ここだけ龍を狩る船乗り達のスレ基本用語集

【龍】

生物学的には「魔臓」と呼ばれる器官を持つ生物の総称。魔臓を利用する事で様々な超常現象を巻き起こす事が可能で、飛行可能な翼も無しに空を泳ぐ様に飛んだり炎を吐いたりする事が出来る。

あくまでも生物学的な定義であり、魔臓を持たない「龍」と呼称される生物(主に爬虫類の仲間)も一部存在する。

肉は食用に、内臓は薬に、骨は彫刻に、皮は道具に、鱗は宝石に、糞尿すらも肥料に。「龍に捨てる所無し」と言われる程に経済的な価値が高く、狩れば一頭だけでも凄まじい大金になる。

その反面、その超常的な力により人類に致命的な損害を与える事もあり、各地で厄災の化身として畏れられている存在でもある。

【魔臓】

龍の体内に存在する特殊な器官。魔石などと呼ばれる事もある。魔臓は一つに付き一つの機能までしか担う事が出来ない為、魔臓を一つしか持たない龍は一つの超常現象(主に浮遊)しか起こせない。逆に魔臓を複数持つ龍は多数の能力を持っている事が多い。

具体的にどういう仕組みで超常現象を巻き起こしているのかは殆ど不明。龍の体内から抜き取っても電力を通す事で活性化させる事が可能で、様々な用途の為に高い値段が付く。

注釈：非常に硬く食べる事は出来ない。

【龍船】

魔臓の通電すると活性化する性質を用いた特殊な飛行船。飛空艇とも。大型の龍が浮遊に使用する魔臓に電力を通し続ける事で船体を浮かしているのが特徴。

従来の飛行船と異なり大きなガス袋が無い為爆発や炎上のリスクが殆ど無く、またガス袋分のスペースが開いた事で大量の人員や荷物、設備を載せる事が出来る。飛行可能な高度上限が極めて高い事も特徴で、３０００から４０００m程度の高さ……大型の龍などが最も活発に動き回る高度でも問題無く飛ぶ事が出来る

その反面、常に通電し続ける必要がある点とそもそも大型の魔臓が極めて高価である点により建造にも維持にも凄まじい大金が掛かる。

【ウロコ狩り】

龍を狩る事を生業とする者達の総称。

龍の鱗、その中でもとびきり大きく、頑丈で色鮮やかな物は宝石としての希少価値が極めて高い事からこの名が付けられた。

龍狩りには強度や積載量、飛行可能な高度に速度などの関係上龍船が用いられ、また龍の強靭な鱗や皮を貫く為に専用の装備や兵装も用いられる。

龍狩りは超ハイリスクハイリターンであり、失敗すれば借金漬けか死。成功すれば豪邸が建つ程の大金(ただし大半は龍船や装備の維持費に回る)と過酷な業務となっている。

損得で考えれば間違いなく割に合わない仕事であり、大多数は変人か訳アリの人間である。

【アニ・マンリー号】

我らが船。維持費の都合で年中火の車な古びた龍船。割とオンボロではあるが、ウロコ狩りを幾度と無く成功させて来たベテラン船でもある。ウロコ狩り用の装備に船員の部屋、食堂に貨物庫に解体用の作業場に……必要な設備は大体全て揃っている。

【余談：龍の部位のアレコレ】

龍肉：部位次第で値段に大きな差がある。大量に取れる大部分の肉は安いが、一部の希少部位は高値が付く。保存加工の仕方だけでも値段は大きく変わり、塩漬けは楽かつ大量に安定して保存できるが売値は安く、特殊な魔臓などを用いた低温保存などは高値が付きやすいが手間も維持費も掛かる上に少量しか保存できない。一番多く取れるがそれ故に扱いが大変な部位。全体的に美味。

龍油：切り分けるまでは肉と同じ、ただし延々と油が取り切れるまで火を入れ続けるので熱くて大変。その分値段はそこそこ。食用以外にも色々用途有り。

龍骨：楽に見えて大変。彫刻などに利用する際の価値が大きく落ちる為ゼラチン部分や神経、骨髄などの迅速な除去と処理が必要。お値段高め。

龍皮/龍鱗：難易度地獄。その反面超高級品。洗浄を行なった上で皮を破らない様に表面にびっしり並んだ鱗を一枚一枚引き抜いて行く必要有り、相当力を入れないと引き抜けないが力を入れ過ぎて皮に穴が空いたり鱗がひび割れたりすると価値が暴落する。龍皮は船上では加工できないので再度洗浄してそのまま塩漬けにして保管。龍鱗は小さい物や脆い物、宝石としての価値が無い物を選別した後に研磨は行わずに再洗浄の後に保管。

皮膜：取り外しと洗浄、保存加工自体は割と簡単。ただし龍狩りの過程で破けたりするので綺麗な物の入手難易度は高い。量も少ないしそもそも皮膜を持たない龍も居るのでかなりの貴重品。シルクの様な布の代わりに。

内臓：基本的に洗浄が地獄なのと塩漬けでの保存がダメなので保存加工が地獄。その分どの部位も良い値で売れる。完全な状態の心臓や脳など超高級品の部位も一部存在する。

排泄物：汚い。取り出しが色んな意味でキツい、値段はまあまあ。糞尿は薬剤や肥料の原料に、ガスはそのまま燃料などに。

魔臓：大きさ次第だが大型の物や特殊な能力の物は凄まじい値段が付く。逆に小型龍の浮遊石などありふれた魔臓は大した値段が付かない。

その他部位：殆どが希少部位なので高値で売れる。その分保管や加工が大変な物も多い