隠されていた存在

隠されていた存在

ここだけゾロがルナーリア族Part2の145

※閲覧注意

※【ここだけゾロがルナーリア族】のスレより

※ゾローリアの更にIFネタ

※ファンタジスタした幼少ゾロがキングに拾われ百獣海賊団所属√

※幼少ゾロはくいなと約束する前

※くいな生存

※麦わらの一味がゾロの配下√

※CPはゾロ×日和、ウソップ×カヤ

※IFネタの派生⇒麦わら配下√(百獣√分岐)

※〝月〟を冠するワノ国大名家の先祖がルナーリア族

※キャラエミュが微妙

※文才なしの駄文

※捏造設定あり

※それでも良い方のみ、お読み下さい














  「なぁ…小せぇ餓鬼が、いるらしいぞ」

  「あぁ、刀持ってた餓鬼だろ?」

  「“若様”って呼ばれてたよな」

  「…真打ちが“若様”って呼ぶなら、やっぱりカイドウ様の第二子とか…??」

  「大看板の方々の誰か、の子供とか?」

  「年齢的にも、ジャック様以外だろ」

  「…てか、何で隠されてたんだろうな?」

  「…病弱だったとか?」

  「まさかぁ…カイドウ様だろうが大看板だろうが、その誰かの子供なら病弱って事はねぇだろ」

  「……ヤマト様みたいにならねぇ様に、とか??」

  「「「オイッ!?!?」」」






“昔”の事を聞いても態度が変わらなかったゾロのおかげで、キングも調子が戻り始め…日常に戻ったと思った頃。

ゾロの事が、何故かバレた。

おれ達以外と接する時はフード付きのマントとフェイスベールを着るように言っていたから、顔や翼がバレる事はなかったが…。

バレた原因は、鍛錬の為に移動する時に見られたから…らしかった。

そして、その移動の際にゾロと一緒にいた真打ち共が、目の前で土下座している。

「大変申し訳御座居ませんっ!!カイドウ様!!」

「我々が若様の御側に居りましたのにっ!!」

失態をして怯えている…と言うより、純粋にゾロの事を心配している様子の真打ち共に、ゾロは人心掌握にも長けていると改めて考える。

「……いや、鍛錬の為に鬼ヶ島内を移動してりゃあ有り得る事だからな…寧ろ、良く今までバレなかったな」

「「………」」

元より責めるつもりは無かったので、そう言えば…真打ち共は、お互いに顔を見合わせていて。

どうしたのか問い掛ける前に、口を開く。

「それが…今までは、若様が嫌がる所を避けていまして」

「…最近は何処を通っても、若様が嫌がらなかったのですが…」

少し困った様な声音で語られた内容に、思わず言葉を失った。

「「「「…………」」」」

おれ達が何も言わなかったのを勘気に触れたと勘違いさせちまった様で。

「「……本っ当に、申し訳御座居ませんでした!!」」

「…はぁ……お前等は、不問にする。これからも、こいつとは鍛錬してやれ」

またしても土下座する真打ち共に、溜息混じりに告げる。

「「はっ!!」」




「……ゾロ…何で、嫌がらなかった?」

真打ち共が完全に部屋から出ると、ゾロに問い掛ける。

「??…だって、キングも、カイドウさんも…クイーンやジャックだって、おれの敵にはならないし」

問い掛けを聞いたゾロは、不思議そうに首を傾げながら答えるが…内容は、嬉しいもので。

警戒心が強いゾロが“こう”言うって事は、おれ達は警戒する必要が全く無い…完全に味方として見ているって事だからだ。

「……お前が、おれ達に心を許してくれてるのは嬉しいが…」

それは、それとして…注意する様に言おうとしたが。

「それに…真打ちまでだったら、もう対処出来るぞ。おれ」

「「「…あぁ、うん…そうだな」」」

そうだよなぁ…と、納得しか無い言葉を言われた。

ゾロが勝てない相手なんて、おれと大看板…恐らくは、飛び六胞くらいだからな。

もう、一年か二年経てば飛び六胞にも一方的に勝てる様になるかも知れねぇが…。

頷くしか無い、おれとクイーン、ジャックだが…調子が戻って来た代わりに過保護化しているキングは、何とか説得しようと…。

「…“雛”、だからと言って姿を見せるのは…」

「“黒翼”も“炎”も出してねぇもん」

確かに、おれ達以外には見せてねぇからな…。

「…“雛”」

「ちゃんとフェイスベールしてたし、フードもマントも着てた」

