結成!シスター5!
モテパニ作者ダークドリーム「さあ!私の妹集めの時間よ!」
みなみ「本当にやるのね…」
ホワイトデーから数日経ったある日、ホワイトデーのお返し作りの際言っていた妹集めを実行しようとしていた。
ダークドリーム「私たち5人はそれぞれ『希望』『情熱』『はじける』『やすらぎ』『知性』を掲げていた子達の真似していたわ。私が『希望』みなみには『知性』を担当してほしいの」
みなみ「真似…?それはいいけど、『情熱』と『やすらぎ』はなんとなくわかるけど『はじける』ってなにがはじけているの?」
ダークドリーム「………レモンの香り?」
みなみ「(レモンの匂いがする子でも誘うの?)」
レモンの香水などをしている子もいなくはないだろうが、なんともおかしな条件だった。
ダークドリーム「まあすでに当たりは付けてるから、今から交渉に向かうわ。というか一人はすでにスカウト済みよ」
みなみ「すごい行動力ね…」
〜〜〜
のどか「おーい、ダークドリームちゃーん」
ダークドリーム「来てくれたのねのどか」
ダークドリームが最初に呼び出したのはのどかだった。
みなみ「確か花寺さん、でよかったかしら?」
のどか「のどかでいいよ。わたしもみなみちゃんって呼んでいいかな?」
みなみ「ええ、構わないわ」
お互い顔と名前は知っていたものの、特に交流は無かった二人。
このとんちきな機会に仲良くなるのもいいかもしれない。
ダークドリーム「のどかには最近ある事を手伝ってもらうために一緒に行動してたの。その時この話に誘ってみたのよ」
のどか「あはは…やろうとしてた事は上手くいかなったけどね…」
ダークドリーム「というわけで!のどかには『やすらぎ』の担当を任せるわ!」
のどか「うん!がんばるね。えっと、お姉ちゃん」
ダークドリーム「くぅっ!これはいいわ」
みなみに続きのどかが妹に加わった。
みなみ「ちなみにのどかはどうしてこの件引き受けたの?」
のどか「わたし一人っ子だし、こういうのもいいかなって。ダークドリームちゃんも楽しそうだし。みなみちゃんは?」
みなみ「私は同居人みたいなものだし、今更こういった事を気にする関係でも無かったからね」
お互いの事情を話し合いまずまず二人は打ち解ける。
ダークドリーム「さー次行ってみましょー!」
〜〜〜
まなつ「おーい!ダークドリームー!」
ダークドリーム「よく来たわねまなつ」
しばらくするとまなつが訪れた。
みなみ「まなつが三人目なのね」
ダークドリーム「あれ?みなみってまなつと交流あったの?」
みなみ「以前縁があってからローラと少し交友があってね。まなつが一緒の事が多かったからそれで」
まなつ「みなみさん海の事たくさん知ってて話面白いんだー」
思わぬところで繋がりがあったようだが、ダークドリームとしてはちょうどいい。
ダークドリーム「単刀直入に言うわ。私の妹になってまなつ」
まなつ「単刀直入ってなに?」
みなみ「前置きや遠回りをしないって意味よ。でもダークドリーム、さすがにこの件は前置きが必要だと思うわ」
ダークドリーム「そう?じゃあ前置きを言うと私昔妹っぽい子が四人いたからそれっぽい子を妹にしたいの」
のどか「かい摘み過ぎじゃないかなぁ…?」
会話の流れでの話題として話すのはともかく、わざわざ説明として話すのはダークドリームは面倒なようだ。
まなつ「よくわかんないけどわかったー!」
みなみ「いいのね…」
まなつ「うん!なんか楽しそうだし!」
あっさりと了承するまなつ。
のどか「それでまなつちゃんには『情熱』と『はじける』どっちを任せるの?」
ダークドリーム「まなつはどっちでも似合いそうだけど、『情熱』を任せようかしら」
まなつ「わたしって情熱的?」
ダークドリーム「ええ、今やりたい事にかける情熱は本物よ。それにトロピカ"ルージュ"という名前も気に入ったわ」
みなみ「(トロピカルージュ?)」
ダークドリーム「実を言うと最初『情熱』はましろを誘おうと思ってたんだけど、ましろって特定の分野以外情熱的ってわけじゃないし、後ましろとまなつ比べたらまなつの方が妹っぽいからまなつを誘う事にしたの。"妹っぽくて""情熱"な子なんてそうそういないものね」
〜〜〜
らん「はにゃ!?なんか忘れられてる気がする!?」
〜〜〜
ダークドリーム「さて、残るは後一人」
みなみ「確かすでに心当たりはあるのよね?」
