慟哭Ⅰ :ジャマトグランプリ(ChapterⅡ)

慟哭Ⅰ :ジャマトグランプリ(ChapterⅡ)

名無しの気ぶり🦊

「♪」


お寺でもうすぐ催されるある祭の準備が行われている。その祭とはすずなり鬼祭り。

府中近くのこの地域、否正確には沢芽市に古くから根付くお祭りで地元民であるキタサンも毎年手伝っているお祭りでもあった。


「あの…お祭り、明日からですよね?」

「ああ、そうだよ。出店もあるし町中、盛り上がるから楽しみにしてなさい」


花束を持った少年こと正太が、お祭りが翌日からかとご住職こと鬼塚に尋ねる。

うなずいた鬼塚は鬼から鈴を取ると願いが叶うと教えてくれる。そういう習わしがあるお祭りだった。


「これから お見舞いかい?」

「鈴を取ったら…お母さん帰ってくる?」

「もちろん」


そう言って鬼塚は微笑む。正太はこの地域の住民であり、小さい頃から鬼塚の寺の庭やその近所でよく遊んでいる。

もちろんお参りも家族共々よく行っており、その仲の良さは鬼塚もよく知っていた。

このたび病気を患い入院することとなってしまった母を、家族の大黒柱である父が止むなく行けないことも含めて正太が一人でお参りに来ているのだろうということも。


「お前が大切にしてるものはなんだ?」

「で…出た⁉︎ 鬼!」

「いや違う! なんだ、あれは…⁉︎」


そこへ現れるジャマト一行。

鈴を取るにしてもそりゃないよと言わんばかりのお呼びでない連中がさながら鬼の代わりに登場した。

そう、ジャマトグランプリのプレイヤーに選ばれたジャマト達が同じくジャマトグランプリの第1回戦開催地に選ばれた沢芽市の一角にプレイヤーとして姿を見せたというわけである。


「ジャマトグランプリ第1回戦はかみなりジャマト祭りよ。雷を落として町を滅ぼす」

(臆面もなく、なんてどストレートに悪辣!)


その名はすずなり鬼祭りに引っ掛けてかみなりジャマト祭、内容も一帯に定期的に特大の雷を降らせ住民を撃ち滅ぼすというもの。

襲撃の少し前、ナビゲーターという役職上仕方なく説明をしているクラウンも我ながらドン引きしていた。もちろん表面上は滞りなく、勤めて明るく説明を進行したが。


「あはは、人間とウマ娘達を苦しめて、五つの櫓を完成させるの!」

「そして全てを破壊する。災いの祭りを楽しみましょう。ハハハハッ…ハハハハ…♪」

 

雷を落とし街を破壊し人間とウマ娘を苦しめて 5つの櫓を完成させる、こんな人間への悪意満載のルールでゲームを考案したのはもちろんベロバ。徹底的に現代をめちゃくちゃにしてやるつもりだった。

達成したらクリアできるし、その先にあるのはエリアの歴史からの抹消。

ここに集うジャマトは人間を嫌うか憎むかしている連中ばかりというのもあって皆一様に本心でニコニコしている。

なんなら大智も釣られて楽しそうに笑んでいるが、リッキーは明るくもどこか影を感じさせる笑みを浮かべている。やはり自分へのやるせなさや人間やウマ娘への申し訳なさはずっとあった。


「皆さん!」

「浮世トレーナー、キタサン! あんた達も!」

「ジャマトが現れたわぁ〜ん!」

英寿やキタサンらプレイヤーとサブサポーター一同が休憩室に集まっているところ、ツムリとスイープとチラミによりジャマトが現れたと知らされる。


「場所はすずなり鬼祭開催地よ!」

「えっ、お祭り予定地⁉︎」

(しかもあたしとダイヤちゃんの地元の祭りな鬼祭!)

(私達で絶対防がなきゃ!)


