた。
 市の担当職員は「このところ海外の事故がほとんどだったが、今回は国内。オスプレイの安全性に市民の懸念が高まる事案だ。速やかに情報を防衛省から得て市民に提供したい」と語った。

飛行する陸自のV22オスプレイ=千葉県木更津市で(2022年7月撮影)

 地元住民らでつくる「オスプレイ来るな いらない住民の会」の野中晃さん(83)は「会では米軍機、陸自機共にオスプレイの飛行停止を防衛省に要請したばかり。住民や米軍人、自衛隊員の人命に軽重はない。原因究明と飛行停止は喫緊の課題だ」と訴える。
 自宅の庭に出ると飛行するV22が見え、騒音に困っているという市内の桑原貞雄さん(80)は「いつも『大丈夫かなあ』と思って見ている。今回の事故で不安が高まる」と話した。

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