ダークドリーム「ええ、すでに呼んであるわ」
のどか「『はじける』か〜どんな人なんだろ」
まなつ「すっごくトロピカってそ〜!」
それからしばらく待つと目的の人物が現れる。
亜久里「まったく、なんの用ですの?」
現れたのは円亜久里。
なんとも意外な人物だった。
みなみ「えっと、この子が『はじける』なの?」
ダークドリーム「正直私もこの子がはじけてるようには思わないわ。けどこの子しかいない。私の勘がそういってるの」
それはおそらく中の人…
亜久里「それでいったいわたくしに何を求めていますの?」
ダークドリーム「亜久里!私の妹になって!」
みなみ「だから前置き!」
最後になって気を大きくしたのか、ダークドリームは今まで以上にストレートに亜久里をスカウトする。
亜久里「何を言うかと思えば、お断りです」
ダークドリーム「そんな!?」
亜久里「ろくな交流の無い相手と姉妹になどなるはずがないでしょう」
みなみ「まあ…そうよね…」
正直亜久里の言う事の方が道理だ。
むしろここまでトントン拍子で話が進んだのがおかしいくらいだ。
亜久里「それに姉ぶってくる相手はもう間に合っておりますわ」
みなみ「…他にもいるの?」
亜久里「…ええ」
〜〜〜
レジーナ『あたしたちはどっちも王女から生まれた存在。それであんたが小学生であたしが中学生だから当然あたしがお姉ちゃんよね!妹ならお姉ちゃんに絶対服従よ!』
亜久里『わたくしはあなたの妹ではありません!仮に妹だったとしてもそのような姉妹関係は間違っています!』
マナ『ちょっと待って、わたしっていつの間にかアイちゃんのお姉ちゃんになってたよね?レジーナの理屈が正しいならわたしレジーナと亜久里ちゃんのお姉ちゃんでもあるってことだよね?それってキュンキュンしちゃう!』
レジあぐ『『え!?』』
マナ『ほら二人ともお姉ちゃんだぞ♪はっ!それならアン王女のお婿さんになる予定だったジョーさんは弟!?』
岡田『落ち着くんだ、マイスイートシスター』
レジーナ『止める振りして乗っかってんじゃないわよ!』
亜久里『ジョナサン…』
〜〜〜
亜久里「おのれレジーナ!」
みなみ「途中から相田さんが暴走してるようにしか感じなかったけれど…」
なにやら亜久里には姉妹云々にいい感情がない様子。
そんな亜久里に対してダークドリームは…
ダークドリーム「わかった。つまり上下関係を強要する姉妹が嫌ってことね」
亜久里「別にそれが理由というわけでは…」
ダークドリーム「大丈夫!私は亜久里になにか強要したりしないから!できればお姉ちゃん呼びしてほしいけど」
亜久里「いやですから…」
ダークドリーム「もし亜久里がこの話を受けてくれるなら…くぅっ!週一で亜久里の好きなおやつを作ってもらうから!」
亜久里「!?」
暖簾に腕押しだった亜久里の態度に変化が現れる。
のどか「ダークドリームちゃんが言ってるおやつ作ってくれる人って…」
みなみ「ええ拓海さんよ。ダークドリームは週一で好きなおやつをリクエストしていい事になってるから(おやつ自体は週二、三回くらい作ってもらってるけど)」
品田家のルールとしてダークドリームは買い出しに行くとお小遣いとは別におやつ代200円貰いそこから市販のお菓子等を買っている。
さらにそれと別に、拓海から頻度はまちまちだがおやつを作ってもらうこともある。
最低でも週一回以上作る際、ダークドリームは週一回リクエストを出せるのだ。
ただしダークドリームが拓海が周りに明かしてほしくない情報を握った際にはリクエスト権一つ追加で黙っているというルールもあるが。
ダークドリームはそのリクエスト権とその日のおやつを亜久里に譲ろうとしているのだ。
決して軽い覚悟でないのが窺い知れる。
まなつ「あー!ずるーい!わたしもおやつ食べたーい!」
そして特例を認めれば他もそれを求めるのは世の常、まなつも交換条件を求め始める。
ダークドリーム「え…そんな…私にはリクエスト権は週一でしか…」
亜久里「しかたありませんわね。三週間に一回に譲歩してさしあげます」
ダークドリーム「それって!」
亜久里「ま、レジーナのように勝手な姉像ではなさそうですし、付き合って差し上げますわ(おやつは魅力的ですが、さすがに週一で他所様から貰ってたらお祖母様に怒られてしまいます。三週に一回ならなんとか…)」
まなつ「やったー!わたしもおやつゲットー!」
ダークドリーム「三分の一になったけど私にも残ったわ!」
