T-06-?? 最終観測

T-06-?? 最終観測



得体の知れない不安があなたを包む。

深く地を潜った先。固く閉ざされた扉。

幾重もの施錠を一つ一つ解いて入った先の薄闇の部屋。

暗がりの中心にあなたはそれを認めた。

そこにいるはずのない、あなたの愛した人の姿だった。

彼女はあなたが愛したままの、穏やかな目であなたを見ている。

あなたが愛したままの、笑顔の似合う顔で微笑んでいる。

どうして?理由は問うまでもないことであるはずなのだ。


ああ、それでも。わかっていても。

戻らぬ彼女はすぐそこに。あなたの手が届く場所にいる。

あなたは……


▼抱擁する。

あなたの背に彼女の手が回される。

怖かった。苦しかった。寂しかった。

彼女はあなたの聞くに耐えない言葉を全て赦し、受け止める。

あなたはただ、赦されるままに安らかな闇に身を委ねた。

永く静かな夜が始まる。


OBSERVATION FAIL



▼手を振り払う。

彼女の手はあの日と同じように冷たかった。

全ては過去である。過去にしなければならない。

あなたは彼女に背を向ける。

扉を明け、光に向かって足を踏み出す。

既に夜は明けていた。


OBSERVATION SUCCESS




御影って結構過去に縛り付けられた存在だと思うんですよね。呪霊でないアブノーマリティの御影だと、その要素がだいぶ強く出て来るんじゃないかなと思ってます。

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