人外パロ R(下ネタ)2

人外パロ R(下ネタ)2


ゆるふわ会話劇。カップリング雑多。

本当になんでも何でも許せる方だけどうぞ。

楠木殿はアウトローで師直殿はテクニシャンかもしれない。



※キャラ設定



高師直:足利家に仕える蛇の妖怪。見回りや人里での売買など雑務をこなす。

御所巻ポイントがMAXになると家出する。


新田義貞:新田山の主。元はただの狼で長く生きて妖怪化した。人化は出来るが不完全。

毒無効。発情期がある。


楠木正成:楠木山の猫又。元はただの猫。山に入った人間相手に散々悪さをして名が

広まっている。美女に化けるのが得意。発情期がある。


足利尊氏:足利山の妖狐。名家の当主の集まりで楠木の噂を聞いて憧れを持っている。

なおその噂はかなり盛られている。弟の直義を大事にしている。


足利直義:尊氏の弟。生来病弱であまり外出はしない。人間の書いた書物を読むのが好き。


高師泰:師直の弟。兄とともに足利家に仕える。力仕事が得意。兄に依存気味。





※秋の新田山。足利家の執事、高師直が訪ねて来ている。



楠木「いや拙者は大妖怪でもなんでもないと散々…」

師直「真偽はどうでもいい。尊氏様が約束を取り付けたいと仰っている」

楠木「それでわざわざ…そなたも大変でござるな」

師直「…いつなら都合が良いか教えろ」

楠木「別に都合はいつでも良いが…うーん」

新田「? 何か困っているのか?楠木殿」

楠木「人の屋敷を訪ねるときは手土産がいるでござる。今は何も持っていないので」

師直「(急に常識的なことを言い出した)そんなものは要らん。西の話で十分土産になるだろう」

楠木「しかしだなあ…」

師直「(こいつ断る言い訳を作ろうとしているな?)」

楠木「参考までに、どのようなものを持っていったら喜ばれるだろうか」

師直「確実に喜ばれるのは書物だ。直義様がお好きだからな」

楠木「書物か。人里で買わねばならんし、高価だ。狐は金持ちなのだな」

師直「…湯水のように湧いて出るものではないが」

楠木「(察し)そなたも大変でござるな」

新田「?」

楠木「一体どうやって工面しているのだ?」

師直「…山の鉱石や薬草を道具屋に売っている」

楠木「道具屋…確か人里のは夜までやっていたな。なるほど、そなたの風貌では昼間は

出歩けぬか」

師直「…察しがいいな」

楠木「鉱石や薬草といっても、高値がつくものは限られている。中々難しかろう」

師直「加工すれば多少値は上がる。…まあ今までで一番高く売れたのは、俺が脱皮した時の

抜け殻だったが」

楠木「ああ、それは高いだろうな、綺麗に形が残っていれば特に。人間が好きな縁起物で

ござる」

師直「とは言っても一年に一回のことだからな。他のものも売らねば賄えない」

楠木「ふーん、拙者は昼間も出歩けるから、多少売るものの幅は広がるが…」

新田「楠木殿、この山のもので売れるものがあったら、売ってきていいぞ」

楠木「ん?いや、別に売りに行きたいわけでは…」

新田「? お金が必要なんじゃないのか?」

楠木「…必要というか、必要ではないというか…(招待を断る口実…)」

新田「?」

師直「おい…」

楠木「拙者はただの猫でござるよ?名家から招待を受けても困るだけで…」

師直「(俺とて尊氏様の命が無ければ、関わり合いになりたくないのだが)」

楠木「…とはいえ訪ねて来てくれたそなたを、手ぶらで帰すのは不作法でござるか。

そうだな、今の時期だと…新田殿」

新田「? なんだ?」

楠木「この山に松茸は生えていないか?傘の部分が黒くて独特の香りがして、人のちんちんに

似た茸でござる」