のどか「ああやっておやつの分け合いしてるとほんとに姉妹みたいだね」
みなみ「ふふっ、そうね」
〜〜〜
ダークドリーム「さあ!ついに結成よ!ダークプリキュア5改めシスター5!」
まなつ「パチパチパチパチー!」
ダークドリームの目的が達成される。
しかしそれゆえに見落としている事に気づかなかった。
みなみ「………プリキュア?」
のどか「…ああっ!」
みなみにプリキュア関係の事情を話すのが初めてだと。
のどか「ダークドリームちゃん!みなみちゃんいるのにプリキュアの事言っちゃダメだよ!」
ダークドリーム「え?プリキュアって秘密なの?そんなの習ってないけど?」
まなつ「まーダークドリームはきっかけがきっかけだしねー」
加えて正式な形でプリキュアになったわけではないダークドリームはその手の意識が欠けているのもあった。
亜久里「何を焦っていますの?この方もプリキュアでしょう?」
『え!?』
亜久里「その繋がりで一緒だったのでは無いのですか…?」
ダークドリーム「みなみは門平が連れて来たうちのお客様だったんだけど…」
のどか「亜久里ちゃんはなんで知ってるの?」
亜久里「以前プリキュアとしてハルモニアという国のカーニバルに一緒に招待された事があったので」
ダークドリーム「知ってる?」
のどまな「「知らない…」」
みなみ「まさか、みんながプリキュアだったなんて…不思議な発明品でポケモンになったあたりでなにかおかしい気はしてたけど…」
亜久里「なぜそこで疑問を放置したのですか」
ダークドリーム「みなみは箱入り娘だから…」
良家に産まれて大切に育てられ、中学校は全寮制の名門校に通っていたみなみは若干世間知らずなところがあった。
それに加えてプリキュアという超常を経験してしまったがゆえに判断基準がさらに鈍くなってしまったというのもあるだろう。
まなつ「どんなプリキュアになるの!?変身してみて!」
みなみ「えっと、ごめんなさい。変身アイテムは保管していた国に返してるから今は変身できないの」
まなつ「そっかー、ざんねーん」
のどか「そういえばラビリン達も前に帰ってたっけ(あれ?なんでこっち戻ってきたんだっけ?)」
みなみ「こうして話していると異世界に帰った友達を思い出すわ。異世界だから簡単には会えないけれど…」
ダークドリーム「私異世界移動できるけど」
『えっ!?』
のどか「あの鏡って異世界にも行けるんだ」
ダークドリーム「ええ、でもみなみが行きたい世界を知らないからそこに繋ぐのは難しそうだけど」
亜久里「ならわたくしにお任せなさい。てれれってれ〜♪エターナルゴールデンクラウン〜」
ダークドリーム「グリえもん!」
亜久里「誰が序盤で離脱するライトですか」
まなつ「なんのこと?」
のどか「さあ…?」
ドラベース…
亜久里「これを使えば知りたい事なんでも知れます」
ダークドリーム「私のことどれくらい好きかとか?」
亜久里「それはわたくしのお父様に聞いてください」
のどか「なんで…?」
もしくはアフロディテ様か…
亜久里「ではダークドリーム、わたくしが促す通りに鏡を出しなさい。みなみの行きたい世界に行けます」
ダークドリーム「オッケー」
みなみ「え?本当に行くの?」
行く機会が無いと思っていた場所にいきなり行けることになり、戸惑いを隠せないみなみだった…
〜〜〜
ダークドリーム「おじゃましまーす」
トワ「な、なんですのあなた達!?ってみなみ!?」
みなみ「久しぶりねトワ…」
亜久里に促されダークドリームが鏡を出すと本当に友達であるトワの住むホープキングダムへと繋がり目の前にトワがいた。
トワ「みなみ、これはいったい…?」
みなみ「話すと少し長くなるのだけど…」
みなみは事の経緯を話した。
トワ「なるほど…?なんともおかしな環境に身を置いていますわね」
みなみ「おかげさまで楽しい日々を過ごせているわ」
経緯とともに自分の環境のことも話す。
やはり周りから見るとなかなかユニークな環境のようだ。
そして話を続けていると…
カナタ「話の途中失礼するよ」
トワ「お兄様!」
みなみ「カナタさん」
カナタ「みなみ、よく来てくれた…とは少し言いづらいかな。国を救ってくれたプリキュアであるきみを歓迎する心持ちはあるが、こうも容易く侵入されては警戒しなければならない。ここへ移動して来る手段を用意したのは誰だい?」
ダークドリーム「私」
