AN OFFERING TO ...

AN OFFERING TO ...


「陛下は既に床...というよりは椅子にて安楽としておられるし ハッシュヴァルトに『好きに動いていろ』と言われて外へと出向いたのは良いが」

見渡せどそう目ぼしい物も無い どうにも新たに上書きされた影響で貴重そうな物品も結構な数が痛んでいてどうにも手の施しようがない

それにしても 話をしたハッシュヴァルトは半身と呼ばれるだけあって陛下の眼を有していた…どうにもその目で儂を睨みながらも笑っていたのは何故だろうか


恐らく親衛隊が死神と接触しているのだろう 遠い何処かで強い霊圧が幾度となく明滅する

それはともかく火事場泥棒は続けていくが...かなり長いこと探した結果 一つ成果らしい成果はあった

曳舟桐生が記したのであろう『魚を用いた急速霊圧回復料理のレシピ』である

「ほう...因果な物じゃな いやはや因縁やら恨みとやらはどうにも付いて回る」

滅却師を讃える白い壁が爆ぜる 鬼道 死神の技術を持ってして

「ようやく見つけたぜ...ダルヴァ」

一刻も早く殺すと言わんばかりにマツィヤは構えを取る だがダルヴァはいつも通りマイペースに話を進める

「まあ待つのじゃ ちょうど先ほどお主に合う物を見つけてのう」

ダルヴァはレシピの書かれた紙を投げ渡す 別に罠などは仕掛けていない

「なんだよ?遺産のつもりか おい?」

「遺産?死にゆく我が子に少し早めに死出への手向けを渡したまでじゃよ」

両者は歯を見せ対峙する 片方はただ笑って 片方は歯を食いしばってこの戦いに挑んでいる

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