【閲覧注意】小悪魔Sタチカンネと、ふなたりMネコラヴィーネ ① ~言葉責め手コキ~
「な、なあ、カンネ……いいだろ? おい、頼むよ……お願いだ……!」
凛々しく整ったラヴィーネの顔が、今はひどく情けない表情になっていた。いつもの勝気さは跡形もなく、正反対のしおらしさで、いっそ卑屈なほどの態度である。不安そうでありながら、隠し切れない期待に上擦った声も、あからさまに媚びを含んで弱々しい。
「えー。またー? どうしよっかなー」
「そんなっ……い、いいじゃないか、なあ? カンネも、嫌いじゃないだろ? むしろ好きだって、この前……」
「うーん。そうなんだけどさあ。いくらなんでも多すぎない? 嫌いじゃないけど、疲れるんだよね~」
「うっ……し、仕方ないじゃないか、呪いなんだから。自分じゃどうにもならないんだよ……!」
「えー? ウッソだー。ある程度なんとか出来るでしょ?」
これは、カンネの方が正しかった。
先日、次の一級試験に向けて、オイサースト近郊の森で修行していた時。遭遇した魔族によって、ラヴィーネは呪いをかけられてしまった。現状、解呪方法は見当も付かなかったが、ラヴィーネ自身の気の持ちようによって、発現を大部分抑えられることは、二人で検討してわかっている。
「じ、実際に出来てねえんだから……しゃ、しゃあねえだろうが!?」
「ふーん? どうして? どうして出来ないのかなー?」
ニヤニヤと意地悪な笑みを浮かべて、ベッドに腰掛けたカンネは足をパタパタ、ラヴィーネを問い詰める。
以前であれば、激高したラヴィーネに腹パン→ヘッドロック→足払いから、バックマウントで取っ手ヘアを鷲掴みにされての逆エビ固めを決められるところだ。
しかし、呪いを受けて以来、より正確にはその呪いのためにラヴィーネがカンネに「やらかして」以来。二人の力関係は、すっかり逆転していた。
「そっ、それは……」
「ど・う・し・て? ねーねー、どうしてー? 優秀で品行方正なお嬢様のラヴィーネちゃんが、どうしてちょっとしたメンタルの調整も出来ないのかな~?」
煽る、煽る。本来であれば、先ほどのコンボに追加して、逆エビ固めからリフトアップしてのタワーブリッジまで行くところだ。しかし、それでもラヴィーネはひたすら下手に出るしかない。
「どうして、って……」
カンネが何を言わせたいのか。勝手知ったる幼馴染だ。わかっている。
呪いさえなければ、イライラのあまりにグーで手が出るところだが、呪いのために別の意味でイライラして堪らないラヴィーネには、無条件降伏より他に選択肢がない。
「あー、もう! そんなの、お前が……カンネが、か、可愛い、からだよっ……」
次第に小さくなっていき、消え入りそうな声で降参を告げる。
「え、なんて? 聞こえなーい。おっきな声で言って欲しいなー?」
投降した捕虜を虐待するかの如き要求であるが、そこには嗜虐欲以上に、少女らしい欲求があった。わかってはいても、何度も何度も聞いてはいても、何度だって、はっきり言葉にして言って欲しいのだ。
「だからっ……! お前が、可愛いからっ……! 可愛すぎるからだよっ……!」
「可愛いから? 私が可愛いと、ラヴィーネになんかあんの?」
「カンネが可愛くて、可愛すぎて、その……す、好きすぎて、好きすぎるからっ、だから……我慢なんて出来るわけねーだろ!?」
綺麗な顔を真っ赤にして叫ぶラヴィーネに、カンネも少し頬を染めつつ、素知らぬ様子で詰問を重ねていく。
「我慢? 何を? 私が可愛すぎて、好きすぎると、ラヴィーネは何を我慢出来ないっていうの?」
「……あー、もうっ……! そんなの……せっ、せっ……性欲に決まってんだろーがぁ!?」
いったいった、ラヴィーネがいったぁ!
