ガザでの虐殺防ぐ措置命令 国際司法裁、イスラエルに

ガザへの大規模攻撃を巡る訴訟の審理が開かれた国際司法裁判所(ICJ)の法廷=26日、オランダ・ハーグ(ロイター=共同)

 【ブリュッセル共同】国際司法裁判所(ICJ、オランダ・ハーグ)は26日、パレスチナ自治区ガザでの戦闘を巡り、イスラエルに対してジェノサイド(民族大量虐殺)を防ぐ「あらゆる措置」を取るよう命じる仮処分を出した。ガザで医療へのアクセスを確保することも命じた。ジェノサイドかどうかの判断は示さず、ガザでの軍事作戦停止には踏み込まなかった。

 暫定措置には国際法上の拘束力がある。強制的に執行する手段はないものの、イスラエルに対する国際的な圧力が強まるのは必至だ。南アフリカがガザへの大規模攻撃はジェノサイド条約違反だとして提訴していた。

 ICJは「ガザで人命が失われ続けていることを深く憂慮する」とした上で、イスラエルに対して、仮処分を受けて取った措置を1カ月以内に報告するよう命じた。ICJは2022年3月、ロシアにウクライナ侵攻を停止するよう命じる仮処分を出している。

 イスラエルのネタニヤフ首相は「イスラエルは国際法を順守している。ユダヤ人国家から自衛権を剥奪しようとする試みは拒絶された」と声明で強調。一方、イスラム組織ハマス幹部はロイター通信に「イスラエルを孤立させ、犯罪を明らかにする重要な進展だ」と歓迎した。

オランダ・ハーグの国際司法裁判所近くに集まったパレスチナ支持のデモ隊=12日(ロイター=共同)

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