師直「下ネタを言わんと気がすまないのか…」

新田「ああ、変な匂いのやつか。これかな(地面からにょきっと茸が生えてくる)」

楠木「そうそう、これでござるよ。立派でござるなあ、ふへへ」

師直「(品のないニヤケ面…)」

新田「じゃあもう少し…(にょにょっと沢山茸が生えてくる)」

楠木「うわっ、大量でござるな。これを籠に全部集めて、と…」

師直「…その姿で売りに行くのか?」

楠木「いやいや、売るときはこっちでござる(女に化ける)」

新田「おお、凄いな」

師直「(美人なのが微妙に腹立たしい)」

楠木「ではちょっと行ってくるので、昼寝でもして待っていてね(女声)」

新田「わかった、寝てる(犬化して欠伸をする)」

師直「俺は一度戻るか…ん?」


新田『…(すやすや寝ている)』

師直「もう寝ている…無防備な」

師直「(あ、もしかしてさっき力を使ったから、消耗したのか?)」

師直「…お前はバカ犬だし、チョロ犬だな(頭を軽く撫でる)」



※結局師直は屋敷に戻らず、蛇化して新田の傍らで見張りをしつつ、うとうとした。



新田『ん、楠木殿が戻ってきたか(起き上がって人化する)』

師直『(はっ、結構しっかり寝てしまった…)(人化する)』

新田「師直は屋敷に戻らなかったのか?」

師直「まあな…」


楠木「いやあ想像以上に高く売れたでござる。拙者の話術も捨てたものではないな」

師直「話術?」

楠木「女の姿で『うちの人のより大きいのよ』と言えば、それはもう大ウケで…」

師直「…」

楠木「で、これが売上で…半分は新田殿の取り分でござる」

新田「? 俺はお金はいらないぞ、使えないし。師直にやる」

師直「あ?施しは受けん」

新田「え、でも…」

楠木「まあまあ、金は物以外も買えるでござるから…」

師直「…貴様、ろくでもないことを考えていないか」

楠木「身一つで稼ぐ方法はあるだろう?」

師直「おい」

楠木「新田殿、そのお金で師直殿を買えばいいでござるよ」

師直「クソ猫!」

新田「? 師直を買う?」

楠木「師直殿にして欲しいことを、そのお金でやってもらうでござる。ちんちん触ったり

触られたり、挿れたり挿れられたり」

師直「バカに変なことを吹き込むな!!」

楠木「ははは、その程度で金がもらえるなら、楽なものであろう」

新田「? して欲しいこと…?」

師直「おい、俺はやらんぞ」

新田「そうだな、いっぱい撫でて欲しいな」

師直「は?」

楠木「は?」

新田「俺撫でられるのが好きだから。頭とか首の辺りとか…」


師直「(チョロ犬ー!!)(頭を抱えている)」

楠木「はっ、はひっ(腹を抱えて呼吸困難になっている)」

新田「? どうしたんだ?」

師直「…一体俺は何日撫で続ければいいんだ、金額的に」

新田「そんなに撫でられたらハゲるから、少しでいいんだが」

楠木「は、ははは、じゃあ分割でしてもらえばいい。ここに来るたびに撫でてもらうでござる」

師直「そこまで頻繁には来ない…(と思ったが、クソ猫絡みでまた何かあるか…?)」

新田「用があって来たときでいいぞ。じゃあこれ(お金を師直に渡す)」

師直「む…では撫でるが…どうやれば?」

新田『(犬化する)首の両脇の辺りをわしゃわしゃしてくれれば』

師直「こうか?」

新田『そうそう、師直上手だな』

師直「(なんとなく凝っているような。ほぐせば…てこれ按摩ではないか。撫でるのに金、は

何だと思ったが、按摩に金ならそうおかしくはないな)」


楠木「(真面目な顔をして犬を撫でている絵面が面白すぎるのだが…)」



※師直はしばらく新田を撫でた(マッサージした)



