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46音で何ができる? (「いろはうた」ギミック紹介)

「いろはうた」という曲を作りました。ボカコレ2024冬参加楽曲です。歌唱は結月ゆかり。

▼こちらから聴けます

解説とまではいかないですが、楽曲で何をやっているのかだけ淡々と記載します。キャプションに歌詞を書いていますので、併せてどうぞ。

動画を見れば分かる内容になっているかと思うので、ご視聴が未だの方は是非ご覧いただけると嬉しいです。解説や制作までの経緯は後日記載できればと思います。

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■ルール

●「・」と「ー」は文字として使わない。
●「ー」や「゛」が歌詞に含まれる場合は、五十音表の表記上は省略。
(例:歌詞が「ハイグレード」の場合、五十音表の表記は「はいくれと」)
●「純」「凛」などの漢字は結月ゆかりの声のタイプ、「ex」は「結月ゆかり exVOICE」に収録されている音声を表す。
●五十音表の下の長方形には歌詞を記載
●一番下の長方形は基本的にはクレジットや参考資料やプラグイン等を記載


■オープニング(0:00~0:18)

独り声峰に差す 哀れな空を詠む
じき暈ける縁 のべつ夢でも止ませぬ音楽
いろはうた

曲の初っ端ですが、50音表のあ〜んまでの平仮名を1音ずつ使って歌詞を作っています。パングラムというらしいです。最後の「いろはうた」という歌詞で全ての平仮名を使い終わり、そのままイントロに入ります。

■1番Aメロ〜サビ(0:18~1:03)

Aメロは、9文字のみ使って歌詞をつくる、というのをやりました。
下記の画像では【あ・い・う・か・き・く・さ・し・す】の9文字。曲が少し進むと【い・う・え・き・く・け・し・す・せ】を使用、といった感じです。

浅き意識 被く薄い汽空域
再生、静止 築く芸劇
エゴ寓す声 功奏す?嘘こく?

Aメロ、続いては3マス使って、次に使う文字は隣接している文字しか使えないという感じの、やつ!!(表現が難しいので映像を見て欲しい!!)

ひた学ぶ 日夜リズムで理詰め
萌ゆる芽 欲し枯れるのさ
散りぬるとそこに肥ゆる健気な地
(制作はこんな感じでやってました)

Bメロは回文。

近くの音「ドレミ」を活かせる世界を見れど遠のく価値

サビは少しずつ使える文字が増えていくというもの。「あ」から始まり「を」で終わる歌詞です。

愛が咲く
絶えなくそこに
始めよう
戻れぬ繰り返しを


■2番Aメロ〜Bメロ(1:03~1:29)

2番Aメロ、最初は【ら行とお段】のみが使え、次は【や行とえ段】のみが使える、といった具合の縛りです。縛りがスピーディーに移動するので視覚的にも楽しいかと思います。

溺れる熱り 揺れて寄せて笑む
苦痛も鈍り詭弁の中
時に気づく錯覚 似非の癒えを

次は、母音が「あいうえお おえういあ」になるよう歌詞を制作しています(これ何か名称があった気がするのですが忘れました)。

続いて、あ行・か行・さ行・た行〜…を順番に1文字ずつ。その後、ん・わ行・や行・ま行〜…を順番に1文字ずつ使っています。

悪質に踏む夜を 我詠み放つ世界

最後はあ段とう段のみ使用、あ段とう段以外の文字も少し使うのですが、それはノイズ掛かった感じにしてます。

遭う 書く 挿す 断つ
鳴かぬが這ふ また紡ぐカスタム
揶揄食むかラリるか わんわん泣くか
救った 巣食った 音と詩の在り処は?

■Cメロ(1:29~1:54)

間奏は中央9マスを使った点字です。
exボイスの「ドッ」というゆかりさんのボイパもいいですね〜。

そして、ここからは少し複雑なのですが
①メインパートはパングラム(50音表の文字を被りなく全て1回ずつ使う)
②雫と凪は、な行とは行の間を中心として左右対称となる位置にある文字を使用
を同時進行で行なっています。

②についてですが、たとえば雫の言葉が「はかる(計る)」であれば、
「は」の対となる位置にある文字が「な」
「か」の対となる位置にある文字が「ら」
「る」の対となる位置にある文字が「く」
なので、凪の言葉は「ならく(奈落)」になります。

嘯吹く 見向きもされぬ言葉揺らす
非論に骨折り 刹那を殺めて陰る命 私よ前へ
雫 _ 定礎 甘味 ムラ気 計る 届く 揺らぎ 知恵 晴る 夢 幸
凪 _ 名誉 轍 疲れ 奈落 燃ゆる 縋り 見栄 泣く 捨て 闇

続いてシンプルに母音「あ」縛り → 母音「い」縛り → 母音「う」縛り → 母音「え」縛りでの歌詞になります。
母音が「あ」縛りの際、「きゃ」等は使えません(「き」が、い段であるため)。コレ以外と難しいです。

馬鹿な頭 さながら浅はかな仮名
だから彼方鮮やかな輝きに
日々じりじり魅入りいちびり
生き字引気味に知識に満ち満ちる
来る鬱屈苦痛 夢遊? 現?
ループするスヌーズ 狂う文机
ねえねえメーデーメーデー
得手で攻めれねえでへべれけ

■ポエトリー(1:54~2:15)

ここは50音ギミックなしです。

忙しなさの中には、確かに喜びがありました。
これは私の唄。私のためだけの唄。
いつしか、私は、喜びを忘れてしまいました。
これは誰の唄? 誰かのためだけの唄?

■落ちサビ〜ラストサビ(2:15~)

1番サビと同じく、使える文字が増えていきます。
画像では「め」や「を」にガウスが掛かっているのですが、このボケた文字も読むと、下(クレジット欄)に記載されている歌詞になります。

赤くて青い 混ぜて ゆかり 繋ぐ

ラストのサビは50音表無しです。

愛が咲く
絶えなくそこに
続けよう
初めてと、いつも通りを、君と
繰り返しじゃない今を

■エンディング(2:56~)

パングラム×2です。
前半では文字の出現、後半は文字の消失、という感じの演出です。

一人声峰に差す 哀れな空を詠む
じき暈ける縁 のべつ夢でも止ませぬ 音楽
いろはうた
抜かす下世話 不平や呆れ 理知は他所
緩む頬 ヒミツの声 モロに目を覚ました道楽
なんてね

歌詞はここで終わりです。

あとはモールス符号を使っています(「・」と「ー」は文字ではなく符号として使っています)。

それと、こっそり「ゐ」「ゑ」も一度ずつ使用しています。


まだ見ていない方がいらっしゃれば是非動画ご覧ください。
画像で見るより面白いと思いますよ!

▼こちらからみれます

YouTubeにも投稿しました(2024.02.27 追記)


終わり。

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