カナタ「きみは、名を聞いても?」
ダークドリーム「私はダークドリーム。プリキュア5キュアドリームである夢原のぞみのコピーよ」
みなみ「ええっ!?」
トワ「その反応、みなみも今知りましたの?」
みなみ「プリキュア関係者ってこと自体ついさっき知ったから…」
カナタ「そちらの出自も気にはなるが、ひとまずは必要な事だけ確認しよう。きみはなぜこの城に入り込んだんだ?」
ダークドリーム「みなみが友達と会いたそうにしてたから」
カナタ「…では、この国を害す気は無いんだね?」
ダークドリーム「もちろん」
カナタは問いを突きつけダークドリームの反応を見る。
そして…
カナタ「そうか、ならいい」
あっさりとダークドリームを認めた。
みなみ「そんなに簡単に認めてくれるのですか?」
カナタ「ああ、みなみはこの国を救ってくれたプリキュアだ。そんなきみが信用している者なら信ずるに値する。とはいえ僕も立場がある以上確認だけは取らなければいけないからね」
亜久里「寛大な処置に感謝いたしますプリンス・カナタ」
カナタの沙汰に丁寧に対応する亜久里。
亜久里はこの結果もエターナルゴールデンクラウンで知っていたのかもしれない。
まなつ「ねーカナタさーん、ここにみなみさんの変身アイテムあるんでしょ?わたしみなみさんのプリキュア姿見たーい!」
のどか「まなつちゃん、そんな簡単に…」
カナタ「いいよ」
のどか「いいの!?」
カナタ「ただこっちからも飲んでほしい提案があるんだ」
〜〜〜
数十分後。
国民「いったいカナタ様からの話ってなんだろうな?」
国民「来れる者だけでいいって言ってたから緊急じゃ無いんでしょうけど…」
カナタから突然の呼び出しを受けて国民が城の前に集まっていた。
そして人がそれなりに集まってしばらくするとカナタが出て来る。
国民「おお!カナタ様だ!」
国民「ん?トワ様と別にもう一人プリキュアの子がいるぞ」
国民「それに知らない子達も。なにをしようとしてるの?」
カナタ「みんな、頼んだよ」
そして国民達の注目が集まったところでみんなが動く!
ダークドリーム「プリキュア!メタモルフォーゼ!」
みなみ「プリキュア!プリンセスエンゲージ!」
のどか「プリキュアオペレーション!」
まなつ「プリキュア!トロピカルチェンジ!」
亜久里「プリキュア!ドレスアップ!」
ダークドリーム「希望を映す闇色の鏡、ダークドリーム!」
マーメイド「澄み渡る海のプリンセス!キュアマーメイド!」
グレース「重なる二つの花、キュアグレース!」
ラビリン「ラビ!」
サマー「ときめく常夏!キュアサマー!」
エース「愛の切り札!キュアエース!」
ダークドリーム「結成!」
『シスター5!』
突然現れたプリキュア達に国民も呆気を取られるも、その静寂はすぐさま歓声に変わる。
国民「すげー!プリキュアがあんなたくさん!」
国民「けどなんでここにいるんだ?」
プリキュアはホープキングダムの国民にとって救ってくれた相手。
それが現れればテンションも上がるというもの。
しかし同時になぜ現れたのかも気になるところ。
カナタ「彼女達は今日偶々来たんだ」
国民「た、偶々?」
カナタ「そう。何もない日に、偶々ね。わかるかな?その頼もしさが」
国民は考える。そしてすぐ理解する。
予定するまでもなくプリキュア達はすぐここに駆けつけられる。
それは再びこの国に危機が訪れたとしても…
国民達は盛り上がりに盛り上がった。
エース「やり手ですわね、プリンス・カナタ」
カナタ「気に障ったかな?」
エース「いいえ、王族はこれくらい頼もしい方が好みですわ」
グレース「ふわ〜!こんなに人がいる前で変身しちゃうなんて」
サマー「すっごくトロピカってるよねー!」
ダークドリーム「どう?私の考えたオリジナル口上。かっこよかった?」
マーメイド「ええ、決まってたわ」
こうしてダークドリームが集めたシスター5は大勢の目の前で大々的にお披露目となった。
〜〜〜
そこからさらにしばらくしてダークドリームたちは帰る事となった。
ダークドリーム「じゃあね、ここへ繋がる鏡の出し方は亜久里に習ったからまた来ると思うわ」
トワ「皆様、ご機嫌よう。また近いうちに会えたらいいですわね」
みなみ「待ってダークドリーム。カナタさん」
カナタ「なんだい?」
みなみ「相談したい事があるのですが…」
みなみからカナタへの相談。
それははたして…?