基本的に、着込みっぱなしだな。

「…“雛”、そうだとしても…」

「“霜月”の家名も出してねぇ」

まぁ…“霜月”どころか、“ロロノア・ゾロ”って名前すら、他の奴に名乗ってるの見た事ねぇしな。

「…その、な…“雛”」

「名前で呼ばれる方が好きだけど、“若様”呼びで我慢してる」

そうだな、“雛”呼びよりも“ゾロ”って、呼ばれる方が好きだしな…そりゃあ、“若様”呼びを受け入れるのは、随分と我慢してるな。

「……くっ………良く、我慢してるな…ゾロ」

「だろ?」

言い負かされたキングがゾロの頭を撫でれば、不服そうな表情から一気に機嫌良くニッコニコな笑顔になるゾロ。

ゾロ、お前…不服そうな表情は……いや、考えない事にしとくか。

「……えぇぇー…そりゃねぇだろ」

「……キングの兄御」

そして、見えてた結果とは言え…10歳のゾロに言い負かされてどうすんだ、キング。

クイーンとジャックですら、呆れてんぞ。

「…はぁ…仕方ねぇか。取り敢えず、紹介しちまうぞ…キングの養い子として」

溜息を一つ吐く。

元々、このまま鍛錬の時以外を閉じ込めたままにはしておけねぇとは、思っていたからな…丁度良い機会だろう。

「とは言え、“本名”を名乗らせるのは止めた方が良いだろうからな…“名乗る為の名前”を考えねぇと」

ふむ…キング達と“揃い”にするなら。

どうするか…“最優”の〝エース〟にするか、“切り札”の〝ジョーカー〟も捨て難い……それとも…。

「カイドウさん、キングの養い子としてゾロを紹介するのは分かるんすが…地位とかどうします?多分、跳ねっ返り共は地位がねぇと、突っ掛かりますよ」

「クイーンの兄御…多分、地位があっても突っ掛かる奴は…」

「それでも、あるのとないのじゃ…ある方が牽制にはなるだろ」

クイーンとジャック…どちらも正論だろう。

百獣海賊団は〝弱肉強食〟…真打ちや飛び六胞だけでは無く、大看板も〝入れ替わる可能性〟はある。

ジャックも実力で大看板の地位を得たが、初期の頃は跳ねっ返り共が挑みまくってジャックによってボコされてたからな。

しかし、地位を与えるという事は、それだけの実力者だと言う証でもある…。

なら、少しでも、ゾロの為になるのは……。

「……あー…キングと、ゾロが良いなら、四人目の大看板候補…権限的には飛び六胞と同程度、に…してぇんだが」

〝今〟は、これが妥当だろう。

正式な任命にはならねぇが、権限は飛び六胞と同等…要するに、実力は飛び六胞並み、だと言うのは牽制程度にはなるだろう。

だが…。

「……おれ、は…“雛”を守れるなら、良い、ですが」

キングもおれと同じ懸念が浮かんだのか、歯切れの悪い返答で。

「カイドウさんがそうしたいなら、おれも良いけど?」

そんな、おれとキングの懸念を余所に、ゾロは答えていて。

「……百獣海賊団所属って事に、なるが…」

おれ達に心を許してくれてるし、理解を示してくれているが…百獣海賊団所属になるのは、複雑な心境になるんじゃねぇのか…。

そんな風に思っての、懸念だったんだが。

「寧ろ、それを狙って、下っ端連中の前に出たんだけど」

「「「「………え…」」」」

ぽつり…と、呟かれたゾロの言葉に一瞬頭の中が白くなった。

慌ててゾロを注視すれば…ゾロは、不敵な笑みを浮かべていて。

「じゃなきゃ、おれが下っ端連中に見付かる“へま”すると?」






そんなこんなで〝ワイルド〟の名前を名乗る事になったゾロは、百獣海賊団に所属する事になった。

〝今〟は“飛び六胞”と同程度の権限を持った、キング、クイーン、ジャックに次ぐ“大看板候補”として…未来の、四人目の“大看板”として。

鍛錬相手をしていた連中は即座に受け入れていたし…真打ちの一部を一方的に叩きのめせる実力を持つ事をクイーンが情報として流していたからか、キングが自分の養い子で手を出したら燃やすと公言したからか…その場では、表立って反対する様な馬鹿は居なかった。

後日、クイーンが危惧した様に跳ねっ返り共がワイルドに突っ掛かった。

理由は、“隠されていた存在”だから…本当は弱いんじゃねぇかと疑ったらしい。

事前に許可を出していたのもあるが…勿論、ワイルドの手により全員が斬り伏せられ、再起不能になるまで心を折られていた。


Report Page