新田「あー気持ちよかった」

師直「…そうか」

楠木「良かったでござるなあ。ははは」

師直「それで約束のことだが」

楠木「あ、すっかり忘れていた」

師直「おい」

楠木「先立つものもできたでござるし…そうだな、訪ねてみても良いか」

師直「なんだ、心変わりしたのか」

楠木「人間相手であれだけウケたのなら、狐相手でもいけるかもしれない」

師直「何の話だ…」

楠木「拙者の話術でどっかんどっかんと…」

師直「…品のない話はするなよ」

楠木「話すことが九割無くなるのだが?」

師直「では残り一割で場を繋げ」

楠木「そんな殺生な…そうだ、手土産にして良い本を教えて欲しい。人里で買い揃えてくるで

ござる」


※楠木は師直から欲しい本を教えてもらった。全三巻の幻想小説らしい。


楠木「幻想小説とな。そういう系統が好みなのか?」

師直「特にこだわりはない。学術書でも何でも読まれる。その小説は全三巻だったので金を

貯めて買おうと思っていた」

楠木「ほう。お眼鏡に適った理由は?」

師直「道具屋で評判が良いと聞いたのと、兄弟が主人公というところだな。兄弟ものは尊氏様が

好まれる」

楠木「(感情移入できるからかな)ではその本を手土産に…三日後に訪ねる、で良いで

ござるか」

師直「それで問題ない。尊氏様にお伝えしよう。」



※師直は屋敷に戻っていった。手ぶらじゃなくてよかった。



新田「遊びに行くことにしたんだな、楠木殿」

楠木「まあ…こちらが招待を受けるまでずっと来そうだからな。誤解されたままも良くないで

ござるし」

新田「? 誤解?」

楠木「拙者のことを、大妖怪だと思い込んでいるようなので…」

新田「? 楠木殿は色々なことを知っていて、器用で変化も上手い。凄い妖怪なのでは

ないのか?」

楠木「ははは、ちょっと長く生きているだけで、凄い妖怪ではないでござるよ。」

新田「? そうなのか」

楠木「新田殿は狐の屋敷に行ったことがあるのか?」

新田「ないぞ。俺は足利山の奥には行けないんだ。行けるのは谷を越えたところまでで、

それ以上は戻されてしまう」

楠木「(山と繋がっているから…そうか、ここから離れることはできないのか)」

新田「昔は人里にも行けたんだが、今は無理だ」

楠木「(それで橋のことを知っていたのか)では屋敷の見た目も知らないのだな」

新田「大きくて立派だとは聞いているぞ」

楠木「まあ、そうだろうなあ…」



※三日後、楠木は橋を渡って足利山に足を踏み入れていた。獣道を進んでいると、師直が

迎えに来て屋敷まで案内してくれた。


楠木「わあ、本当に立派でござるな」

師直「当然だ」

楠木「(これは維持が大変だろう…まさか師直殿が全て手入れをしているのか…)」


尊氏「楠木殿、我が屋敷にお越しいただきありがとうございます。さ、お上がりください」

楠木「おじゃまさせていただきます…(あー、圧が凄い…いかん、もう帰りたくなってきた)」


※尊氏は高級なお茶とお酒でもてなしてくれた。直義は狐の姿のままで綿入れを着ている。

最初は緊張していた楠木だが、話していくうちに調子が出てきた。西の妖怪勢力図、人の

文化・風習、自身の半生を少し語った。ちらちらと下ネタが混じるたびに、耐性のない直義は

腹筋が攣り、師直は苦々しく思った(顔には出さなかった)なお、楠木が帰ろうとすると尊氏が

強く引き留めてきたが、直義と師直がとりなしてくれて屋敷を後にすることができた。

師直が帰路の途中まで送ってくれている。


楠木「あんなに引き留めてくるとは…(くだらない話ばかりすれば興味をなくすと思ったのだが)」

師直「(本当に尊氏様は一体何故…)」◇師直の御所巻ポイントが増えた!

