内閣総理大臣公邸
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幽霊出没説
旧公邸や現公邸問わず、「公邸で幽霊を見た」との怪談・都市伝説がたびたび語られている。
現公邸となった旧首相官邸は、1932年(昭和7年)の五・一五事件や1936年(昭和11年)の二・二六事件といった旧日本軍によるクーデターの舞台となり、現職首相の犬養毅や首相秘書の松尾伝蔵など数人が殺害されている[注釈 11]。二・二六事件で銃撃を受けた際の弾痕も、現公邸の窓ガラスに残されている[8][9]。そのためか、公邸には軍服姿の幽霊が出るなどという噂話が存在する[10]。
歴代首相の証言
1993年(平成5年)から居住した細川護熙は、公邸内でお香を焚いていたという[11]。
1994年(平成6年)に居住した羽田孜の妻である羽田綏子は著書で「悪寒が走った。なにか胸を圧されるような異様な雰囲気を感じた」と語っており[8]、霊能者からも「庭に軍人がいる」と告げられて[12]塩を撒いたという[11]。
2000年(平成12年)から居住した森喜朗は「寝入りばなにカチャカチャと音がするので、目が覚めた。ドアノブの音。そっと外を見たら、じゅうたんの廊下をタッタッタッと音が遠ざかっていくんだ」と述べている[11][13]。さらに森は後任の小泉純一郎に「(幽霊に)気をつけるように」と忠告し、小泉はそれに従ってお祓いをしたという[11]。
2001年(平成13年)から居住した小泉純一郎は、「幽霊に出会ったことないね。一度会いたいと思ったけれども」と語った[8]。なお、小泉の任期中であった2003年(平成15年)に公邸は改築され、官邸も建て替えられた[10]。
2009年(平成21年)に居住した麻生太郎は「昔はよくオバケが出た」と述べていた[8]。夜に公邸の寝室からガタガタという物音が響いた際、麻生は「オバケだ」と考えてベッドの上で正座し、「この度、内閣総理大臣を拝命した麻生太郎です」と挨拶したという[14]。
2009年(平成21年)から居住した鳩山由紀夫の妻である鳩山幸は「幽霊を見た」と語っていたという[10]。
2010年(平成22年)から居住した菅直人は幽霊について特に語ったことはない、と野田佳彦が回想している[10]。
2011年(平成23年)から居住した野田佳彦の妻である野田仁実は、幽霊の噂を聞いて入居を躊躇していたという[10]。
幽霊に関する閣議決定
2006年(平成18年)から翌2007年(平成19年)まで首相として居住した安倍晋三は、2012年(平成24年)に再び首相に就任したが、その際は公邸に居住しなかった。翌2013年(平成25年)5月15日に、民主党参議院議員の加賀谷健による質問主意書の中で「幽霊が出るとの噂があるが事実か。安倍首相が公邸に引っ越さないのはそのためか」との質問が行われた[15][16]。これに対して第2次安倍内閣は、幽霊の噂について「承知していない」とする答弁書を閣議決定した[11][17]。
しかし、内閣官房長官の菅義偉はこれに反し、同年5月24日の記者会見で「色々な噂があることは事実だし、この間、閣僚が公邸で懇談会を開いたときもそういう話題が出たことも事実だ」と述べた[18][14]。また記者の「(幽霊の)気配を感じたことはあるのか」という質問に対して菅は「言われればそうかなと思った」と笑いながら回答した[12]。菅はのちの2020年(令和2年)に首相に就任したが、公邸に居住することはなかった[19]。
また、2013年(平成25年)6月に安倍は幽霊の噂について「都市伝説」であると述べ、公邸に居住しない理由とは関係ないとした。ただし、同年7月30日には自由民主党幹部を公邸に招いた会食で、入居しない理由として「幽霊が出るから嫌なんです。一緒に住みませんか」と笑いながら話した。安倍は「森(喜朗)さんがお化けの一部を見たという話は聞いたことがある」とも語っている[20]。