その場所を聞けば黙ってはいられないのがキタサンとダイヤ、それはもちろん地元のお祭りだから。

小さい頃からよく参加し楽しませてもらっているものである。なので自分達の思い出でもあるこの祭を悪意で終わらせていいわけがない。

そうした想いは自然と募る。


「つまりジャマトグランプリが始まったと」

「鬼祭りをめちゃくちゃにさせたりしません!」


英寿も報告を聞けばジャマトグランプリが始まったことを察したし、キタサンはその横で鬼祭りを守る想いを口にした。心なしか普段より気合いが入っている。


「助けに行かないと!」

「僕達の力を少しでも…!」


祢音とシュヴァルも前回で覚悟は決まったので直接的な報酬に繋がらない今回の戦いにも参戦の意思を示した。


「でも、これはデザイアグランプリじゃないわよ。勝ち抜いたからってデザ神になれるわけじゃ…」


チラミは戦力を減らしたくないからと消極的、普段の無策さは棚に上げた冷静な姿勢である。

そもそもが彼がヴィジョンドライバーを奪われなければジャマトグランプリの開催なんて夢のまた夢だったのだから。


「関係ないよ! 被害を広げるわけにはいかないし!」

「トレーナーさんの言う通りです、見返りを求めたから人助けを為すわけではありませんっ!」

 

とはいえそんなことを考えるのは少なくともこの場においてはチラミだけ。

景和もダイヤも他の4人同様、リスクなぞ関係なく人助けをしたいと思えるだけの善性があった。特にダイヤは大資産家の一人娘ゆえに幼い頃からリスクヘッジについては一通り学んできている身だが、それを抜きにして動けるだけの思いきりの良さもあった。


「涙ぐましい…ノ、ノンフィクション…ド、ドキュメントぉ…」


それを見ているとチラミの胸にも込み上げてくるものが確かにあった。


「嘘泣きはやめてください。ついこの間までスリルとか刺激とか言ってたくせに」

「今さらおじ様が嘘ついたって意味ないでしょうが!!」

なんてことはなく、渡りに船だった。戦力は減らしたくないがジャマトも決して無視できない、しかし自分は出たくないので仮にプレイヤーやサブサポーター陣が出てくれるならそれはそれで好都合と思えるだけの薄情さが確かに彼にはある。というより無自覚な薄情さが一周回って善人の形をしているのがチラミという男で未来人である。


「ちぇっ、はーい」

(開き直ってる…調子いいなぁ)


シュヴァルとしてはどの面を下げてまだゲームマスター面してここに居るのか聞きたい気持ちだった。


「私達のデザグラを取り返して!」

(どの口で言ってるんだろう…)


ダイヤもそれは同様で、チラミの強さはともかく人となりはもう信用していなかった。


誰のせいで こうなったと


「フッ…言われるまでもない」

「あたし達にお任せください!」

それでも英寿もキタサンもこの状況を見過ごせず、元来世話焼きな性分もあり、何より前回の件で他の4人同様覚悟は決まったからかチラミの性格や彼が頼んできたことは正直どうでもいいくらい現状打破に前向きだった。