楠木「あ、お土産はとても嬉しいし、有り難く頂くでござる。そなたが買ってきたのだろう?」

師直「道具屋に売っていたのは幸いだった」

楠木「マタタビは生薬でござるからなあ。粉状のものは酔いやすくて好きだ」



楠木「ここまででいいでござるよ、師直殿。まだ仕事が残っているのだろう」

師直「…まあ、そうだな」

楠木「本当に大変でござるなあ…たまに新田山に遊びに来たらどうだろう、気分転換になるし」

師直「そんな暇はない」

楠木「…新田殿が『師直は次いつ来るかな』と…新田殿からは逢いに行けないようなのでな」

師直「……」


楠木「それと、ひとつ気になったのだが」

師直「ん?」

楠木「直義殿は本当に尊氏殿の弟でござるか?」

師直「…どういう意味だ」

楠木「…いや、深い意味はないのだ、ただちょっと気になっただけで」

師直「直義様は尊氏様の双子の弟だ」

楠木「双子…そうか、それなら…すまんな、妙なことを言って。忘れてほしいでござる」

師直「ふん、変なやつだな」


※楠木は新田山に向かい、師直は屋敷に戻っていった。


師直「(尊氏様が産まれる際、予言があった。九の尾を持った王であると。しかし尊氏様は

尾が八本だった)」

師直「(そして、双子ではなかったはずなのに直義様が産まれてきた。尾は一本)」

師直「(…誰もが思っていることがあるが、誰も口にはしない)」

師直「(言ったところで良いことは何もないのだから)」



※二日後、新田山に師直がやって来た。犬化した新田と猫化した楠木が駆け寄る。



楠木『思ったより早い再訪でござるな。気が変わったのか?(にやにや)』

師直「尊氏様がどうしてもお前に伝えたいと仰ってな…」

楠木『ん?』

師直「あの土産の本がとても素晴らしかった、後日詳しい感想文を送るが、まず素晴らしかった

ことを伝えたいと…」

楠木『え、でもあれは師直殿が選定したもので。それに拙者はあの本を読んでいないから、

感想をもらっても…』

師直「尊氏様からの用件はそれだけだ。それとこれは俺からの礼だ(懐から薬包紙を

取り出し、中身を楠木にぶちまける)」


楠木『!? うにゃあ…ゴロゴロ…(酔っ払ったように地面を転がる)』

新田『? 楠木殿?どうしたんだ?』

師直「巡回がてらマタタビを集めて、乾燥させて粉にしてみた。覿面のようだな」

新田『そういえば前(橋を造った後)も、こんな感じになっていた気がする』

師直「効果は一時的なものだ。放っておけば直る」

新田『ふーん、まあ楽しそうだからいいか』

師直「約束だから撫でてやる、こっちに来い」

新田『やったー(尻尾ブンブン)』


※新田はいっぱい撫でてもらってとても満足した。楠木は我に返った後『もうお嫁に

いけない…』と嘆いたそうな。


新田『? 楠木殿はメスだったのか?』

楠木『お嫁に行くのはメスだけの特権ではないでござるよ』

師直「お前は何を言っているんだ」


尊氏「あっ、今物凄い好機を逃した気がする!(手紙を書き散らしながら)」


直義『兄上は相変わらずですね…(師泰の膝の上でのんびりしている)』

師泰「随分熱心に感想を書かれていますが、そんなに面白い本だったんですかい?」

直義『面白かったが、人を選ぶ内容だった。がちがちの兄弟愛ものだった』

師泰「道理で兄者が微妙な顔をしていたわけだ…」



おしまい



※師泰殿は脱皮が下手なので抜け殻が綺麗に残らない。なので売れない。

※松茸は昔は安かったらしいが、この世界では高価ということにしてね(パラレルなので)

※大きい松茸を手に笑う楠木殿はセンシティブ(かもしれない)

※妖怪はあまり性欲がない。(強い存在なので生命の危機がない=子孫を残す必要が無い)

ただの狼と猫だった期間が長い新田殿と楠木殿はまだ元の動物要素が残っていて、春になる

と発情する。九割妖怪の師直殿と師泰殿はちょっとだけふわっとするかも、くらい。純妖怪の

尊氏殿と直義殿は発情期がない。ただし好きになった相手(子を産ませたい相手)には欲情

する。 という感じのことを楠木殿は知っているので、話中で師直殿に「新田殿に身体を売れ」

みたいなことを言っていたのは本当に冗談。今は秋だし。新田殿がそんなことを言わない

(そもそも発想がない)のはわかっていたので。でも撫でて欲しいは予想外だった。

※楠木殿が下ネタ推しなのは相手から侮られる策。実力を悟らせないようにしている(老獪)

実際好きなのも否定できないが。

※妖怪の強さランクは尊氏>>>楠木>師直>師泰>新田>>>直義 楠木殿は長く

生きているのでかなり強い。新田殿は妖怪としては若い方なのでまだ未熟。

但し戦うとなると新田殿の身体能力が火を吹くのでランクが変わる。

※新田殿が橋を作りたいなと思っていたのは、昔新田山にやってきた尊氏殿が言った『橋が

あれば直義も来られるかも』という言葉をうっすらぼんやり覚えていたから。以前、橋を見に

人里に下りたことがある。見ても作り方はさっぱりわからなかったが。そのうち山を離れられなく

なってしまった。

※まとまったお金が手に入ったので、師直殿の労働環境はちょっと改善した。たまに用もなく

新田山に来るようになったらしい。

※幻想小説は(女子に)とても評判がいいものだった。




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