でも、貴族の御令嬢が、いくら二人きりで辛抱堪らんかっても、大音声で絶叫することではないと思いまーす。
「ずっと、ずっと可愛いって、好きだって思ってて……不本意なアクシデントのせいではあったけど、でもやっとそれが叶ったんだ……じゃあヤリたくなっても仕方ねーだろーがぁ!?」
「お、おおぅ……! 情熱的ぃ……」
「悪いかよっ!? 好きなんだよっ、大好きなんだよっ……! ヤリたいに、ヤリたくなるに決まってんだろ!? ヤラせろよゴルァッ!?」
「む、むぅ……言ってることは最低なはずなんだけど……ドキッとしちゃう、嬉しいって思っちゃう自分がいるんだよねぇ……。は~。わかった。いじめてゴメン。いいよ、ラヴィーネ」
最後の「いいよ、ラヴィーネ」、その部分だけが。脳内で繰り返し反響し、その意味するところをたっぷり三秒はかけてようやく理解した瞬間。ラヴィーネは、獣のように飛び掛かっていた。
「カンネっ、カンネぇぇぇ――っ!? うぉぉ!?」
身体能力では敵わないはずのカンネだが、読み切っていたのだろう。達人のような流水の動きで、餓狼と化した幼馴染とすれ違う。目論見が外れたラヴィーネは、どこかの大泥棒の孫のようなダイブを、空のベッドに決めてしまう。
柔らかなベッドに、肩までめり込んだ頭を引き抜いて振り返るも、カンネの姿はそこになかった。首を振り立てて彼女を探すが、見つからない。百八十度反転しようとしたところで、正にその方向から、耳のすぐ傍で囁かれた。
「ヤルのはいいよ、ラヴィーネ。でも、ヤルのはラヴィーネじゃなくて、私の方ね?」
「っ……」
何もかも知っているはずの幼馴染の声なのに、まるで知らない女のように色っぽかった。その声で紡がれるあけすけで下品な言葉に、下腹部と脳髄が沸騰する。
するのではなく、される。望むところ――どころか、望外のことであった。
「お、おう……わ、わかった……」
「うふふ。なーにラヴィーネ? カチンコチンになって。緊張してるの? カワイイんだ~♪」
「う、うっせ……」
なんとかそれだけ絞り出すのがやっとだった。
飢えた獣から一転、お人形のようになって、ベッドサイドにちょこなんと腰掛けたラヴィーネ。その後ろから、カンネはシーツに膝立ちになってもたれかかり、そっと肩に手を掛けていた。
お互いの衣服越しではあるが、背中に押し当てられた胸の感触と温かさ。うなじにかかる吐息のこそばゆさと、鼻をくすぐるほのかな甘い匂い。ラヴィーネの心臓は全力稼働して、その高く大きな早鐘の音がうるさくて仕方ないほどだ。
「じゃあラヴィーネ。ちゃんとお願いして? どう言えばいいか、もうわかってるでしょ?」
幼馴染で、親友――から、そういう関係になった今。挑発されて込み上げるのは、マゾヒスティックな欲望だった。その内奥からの衝動に、ラヴィーネはもう身も心も任せてしまう。
前屈みになって腕を伸ばし、ロングスカートの裾を摘まんで、一息に腰の上まで捲り上げる。すでに羞恥さえ、堪えるものではなく、楽しむものになっていた。丸見えになった純白のショーツは、貴族令嬢らしい最高級品である。施された刺繍は、それだけで一個の芸術品であった。しかし、描かれたその花々は、奇妙に歪んでいた。
ラヴィーネの秘密の丘が、不自然に盛り上がっている。モッコリ、と。これこそ呪いの作用であった。
「はっ、はぁぁっ……カンネ、ああ、お願いだ、カンネぇ……! アタシの、呪いでおかしくなった醜い体を、どうかお前に直して欲しいっ……!」