「「「「「うわあああああッ!!??」」」」」

「「「ジャアアッ!!」」」


その頃ジャマトグランプリはスタートし。祭りの準備の途中だった寺の境内で暴れるジャマトグランプリ参加者のジャマト達の姿があった。


「死ね」

「うわあっ⁉︎」


ルークジャマトが隠れていた正太を見つけ、襲い掛かる。透ならまるでしないだろう振る舞いだがあくまで擬態しているだけのこのジャマトはまるで気にしていない。


「させませんっ!」

「まったく、人間に容赦ないな。当たり前だが」


しかしそこにすかさず滑り込み、危なげなく正太を抱え込み離脱しながらルークと距離を取った者がいた。そう、キタサンである。

そこへ英寿も現れた。キタサンを信じ正太を助ける役目は彼女に任せ様子を見ていたのである。


「というかその声、トゲッチに擬態したのか」

「てことは吾妻トレーナーのご友人に⁉︎」


そしてすかさずルークが誰に擬態しているかまで見抜いてみせた。その声だけしか聞いていない状況だが、透のことをプレイヤーとして意外と覚えていたからかすぐに見抜けた。


「ギーツ、マトイ…」


ルークのほうはあくまでジャマトグランプリの敵、道長の知り合い程度の認識だった。


「う、浮世英寿さんにキタサンブラックさんっ⁉︎」

「そうだよ、もう安心していいからね!」

「偽物の鬼はさっさと退場させてやるさ」

助かったということへの安堵感もそこそこに正太は自分を助けてくれた者の正体やそのトレーナーがすぐそばにいることに驚いてしまっていた。キタサンもそれに偉ぶることなく正太を安心させようとにこやかで力強い笑顔と共にそう語りかける。英寿もそんな自分の担当をどこか嬉しく思いながら、やはり正太を安心させる意図の発言をした。


『『『『『SET』』』』』

『『『MATOI(RADIA)(NERE)SET』』』


そしてそのタイミングで駆けつけた景和・ダイヤ・祢音・シュヴァル共々二人は変身を開始。


「「「変身!」」」

「「「変装!」」」


勢いよく掛け声を上げる。見返りなき戦いとなった今、以前よりも声に凛々しさや力強さが宿っている。


『『DUAL ON』』

『GET READY FOR BOOST&MAGNUM』

『NINJYA DEPLOYED POWERED SYSTEM』

『GIGANT ARMS』 

『BEAT』


今回は英寿はギーツマグナムブーストで、景和はタイクーンニンジャパワードビルダーで、祢音はビートで行くことを選択し変身した。


『LASER ON』

『『『MATOI(RADIA)(NERE) LOG IN』』』

同じタイミングでキタサン達も未来式勝負服型スーパーアーマーと各人を模したサングラス型マスクの装着が完了する。


「これでもっ!」

「ナイスアシストだ、キタ!」

「「「ジャッ⁉︎」」」


そのまま戦闘開始、初手から息の合った連携プレーをジャマトに食らわせていく。

正太は鬼塚に任せてある。


「「…」」

『『(LIBER )SET』』


それを少し遠くから見ながら変身アイテムを身につけつつ駆け出した者達がいた。


「「変身(変装)!」」

『ZOMBIE JYAMATO』


『LASER ON』

『『『LIBER LOG IN』』』

息ぴったりに変身/変装を済ませながらこちらへ向かってくる。ジャマトの側だと分かるような敵意を剥き出しにしながら。獲物を構え、また片方は獲物を展開しながらだ。


「「うあっ⁉︎」」


そのままタイクーン/景和とラディア/ダイヤにダメージを与えたその二人の名は言うまでもなくバッファ/道長とリベラ/クラウン、ジャマトグランプリがスタートしたからには当然そのゲームエリアに二人も現れる。


「二人とも何するんだよ!」

「吾妻トレーナー⁉︎ クラちゃん⁉︎」


敵対したとはいえ、まさか人命救助の邪魔をされるとまでは考えていなかったので景和とダイヤは当然面食らってしまった。


「お前達にもスコアが設定されてるからな」

「プレイヤーを邪魔するエネミーにナビゲーターとして適切に対処してるだけよ?」


しかしこれはジャマトが、その支配者たるベロバが願いを叶えるグランプリ。

なので当然スコア設定、またこのゲームのナビゲーターとは即ちデザイアグランプリのプレイヤーを害する存在だということも含めてジャマトに有利なように事が進む。

単にヴィジョンドライバーを取り戻さなくてはいけないゲームという以上の負荷が英寿やキタサン達には着いて回る。


「呑気な奴らだ。ジャマトグランプリの敵役に設定されてるとも知らずに」


それを知らないわけではないだろうと思っていたが知らなかったらしい英寿達に道長は軽くだが呆れていた。危機感が無いだろうと。


「嗯…开玩笑吧(うん…冗談でしょ)? これはデザイアグランプリではなくジャマトグランプリよ? つまり貴方達はいつものジャマトのポジションなの」

「桜井トレーナーも賢いダイヤも分かるでしょう?」

クラウンは内心申し訳なさを感じながら、けれど冷徹に、ナビゲーターだから当たり前だというふうに敢えて二人を突き放す。どれだけの悔いがその胸の内側にあろうとも自分で選んだ結果、ならば誰に漏らすわけにもいかないとクラウンは考えていた。