注釈
- ^ マンションの一室で、所有者は母親・安倍洋子。晋三の自宅は山口県下関市。渋谷区が含まれる東京都第7区は長妻昭の地盤で、ここには住民登録していない。
- ^ 岸田に連なる宏池会元領袖の宮澤喜一は私邸から通勤していた。
- ^ 旧官邸時には発足時の記念撮影に使用していた。第2次岸田改造内閣発足時の記念撮影では、通常の撮影場所となっている現官邸の大階段が改修工事中のため、西階段が使用された[7]。
- ^ 21世紀の現在では「公邸」があるのは首相のみで、それ以外の国務大臣に「公邸」は存在しない
- ^ 実際吉田は、「外相を兼務したのはこの公邸に住んでいたかったからさ」と公言してはばからなかった。
- ^ 住所は白金台でも、旧朝香宮邸は目黒駅から徒歩5分ほどのところに位置しているため。
- ^ 細川護煕の佳代子夫人は、「どの部屋も薄暗い、家族五人が集まれる居間がない、台所のガス台は65年前のもの」などと当時を回想、公邸を下見したときは「ショックでした」と語っている。
- ^ 佐藤寛子は著書の中で、公邸のゴキブリは体長が4〜5センチはあり、佐藤榮作もこれには参っていたことを記している。
- ^ たとえパトカー先導といえども都心の交通混雑は侮り難い。一刻一秒を争う緊急事態が発生しているときに首相の車が渋滞にはまってノロノロでは危機管理上の大問題なので、首相の「通勤」は避けるべきだとの意見は以前からあった。安倍晋三の出勤の際は首都高速道路中央環状線が一部通行止めにされた。当時、平日朝の交通情報で当該ルートについて毎日のように「警備のため閉鎖」と案内されている
- ^ アメリカ大統領なみの指導力を持った首相、そしてホワイトハウスなみの機動性を備えた官邸を目指した中曾根康弘は、在任中の5年間を公邸で過ごして存在感をアピールすることにより官邸機能強化への地ならしを図った。
- ^ 1932年(昭和7年)5月19日、犬養の葬儀が官邸大ホールで執り行われた。旧官邸(新公邸)で葬儀が行われたのは、この犬養の葬儀が唯一の例である。木造官邸では、1923年(大正12年)8月28日、大広間で加藤友三郎の葬儀が行われている。
- ^ 芦田は吉田に遅れること5年で外務省に入省したが、大使館附参事官を最後に退官して政治家となった党人で、吉田とは外交官歴も政治家歴もまったく異なっていた。しかも芦田の自宅は芝白金にあり、吉田が近所の旧朝香宮邸を外相公邸にして住み込んだことが面白くなかったのである。
- ^ ただし吉田はこの後も旧外相公邸をさまざまな機会に使用している。
出典
- ^ “首相公邸(旧官邸) | 首相官邸ホームページ”. www.kantei.go.jp. 2021年12月22日閲覧。
- ^ a b “「オンラインなのに密、奇妙だ」「昭和か」岸田首相取材の不自然さにネット上で揶揄:東京新聞 TOKYO Web”. 東京新聞 TOKYO Web. 2022年8月29日閲覧。
- ^ “首相公邸に住まぬ理由「自宅はゆっくり休める」”. 読売新聞. (2015年2月24日). オリジナルの2015年2月24日時点におけるアーカイブ。
- ^ 公邸になぜ住まない?野田元首相が菅氏に「わがままだ」 朝日新聞 2021年2月15日閲覧
- ^ “首相、公邸入居へ 危機管理を重視”. 産経新聞. (2021年12月6日) 2021年12月7日閲覧。
- ^ “岸田首相、公邸へ引っ越し 「公務に専念」”. 時事通信. (2021年12月11日) 2021年12月11日閲覧。
- ^ “記念撮影、21年ぶり旧官邸で 「大階段」は改修工事中―第2次岸田改造内閣”. 時事ドットコム (2022年8月10日). 2022年8月11日閲覧。
- ^ a b c d e f g h “暗殺の舞台 オバケが出る? 菅首相 公邸に住まない理由”. FNNプライムオンライン (YouTube). (2021年2月19日) 2021年12月7日閲覧。