「呪い? 呪いって、どんな呪いなの?」
ごくり、と喉を鳴らして唾を呑み込み、ラヴィーネはスカートに続いて、ショーツへと手をかける。捲り上げたスカートとは反対に、肉付きの良いお尻を少し浮かせて、熟れた果実の皮を剥くように摺り下ろす。シルク製の皮がぺろんとめくれれば、びよん、とありえざるものが飛び出してきた。
ペニスである。どう見ても、まだ未成熟な少年のもののような男性器であった。
精一杯まで立ち上がっているのに、十センチあるか、ないかの長さ。少女の小さな手でも、親指と人差し指で作った丸に一回りは余るぐらいの頼りない太さ。仮性包茎なのだろう、傘の途中までめくれた皮から覗く亀頭部は、幼気な桃色をしていた。
「うっ、うぅ……い、いやらしい、気持ちになると、こんな……こんな、男のものが、生えてきちまう、呪い、だ……一度生えちまったら、変な白い汁を出さねえと、引っ込まねえんだ……! しかも、自分じゃどうやっても無理なんだよっ……だから、だからぁ……! お願いだ、カンネっ……こいつをっ、気持ち良くして……汁を出させて、アタシを助けてくれっ……こんなこと、お前にしかない頼めねぇ……!」
「ふーん。大変だねえ。でも、いやらしい気持ちにならんきゃいいんだよね? どうして? ねえ、どうしていやらしい気持ちになっちゃったの? ていうか、なりすぎでしょ。昨日も、一昨日も、一昨昨日も。呪われたばっかりの頃なんて、一日に二回も三回も来たよね? 朝イチで来てまた昼前に来て、お茶の時間に来て夕方にも来て、おまけに夜中に忍び込んできた日まであったよね。ラヴィーネはさあ、どうしてそんなにすぐエッチな気分になっちゃうの~?」
「はぁっ、はぁっ、はぁぁ……! おまっ、お前ぇ……そんなの、わかってる、くせにぃ……! ああ、ちゃんと言葉にしろって言うんだろっ、わかってるよっ……! お前が、カンネのことが、好きだからだよっ……! 好きなんだから、そういうことしたい、って思っちまうの、しかたねぇだろうがっ!?」
「――ラヴィーネ」
成熟した大人の女のように、低く落ち着いた声で囁いて。
「うぁぁっ!?」
カンネはラヴィーネのペニスに、そっと手を触れた。
「好きだから? 本当に、好きだから、だけ? 私もラヴィーネのこと、ラヴィーネに負けないぐらい好きな自信あるけど、いやらしい気持ちにばっかりならないよ。そういう時ももちろんあるけど、ほとんどはあったかくって切なくて苦しくて、でも幸せな、そんな気持ちになるよ? 私のことを、好きなだけじゃないよね? ラヴィーネ。ちゃんと言ってよ」
言わないと、これ以上はしてあげないよ。言外にそう匂わせて、ラヴィーネの箍を壊しにかかる。
「あぁ、ああぁ……! うっ、うぅ……き、気持ち、良いから……だよぉ……! カンネが、カンネと、その、するの……気持ち、良いからっ……! 気持ち良すぎるから、だから、カンネのこと好きだなって思うと、カンネとすることも一緒に考えちまって、いやらしい気持ちになっちまうんだっ……!」
「ラヴィーネの――――ス・ケ・ベ♪」
「っ、ふわぁぁんっ!?」
カンネの右手が、ラヴィーネの呪肉棒の生え際を握っていた。
「うわ。すっごい可愛い声だすじゃん?」
「あっ、ああっ、カンネっ、カンネぇ……!」
「して欲しいんだ? 気持ち良くして欲しいんだ? この」
――ちんぽ。
「おっっっ!? おまっ、ち、ちん……って……」
