レノファ山口FC

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HOMETOWNDAY

柳井市

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PREVIEW

オレンジの魂を揺さぶる3年ぶりの一戦

熱戦必至! 組織戦術がぶつかるダービーマッチ

 

愛媛FCをホームに迎える「プライド・オブ・中四国」のダービーマッチがまもなく始まる。
この5連戦で3度目となる中四国勢との対戦は、オレンジ色を基調とするチーム同士の一戦。ホーム側、アウェイ側両方がオレンジに包まれる維新みらいふスタジアムは大いに盛り上がりそうだ。

 

対戦相手の愛媛は昨シーズンのJ3リーグで優勝を果たし、3年ぶりにJ2に返り咲いた。2010年代前半にも愛媛を指揮した石丸清隆監督がチームを率い、組織的なサッカーをしつつ、サイドの推進力を生かした攻撃を展開。4-2-3-1のフォーメーションをベースに、攻撃では幅を取り、守備ではコンパクトな4-4-2で相手の侵入を防いでいる。

 

レノファと愛媛の過去の対戦成績は、レノファから見て2勝6分4敗。
直近3試合(2020年から21年)がいずれも引き分けで、拮抗した試合になっている。愛媛を説明するのに挙げた「組織的」「サイドの推進力」「コンパクトな守備」といったキーワードはそのままレノファにも当てはまる特色。戦い方が似ているだけに、今年もどちらが勝ってもおかしくない好ゲームが期待できよう。サッカー通にも、初めて見る人にも、サッカーの醍醐味を感じてもらえるはずだ。

 

我らがレノファは水曜日の徳島ヴォルティス戦を2-1で勝利した。
強風下の前半をリスクオフのサッカーで耐えると、風上の後半にギアを上げ、分厚い攻撃で2連続得点を奪取。1失点がミスとも言えないオウンゴールだったことを考えれば、充実した内容と結果を手にし、完勝に近い出来となった。

徳島戦の戦いぶりを今節につなげるべく、チームは中3日の準備期間を有効活用。
試合に出た選手は回復をしっかりと図り、出ていない選手は練習から強度高く戦って、誰が出ても連勝が叶う状況に仕上げている。得点を近づけるカギは徳島戦と同様に前線の厚みだ。サイドの高い位置で複数人数が関わると同時に、ゴール前にも逆サイド側から選手が入り込んで枚数を増やすと、愛媛の堅守にもほつれは出てくる。

 

特に18.相田勇樹のクロスボールをしずめた68.野寄和哉の得点シーンでは、長身の19.山本駿亮と24.梅木翼がファーサイドで構えて相手の注意を引きつけ、ニアサイドに動いた野寄がマークから解放された。攻撃枚数の多さが生んだゴールで、「おとり」になることを厭わなかった山本は一つの武器になると自信を見せる。

 

「レノファは身長のある選手はあまりいないですが、僕やツバサくん(梅木翼選手)が一つのストロングになると思うのでクロスへの入り方は意識しています。カズヤくん(野寄選手)のゴールは狙っていたイメージで取れたと思う。僕とツバサくんでサイドを狙いながら、カズヤくんがニアに入ってゴールを決める。それもやってきた形だったので、実って良かったです」

 

こうした分厚い攻撃の波を作り出すボランチからも目が離せない。
相田、10.池上丈二、8.佐藤謙介のほか、愛媛で3年間プレーしたベテラン33.山瀬功治も先発候補に挙がり、否応なしに期待が高まる。2021年の対戦では愛媛時代の山瀬が攻守でレノファを苦しめたが、今度はレノファのオレンジを光らせるプレーを見せていきたい。

また、今節はやや強い雨が降ったあとにキックオフを迎える可能性があり、雨後のピッチをどう味方に付けるか、刻々と変わるコンディションに対して適切に判断を下していくことも大事になる。

 

さあ、スタジアムがオレンジ一色に染まる試合がキックオフの時を迎える。
試合は拮抗した展開が予想されるが、ミッドウィークの試合で得た大きな自信とホームの大きな声援を力に変え、相手をあらゆる局面で上回りたい。上位追撃の2連勝へ! 

今節のプライド・オブ・中四国のダービーマッチも総力で戦っていこう!

 

PICK UP

良い循環を生み出す守備の柱

ビルドアップの安定にも貢献

昨シーズンの途中で期限付き移籍でサガン鳥栖から加入し、今年もその期間を延長した40.平瀬大。攻撃への積極関与は持ち味でもあり、開幕戦から精度の高いロングフィードでチャンスメークしたり、第3節ファジアーノ岡山戦では最終盤に左ハイサイドに駆け上がって絶妙なラストパスを送ったりしている。

 

試合で出てくる課題をすぐに整理し、次の試合に生かすのも平瀬の良さだろう。0-1の惜敗となった岡山戦の試合後、「もっと後ろがボランチを上手く使いながらボールを保持することができれば、相手FWを迷わせながらプレーできた。もっと上手くボールを前進させられたとは思う」と顔をしかめ、修正を誓った。

 

成果が見えたのはわずか1週間後のV・ファーレン長崎戦だった。
平瀬は長短のパスを使ってビルドアップに関わり、レノファはゲーム内容で相手を上回った。この試合で平瀬はパス本数60本、パス成功率90.9%というスコアをマーク。数字はボールを保持しながら前進させたいという意志や修正力を雄弁に物語った。

 