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- ^ a b c d e “公邸めぐる2つの謎「軍服の幽霊」ともう一つは?”. プレジデント (プレジデント社). (2011年11月10日) 2021年12月7日閲覧。
- ^ a b c d e “首相公邸幽霊騒動 歴代首相も恐怖体験、小泉氏はお祓いも”. 女性セブン (小学館). (2013年5月30日) 2021年12月7日閲覧。
- ^ a b “総理公邸の"幽霊"巡り・・・政権内の閣内不一致?(13/05/25)”. ANN (YouTube). (2013年5月25日) 2021年12月7日閲覧。
- ^ a b “河北春秋(11/25):真夜中の洋館。寝室のドアノブがガチャガチ…”. 河北新報. (2021年11月25日) 2021年12月8日閲覧。
- ^ a b 篠原裕明 (2021年11月29日). “鯉が全滅?オバケに挨拶?最新「議員プロフィール」傑作選【テレ東 官邸キャップ篠原裕明の政治解説】”. テレビ東京 (YouTube): p. 28分47秒 2021年12月17日閲覧。
- ^ “総理大臣公邸に関する質問主意書”. 参議院 (2013年8月1日). 2020年8月25日閲覧。
- ^ 参議院 本会議. 第183回国会. Vol. 第23号. 27 May 2013.
加賀谷健の質問主意書
- ^ “菅総理が公邸に住まないのは幽霊が出るから!?地震対応など危機管理上の問題を指摘する声も”. 公式 池上彰と増田ユリヤのYouTube学園 (YouTube). (2021年2月26日) 2021年3月1日閲覧。
- ^ a b c d 湯之前 八州 (2021年3月10日). “短命のジンクス?幽霊? 首相、なぜ公邸に住まない”. 西日本新聞 2021年12月7日閲覧。
- ^ ““幽霊出る噂”公邸に岸田首相11日入居へ 夫人は手料理に意欲”. TBS (YouTube). (2021年12月6日) 2021年12月7日閲覧。
- ^ “公邸入居しない首相「幽霊が出るから嫌。一緒に住もうよ」”. 産経新聞. (2013年7月30日) 2021年12月8日閲覧。
- ^ 窪田順生 (2021年9月30日). “早稲田OB首相は短命?新総裁・岸田氏は「永田町のジンクス」を覆せるか”. 週刊ダイアモンド 2021年12月8日閲覧。
- ^ “令和3年10月4日 菅内閣総辞職”. 首相官邸. (2021年10月4日) 2021年12月7日閲覧。
- ^ “菅首相、在職384日で総辞職へ 戦後12番目の短さ”. 時事通信. (2021年9月21日) 2021年12月7日閲覧。
- ^ 石原信雄 1997.
- ^ “首相、公邸住まいにためらい?”. 共同通信. (2020年10月9日) 2020年10月9日閲覧。
- ^ “「どうして公邸に入らないのか」理由を問われた首相は…”. 朝日新聞デジタル. (2021年1月25日) 2021年1月26日閲覧。
- ^ “首相、なぜ議員宿舎に居住? 国は「公邸」を無料貸与 必ず住む決まりなし=回答・佐野格”. 毎日新聞. (2021年1月5日) 2021年1月16日閲覧。
- ^ “首相動静”. 時事通信. (2021年11月5日) 2021年11月6日閲覧。
- ^ “岸田首相、11日にも公邸入居へ”. 共同通信. (2021年12月6日) 2021年12月6日閲覧。
- ^ “【速報】9年ぶりに「主」が入居 岸田首相が公邸にお引っ越し”. FNNプライムオンライン. (2021年12月11日) 2021年12月11日閲覧。
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