いつまでも子供っぽいところも、本当は可愛くて仕方なかった幼馴染の、清新な口から吐かれた下品な呼称に、狼狽える。
「カンネ、お前っ!? せ、せめて、もうちょっと、こう……お、おちんちん、とか? い、言いようってもんがあるだろーが!?」
「ふふっ。そうだねー。ラヴィーネのこれ、ちんぽって呼ぶには、可愛すぎるもんね~。おちんちん、の方が確かにしっくりくるね。はい、じゃあこのおちんちん、気持ち良くして欲しいの? ラヴィーネ」
「んんっ……!」
ここに来て羞恥と見栄っ張りがぶり返し、口を噤むラヴィーネだったが、カンネが右手を動かせば、あっさりと割られてしまう。
「ほっ、欲しいぃ……! 欲しい、欲しいよ、カンネぇ……! 気持ち良くしてくれっ、お願いだっ、アタシの、アタシの、お……おちん、ちんっ……! アタシの、おちんちん……カンネのこと、考えるとっ……カンネの体っ、カンネと、したことっ、思い出すとぉ……すぐいやらしい気持ちになって、ああ、そうだよっ……! やりたくなって、お前と、カンネとやりたくてやりたくて堪らなくなって、こんな風にみっともなく生えてきちまうアタシの情けないおちんちんをっ、お願いだから気持ち良くしてくれぇぇ……!」
言葉にしてしまえば、箍は壊れて外れ、堰は切れて、ラヴィーネは次々と浅ましく、淫らがましい文句を撒き散らしてしまう。自分の言葉で昂りを増していくラヴィーネだったが、それはカンネも同様であった。
「っ……! ラヴィーネ……うん。よく言えましたっ……。素直じゃなくって可愛くないラヴィーネが、素直で可愛くなれたご褒美に、いっぱい気持ち良くしてあげるからねっ……!」
「あっ、あぁぁ!? あっ、あんっ、あぁぁぁっ……♪」
カンネの右手が、上下動を開始する。たわめるように曲げた掌で、ラヴィーネの可愛らしいふたなりペニスを包むようにして、触れるか触れないかのタッチであやすようになぞり上げ、擦り下ろす。
ずっと好きだった、大好きだった幼馴染の手が、自分の醜いものに触れている、触れてくれている。気持ち良くするために。肉体的な刺激以上に、その事実による精神的な悦びが、ラヴィーネを蕩かせた。
「あっ、あんっ、はぁぁんっ……! いいっ、気持ちイイぃぃ……! カンネの手が、カンネの白くて細くてすべすべしてっ、ちょっとひんやりしてて、ちっちゃくって可愛い手がっ、アタシの、アタシのおちんちんをぉ……! アタシがいやらしいから、スケベだから、生えちゃうみっともない、なっさけないおちんちんをっ……カンネが、カンネが気持ち良くしてくれてるっ、手で、可愛い手が汚れちゃうのに、アタシが穢しちゃうのにっ、擦って、気持ち良くしてくれてるよぉぉ……!」
卑猥で破廉恥で、下品なことを口にすればするほど、興奮と快楽が増すことは、学んでしまっていた。ラヴィーネは、堕ちていく、壊れていく感覚に、背徳と被虐の悦びを覚え、貪ることが癖になっている。
「ラヴィーネ。こんな風におちんちんを手で擦って気持ちよくすることをね、俗に『手コキ』って言うんだって。知ってた?」
「っ……て、手コキぃ……!?」
軽薄で滑稽なその響きは、ラヴィーネにひどく淫靡な印象を与えた。その猥褻な隠語は、それだけで彼女の中に巣食っていた貪婪な欲望を刺激する。
「ああっ、ああっ、手コキ……手コキぃ……! カンネにっ、カンネに手コキされてるっ、手コキしてもらってるぅ……! アタシのおちんちんをっ……アタシのどうしようもないおちんちんを、カンネに手コキで気持ち良くしてもらってるぅぅ……!」