「クラちゃん、もうすっかりジャマト側みたいに…でも、私は貴方を信じて連れ戻すよ!」

「というかあたし達10000点なんだ…もしかしなくても高得点扱いだよね、くっ…」

それを聞くダイヤは辛く、けれどだからこそ自分の幼馴染で親戚な彼女を放っておけないと立ち向かう意思を改めて固める。

キタサンはというと、このジャマトグランプリというゲームにおいて自分達は狩られる側なのだとスコア設定を見て実感していた。

しかもすごい高得点、ほとんど他の配点を狙う意味がない。デザグラにおけるジャマトの意趣返しのようなそれは実に露悪的だった。

まぁ、設定されてようがいまいが街の人々を助けるのは変わらないのだが。


「デザグラと立場が逆転したみたいだな」

「あたし、こんな形でジャマトの気持ちを知りたくなかったです…」


ゆえにデザイアグランプリ時と逆の立場であるという実感も改めて抱きつつ、できることならこんな形で狩られる側の気持ちを知りたくはなかったとも思っていた。


「「ジャ…」」

『『SET FEVER』』

『HIT』

『GOLDEN FEVER』

『JACK POT HIT GOLDEN FEVER』


「っていうか、引き、強すぎでしょ!」

 「おそらくベロバが確率を多少操作しているのでしょう、厄介です…」


その間2体のジャマトライダーはベロバからゲーム開始前にプレゼントでもらったフィーバースロットバックルを使う。

片方は『モンスタージャマトフォーム』、もう片方はジャックポッドフィーバーを引いて『ブーストジャマトフォーム』、ジャマトレイズバックルと合わせると凶悪なフォームばかり排出され、転じてベロバがスポンサーであることの厄介さを景和とダイヤは感じていた。


「こっちだって!」


『HIT』

『REVOLVE ON』

「ゾンビビートだね、祢音ちゃん!」


けれどそれにこちらも無策でいる必要はない。

対抗すべく、ナーゴ/祢音もフィーバースロットバックルを使用。出目はゾンビとなり『ゾンビビートフォーム』に変身した。


「ってええッ⁉︎ いったー!」

「祢音ちゃん⁉︎ よくも…えいッ!!」

しかしいつの間に回り込んでいたのかジャマトライダーのうちの一体が祢音を勢いよく殴る。ライダーに変身していたからどうにか軽傷程度に留められたが、それはそれとして痛いものは痛い。

それを端で本人以上に感じたシュヴァルは半ば怒りのままにレイズライザーロッドモードを振り回して該当のジャマトライダーにぶつける。

とはいえサブサポーターの一撃なので大したダメージは与えられない、そんなことは分かっている。シュヴァルの狙いは別にあった。


「ジャ…?」

当たった箇所である背中から下を勢いよく光子で構成された輝くワイヤーが絡め取る。

動きを一時的にでも制限することがシュヴァルの狙いだった。


フィーバーブーストのジャマトライダーの拳骨を受けて怒った祢音。


「ナイスシュヴァルちゃん! お返しだよっ!」

『TACTICAL BREAK』


それを読んでいた祢音は片手でゾンビブレイカーを振り翳しジャマトライダーに叩きつける

しかし大振りゆえに受け止められ吹っ飛ばされてしまった。

が、仮面の内側の瞳に焦りの色はまるで無い。


『TACTICAL THUNDER』

「押しといたよ祢音ちゃん!」


信頼できる担当ウマ娘では幼馴染で親友がまたも優れたアシストを決めてくれると読めていたから。

そう、下半身はビートなのでビートアックスも健在で左手に構えていた。それを理解していたシュヴァルはこの数秒の間にタクティカルサンダーを発動するためのボタンに狙いを定めロッドモードの先の分銅付き鉤爪を軽く性格に叩きつけた。