もちろんセンターバックとしての本分は対戦相手の攻撃を無力化し、無失点で試合を閉じることにある。
平瀬は「最後にシュートを打たせないとか、しっかりと密集して足を運ぶとか、粘り強さは出せている。そこは続けていかないといけない」と話すとともに、「DFとして集中を切らさずに戦っていきたい。監督も緻密に本当に細かく指導してくれるので、細かい守備の意識付けもできてきていると思う」と言い、体を動かし、頭も動かす細密な守備に少しずつ手応えを深めてきている。

前節の徳島ヴォルティス戦では3.ヘナンと組んで中央をやらせないという守備を完遂。
徳島・橋本健人のクロスから不運な失点を許すことにはなったが、柿谷曜一朗、ブラウンノア賢信などを投入して迫力を増す徳島に最後まで隙を与えず、2-1での逃げ切りに成功した。

 

愛媛戦で対峙するFW松田力(背番号10)はJ1でのプレー経験もあり、昨季はJ3ベストイレブンにも選ばれた実力者だ。さらに松田にクロスを供給するサイドアタッカーの質も高く、平瀬は味方をしっかりと動かしてサイドからの決定的なパスを未然に防がなければならない。中央を守る守備はできていても、直近2試合は思わぬ形とはいえサイドからボールを動かされて失点しているのも事実。課題に向き合って修正するサイクルを守備面でも機能させ、今節こそは無失点の時間を続けていきたい。

 

狙うはクリーンシートでの真の完勝。
「魅力的なサッカーをできるように日々やっていきたい」とも誓う平瀬大が、ホームの維新みらいふスタジアムで真価を発揮すべき90分間になる。

 

選手コメント

(前節の徳島戦は)アップの時にもピッチ状況は確認していて、風に対しては難しい判断になるということは選手同士でもコミュニケーションが取れていました。割り切ったサッカーになるのは仕方がなかったですが、本当にすごい風が吹くあのコンディションの中で前半を失点0で抑えられたのが、後半につながったと思います。

 

プレシーズンからケガが続いていて、自分のコンディションで難しい部分がありましたが、スタメンで出て勝点3を取れたことを僕自身もこれからにつなげていかないといけないですし、チームとしても次につなげないと意味がないですので、もっとコンディションを上げて勝てるように準備していきたいと思います。

 

(相田勇樹選手は)すごく走ってくれてハードワークしてくれるので助かっています。
今度の愛媛も本当に勢いがあるチームだと思いますが、その中でも自分たちのペースで試合をやっていかないといけないと思います。徳島戦でもコンディションに対してネガティブにならずに味方に付けて戦おうと監督からも言われていましたが、難しい試合で勝点3につなげられましたので、そこで勝てたことを、愛媛戦にもつなげてやっていきたいと思います。

 

選手コメント

徳島戦は守備で中をやらせないことは意識しました。僕だけじゃなくて、長崎戦の反省を生かしてみんながハードワークしていたと思います。2点取ってからも、セットプレーでチャンスがあるたびに3点目が重要だというのはピッチ内でも話しながらやっていました。3点目が取れていたのではないかという反省はありますが、後半は本当に入りから良いチャンスが作れていましたし、ああいう形で2点が取れたのは良いイメージができました。

 

J2で戦ってみて守備のところでは全然やれるというイメージはありますが、チャンスに絡むシーンは増やしていかないといけないです。ポジションが確約されているわけではないですし、スタメンを狙っていくためにも、もっともっとゴール前に顔を出さないといけないです。5試合やってみて通用するということは感じていますので、あとは結果というところを突き詰めてやっていきたいと思います。

 

愛媛は本当にツーセンターバックの守備が堅いというイメージがありますし、J3の中では頭一つ抜けているくらいにビルドアップが上手いチームだという印象がありました。J2でもそれをやっていて本当に難しい試合になると思いますが、僕たちは相手のやりたいサッカーをやらせずに失点を少なくできているというのは良さだと思います。そこは焦れることなく守備をやり、前節のように先制点を取ることが大事になると思います。

前節フォーメーション

前節ハイライト

前回対戦ハイライト

スタッツ

jstats

愛媛FC PICK UP PLAYER

尾崎優成 選手

周南出身の若き主力DF

レノファ攻撃陣との対決に注目

 

ヴィッセル神戸からの育成型期限付き移籍で愛媛FCに加入した尾崎優成(背番号19)。

弱冠二十歳のニューカマーながら右サイドバックで開幕スタメンを掴み、ルヴァンカップ1回戦と前節は本職でもあるセンターバックで出場している。センターバックを務めた2試合はいずれもV・ファーレン長崎が対戦相手で、苦杯を喫したとはいえタレント揃いの長崎に強気のディフェンスで立ち向かった。

 

186cm、75kgの体躯に恵まれ、センターバックとしては外国籍選手にも負けぬ迫力を出し、サイドバックでも高い位置まで顔を出してクロスボールを入れている。年代別代表にも選ばれてきた実力は折り紙付きだ。

 

尾崎は周南市出身のプレーヤーでもある。小学生時代にはすでに兵庫県三田市のクラブチームに所属し、中学生以降はヴィッセル神戸のアカデミーでプレー。神戸のクリムゾンレッドに袖を通す期間が長かったが、縁ある山口県での試合には特別な思いもあるだろう。

 

年齢も出身地も同じなのが、年代別代表で同時召集されたこともある20.河野孝汰だ。
ポジションはマッチアップする可能性が高く、河野は「トレセンとかでも何度も会っていました。周南生まれだったというのは当時は知らなかったので、出身の話にはならなかったですが、周南出身として負けられないです。守備の場面でも、攻撃の場面でも自分たちが圧倒して勝ちたいです」と意気込みを語る。互いに攻撃の要、守備の要として存在感を示す伸び盛りの選手たち。二十歳の意地がぶつかる攻防には大いに注目したい。

INFORMATION

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