ラヴィーネが被虐欲に駆られたのを即座に悟って、カンネは大好きな幼馴染に、望むものをあげていく。
「そうだねえ。どうしようもないよね、ラヴィーネのおちんちんは。子供みたいに可愛い見た目してる癖に、脂ぎったスケベ親父も呆れるようなドスケベさんだもんね~? そのくせちっさいし、ほっそいし。なんとも情けなくてみっともなくて。あれだね、『しょぼい』よね。もう『ザコ』って感じだよね。あ、でも嫌いじゃないんだよ? むしろ好きかも。ラヴィーネのだしね。ラヴィーネのしょっぼいおちんちん、好きだよ? 私。ザコちんぽでも、むしろそれが可愛いかな~、って思わなくもないし~?」
「あっ、あぁあぁっ!? あっ、あぁぁ……! す、すまねぇ、カンネっ……スケベでごめんっ、ドスケベでごめんなさいだぁぁ……! ドスケベのくせして、しょっぼいちんぽですまんっ、ザコちんちんで申し訳ないぃ……! でも、お願いだから、お願いだから嫌わないでっ……見捨てないでくれっ……! 手コキっ、手コキしてくれっ、くださいっ、お願いだぁ……! ラヴィーネのどうしようもないスケベちんぽっ、みっともないしょぼザコちんちん、頼むから手コキしてっ……! お願いだから気持ち良くしてっ……! どうか後生だからイカせてっ、イカせて白いお汁、どうかどうか搾りとってやってくれよぉぉ~っ……!」
半乱狂の痴態を演じて、背を反らしてカンネにもたれつつ、甘ったれた声でおねだりするラヴィーネに、カンネもまた嗜虐欲を喚起され、渇望される『手コキ』に力を込め、熱を込めていく。
「よしよし。してあげよう、してあげよ~。うりうり、ラヴィーネぇ♪ どうだい? 気持ちいいかい?」
「気持ちいいっ、気持ちいいよぉっ……!」
「何がいいの? 何をされて気持ちいいの? どこがいいの? ラヴィーネのどこが、どんなところが気持ち良くなっちゃってるのぉ?」
「おっ、おっ、おっ……おっ、おぉぉ……! お――“おちんちん”っ!! おちんちんがっ、アタシのスケベなくせして子供なおちんちんが、エロガキちんちんが気持ち良いっ、気持ち良いんだぁぁ……! カンネの手でっ、カンネに手コキされて、しょぼちんぽ気持ちいいぃ……ザコちんぽが気持ちいい、気持ちいいんだぁ……!」
「っ……あぁ……ラヴィーネっ……」
こんな風になるまで、知らなかった、想像もしなかった幼馴染の一面に、カンネは幻滅するどころか、実体を伴って本当に溢れてしまいそうなほどの愛おしさを感じる。
お嬢様なのにガラ悪くて、でもやっぱり育ちが良くて、口うるさいでそれは私のことを本気で想ってくれているからで。澄ましていると遠く感じるほど綺麗な顔をしていて。その見た目の通りにクールで勝ち気で格好良くて。
そんな大好きなラヴィーネが、今は滑稽なほど無様にみっともなく泣き喚いて。恥じらいも品性も投げ捨てた、どうかしてる言葉を撒き散らしながら悦んで。呪いで生えてしまった男の子のものを、私の手で遊ばれるだけで、そんな風になって。
可愛すぎて、好きすぎて、いじめたすぎる。
「なんてこと言うの? 自分がなに言ってるかわかってるの? 恥知らずでドスケベなラヴィーネ。おちんちん生えちゃっただけで、おちんちんに即負けちゃって、こんなにダメダメになっちゃって。おちんちんのことしか、私にいやらしいことすることしか考えられなくなって。あーあ。ラヴィーネが本当はこんな女の子だったなんて。ずっと一緒にいたのに、全然知らなかったなー」