「またまたナイス、シュヴァルちゃんッ!」

「ジャジャァ⁉︎」

「これがほんとの電動チェーンソーだよ!」

その間に祢音は落としたゾンビブレイカーのスライド部分を素早くキャッチ。

そのままビートアックスの刀身を引っ掛け持ち上げジャマトライダーによる追撃を防ぎ、一度放り投げてから持ち替えタクティカルサンダーによる電撃を纏わせた『タクティカルブレイク』で一閃、反撃。


「ぁぐッ!」

しかし向こうもしぶとく、吹っ飛ばされたがブーストで切り返して反撃してくる。


『REVOLVE ON』

「これでッ!」


同じタイミングで景和はルークジャマトに対しリボルブオンしながらの全力の攻撃を敢行。どうにか遠くまで吹き飛ばした。


「ジャ…?」

「させません!」

それを見ていたジャマトライダーがすかさず動こうとするもダイヤがレイズライザーマジックハンドモードでその両腕を掴み妨害する。


「ダイヤちゃんナイス妨害!…って効いてない⁉︎」

「よそ見とは余裕だな!」

「うあっ⁉︎」

けれど当然痩せ我慢に近しく、なので然程効きもしない。振り解こうとする力も強く抑えるだけで精一杯、そんなダイヤを見て焦らない景和ではないがジャマト側もそれを見逃してくれるわけがない。

ナイト、つまり透に擬態しているジャマトが手にした七支刀で勢いよく切りつけてきた。それに怯んでしまうのも道理で。


「トレーナーさん!」

「ジャ…!」

「あっ⁉︎」


それを見ていたがゆえに目の前で吊し上げているジャマトライダーへの意識が散漫としてしまったダイヤ、当然この隙を見逃さずこのジャマトライダーは力任せに振り払い離脱。

そのまま地面に降り立ち前方のダイヤ目掛けてモンスター特有の力溢れる一撃を当てに行く。

焦りつつもダイヤはレイズライザーマジックハンドモードでガードの構えを取るが─────


「「ぬん!」」

「「ハアッ(そいやッ)!」」


やはり同じタイミング、英寿・キタサン対道長・クラウンの戦闘は継続され熱を帯びていた。


((互角だな(だね)))


卓越した経験と技術で攻めるギーツ/英寿・そこまでは無い戦闘経験や技術を持ち前のやる気や身体スペックと直感で補うマトイ/キタサン。

デザグラを通して経験と技術は積み重ねながらもそれを力溢れる戦闘スタイルにのみ昇華しているバッファ/道長、キタサン同様不慣れながらも持ち前の地頭の良さと経験でそれをどうにかカバーするリベラ/クラウン。

改めていろいろと反対の戦い方で拮抗している2組がそこにはいた。


「「だが(けど)…ぐぁっ⁉︎」」

「こっちもよそ見か、気を抜きすぎだ!」


そんなほぼ互角の勝負のなか英寿が道長に銃を、キタサンがクラウンにレイズライザーバズーカモードによる一撃を撃ち込もうとすると、ナイトが二人を助けるように加勢。その七支刀で横薙ぎにまとめて斬りつける。

ほとんど回避できたからか二人に然程ダメージば無かったものの、二人をアシストするようにナイトジャマトが助けたわけである。


「「づッ⁉︎」」


「今までのジャマトと…違う!」

「トレーナーさんと私を同時に相手取ってなお優勢なんて…!」

さらにナイトはそのままルークに優勢に戦うタイクーンとジャマトライダー相手に粘り強く生き残っていたダイヤを背中から攻撃、流石に先程から溜まっていた疲れから二人はくらってしまいいつにも増したジャマト達の人間とウマ娘への敵意、今までは微塵も感じられなかった勝ちたいという意思を感じていた


「当然だ。 お前ら人間やウマ娘達とは覚悟が違うからな」

それを自ら裏付けるようにそう言いながらナイトば景和に斬りかかってくる。

だが


『第1ターン終了!』


ベロバによる終了のアナウンスが響き、窮地は一旦終わりを告げたのだった。

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