「か、カンネっ……!?」
無感動に別離を告げる時の口調で淡々と詰ってくるカンネに、ラヴィーネは絶望と恐怖が込み上げて、プルプルと震えさえしてしまう。
けれど、そのあとに続けられたのは、
「でも。こんなダメダメちん負け淫乱ドスケベ魔法少女なラヴィーネも、好きだよ? 大好き♪ ふふっ」
おどけつつも、無償の愛の言葉。
「カン、ネぇ……!!」
零れ落ちそうなほど見開いた目は、至福に満ちて輝き出す。最高に高まる心に合わせて、体も押し上げてあげられるように、カンネには現時点での全霊をもって右手を動かす。
強く弱く。早く遅く。一番好きなところを抉ったかと思えば、全体をやわやわと焦らしたり。けれど最後は、技巧などかなぐり捨てて、ただただ一心不乱に、ひたむきに、ラヴィーネの女の子ペニスを扱き立て、扱き上げ、扱きまくりながら、叫んだ。
「ラヴィーネっ! ほらほら、気持ち良いでしょっ!? 気持ち良いよね!? エロガキちんぽ、嬉しくて堪んないよね!? しょぼザコおちんちん、私の手コキでもうメロメロでしょう!? 好きだよ、ラヴィーネっ……ラヴィーネも私のこと、大好きで死んじゃいそうだよねぇ!? ほら、イッて、ラヴィーネっ。イキなさい、もう死んでもいいって思いながら、本当に気持ち良すぎて死んじゃいそうになりながら、私で気持ち良くなって、白くて臭くてきったない汁ピュッピュしちゃいなさいっ!」
「カンネっ、カンネぇぇんっ……! ああ、気持ちいいっ、気持ちいいぞぉ……! アタシのドスケベこどもちんぽ、もう気持ち良すぎるっ、嬉しすぎるっ、幸せすぎるよぉ……! 大好きなカンネの手でっ、シコシコされて、手コキされて、嗚呼、もう死んでも良いっ、死んでも良いよ、死んじゃいたいよっ……! 好きだ、カンネっ、愛してる、誰よりも愛してるぅぅっ! だから扱いて、ああ扱いてっ、搾りとってくれぇ……! あっ、ああ、でるっ、でるよっ! だすよぉぉ……! カンネっ、カンネっ、カンっーー――あ。ああ。い……くっ……」
背骨が折れそうなほどに反り返り、カンネに架かるアーチのようにもたれながら。ラヴィーネはついに達した。
白目を剥き、あんぐりと開いた口から舌を突き出し、涙も唾液も、ついには鼻水まで垂れ流しにしながら、全身を汗みずくにして。カンネの手につつまれたありえざる器官の下で、本来のその場所は当然ながら滾々と溢れさせてシーツをオネショのように台無しにしている。およそ体液という体液を分泌しつつ、最後に残っていた一種をついに揃えて、ラヴィーネはおそらく、オレオールに最も近い場所へと至るのだった。
ピュッ、ピュッ、ピュッ、と三度に分けて放たれた白濁液は、それとしては非常な大量であったが、これだけ大騒ぎした末だと考えると、妙に物足りない気分にさせられるのも事実だった。
しかし、カンネの右肩にうなじを預け、天井を剥いて失神したラヴィーネであるが。その股座で、まだカンネの手に包まれたありえざる少女男根は、なお微塵もその勢いを減じることなく屹立している。
「……ラヴィーネ。本当に、エッチでどうしようもないね。ラヴィーネのダメダメなおちんちん……♪」
熱に浮かされ、重く濡れた声でそう言って、ぺろりと唇を舐めえたカンネは、淫魔が擬態しているとしか思えぬほど妖艶で、淫靡であった。
そうしてカンネの方から右手の動きを再開させ、二人は休みなく二回戦へと雪崩れ込んでいった。