霜月の矜持
ここだけゾロがルナーリア族Part2の145※閲覧注意
※【ここだけゾロがルナーリア族】のスレより
※ゾローリアの更にIFネタ
※ファンタジスタした幼少ゾロがキングに拾われ百獣海賊団所属√
※幼少ゾロはくいなと約束する前
※くいな生存
※麦わらの一味がゾロの配下√
※CPはゾロ×日和、ウソップ×カヤ
※IFネタの派生⇒麦わら配下√(百獣√分岐)
※〝月〟を冠するワノ国大名家の先祖がルナーリア族
※キャラエミュが微妙
※文才なしの駄文
※捏造設定あり
※それでも良い方のみ、お読み下さい
ゾロが霜月家の血縁者だと判明してから、キングがまた調子を崩し始めた。
ゾロに悪気は無く、おれ達に心を許したからこそ…おれの問い掛けに素直に答えただけなのだが。
複雑な心境だとしか言いようが無い。
「なぁ…あんた等と霜月、というかワノ国で“色々”あったのは、理解したけどよ。キングは、どうして調子悪くしてるんだ?キングに聞いても答えてくれねぇし」
今日も自己鍛錬を終えたゾロが、おれ達に問い掛けてくる。
クイーンとジャックは、どう答えるべきか悩んでいる様で、顔を見合わせてるし…キングは顔を背けて、何が何でも答える気がねぇみてぇだし…。
「先ず聞きてぇんだが…その“ワノ国での色々”は誰から聞いた?」
「百獣海賊団の奴等」
ゾロと関わるのは、基本的にはおれ達か、鍛錬相手しかいねぇ。
おれ達は話してねぇって事は…。
「普段の鍛錬相手共か?」
「うん。あ、叱らないでやってくれよ?最初は話そうとはしなかったし、おれが一方的に叩きのめした後に話させた」
「……叩きのめしたのか…そうか」
最近の鍛錬相手は、真打ちの連中なんだが…一方的に叩きのめせるのか。
実力の伸び方が凄いな…武装色の覇気は安定してきたし、見聞色の覇気も使える様になったし…また、鍛錬相手を変えねぇとか。
これで、ルナーリア族の能力を使ってねぇんだから…戦闘に関しては才能があるんだろうな。
そろそろ、飛び六胞と関わらせるか…何人か心配な奴もいるが。
頭の片隅で今後の計画を考えつつも、どうするか…一瞬悩む。
「まぁ…お前にも教えるべきか。」
誤魔化すという選択肢もあったが…。
ゾロは、敏いし警戒心が強い…此処で誤魔化しちまったら、もっと自分で調べるだろうし…何より、ゾロからの、おれ達への“信用”も“信頼”も無くなるだろう。
「ッ!カイドウさん!!」
ゾロには知られたく無かっただろうキングが止めようとしてくるが…キングには悪いが、決定事項だ。
「キング、口を挟むな。実は、─────
─────って、事があってな。血縁者のお前には、少し…キツイかも知れねぇが」
流石にゾロだろうが、慕っているキングが自分の血縁者を殺したとなれば…血縁者が自害したと知れば、取り乱すかも知れない。
そうなったら、出来るだけゾロもキングもフォローしてやらねぇと…。
そんな風に、思っていたんだが…。
「??…どうして、それがキツイんだ?確かに、血縁者が死んでるのは…少し残念だけど」
ゾロは、心底理解出来ない事を言われた様な表情と声音で…本当にキツイとは思っていない様子だった。
「…ゾロ?」
ゾロの反応が、想像してた子供らしく泣き喚く様な取り乱す反応では無く…困惑したままゾロの名を呼ぶ。
「別に、病気とか事故で亡くなったとか戦えない奴が殺されてって言うんなら悲しむし、どうしてって思うかも知れないけど。最期まで戦ったのも、自害したのも…自分で選んだ結果なんだろ?」
淡々と確認する様に、おれ達の顔を見上げながら言うゾロ…淡々とし過ぎていて、おれ達の方が可笑しな事を言っている様な気になってくる。
「……いや、そうだろうが…何も、思わ無いのか?」
「自分の選択に、自分で責任を持つのは当たり前だろ。決めた本人じゃねぇなら、彼是言うべきじゃねぇ。逆に、何を思えって?」
「……そ、れ…は…恨む、とか」
「はぁ?何で恨む必要があんだよ。戦える術を持った者が戦うと自分で決めて、その結果死んだんなら…最終的に目的を果たしたなら“誉”であると誇り、目的を果たせて無いなら自分の実力不足だ。恨むって事は、戦った相手に責任を押し付ける行為だろ……そう思われる事の方が、不快だし侮辱だ」
真っ直ぐに見据える目に声音に、嘘は無く…本当にそう思ってるんだろうと分かる程で。
最後には、抜き身の刃の様な雰囲気で…自分の考えを言い切った。
「……ならよ、ゾロ」
「?なんだ、クイーン」
少しの沈黙の後…クイーンが口を開くと、先程までの雰囲気が無くなったゾロが首を傾げる。
「もし、“お前”が“霜月牛マル”の立場だったら…キングと戦って、死ぬってなったら…どうするんだよ」
……クイーン…お前なぁ…。
視界の端でジャックも頭を抱えている。
「おい、クイ「ワノ国大名家…鈴後の霜月家当主だったらって、事か?」
キングがクイーンを止めようとするが、その前にゾロがクイーンに答えちまって。
「そうそう」
「“雛”も答える必要は…」
頷くクイーンの横で、キングはゾロも止めようとしたが…ゾロはそれを気にせず目を閉じて。
「んー…おれが、そうだったら…」
目を閉じて考えている様子のゾロは、暫くしてから目を開けて。
「…『この結果は、おれが決めた事。あんたの所為じゃねぇ。身内以外で“同族”が生きていると知れて嬉しかった。だから、自分自身を責めるな』…かなぁ」
ふわりと柔らかな表情を浮かべ、酷く穏やかな声音で……昔、戦えなくなったキングから聞き出した、“霜月牛マル”と同じ言葉を、口にした。
「ッ!?!?」
衝撃的だった。
おれですら、そうなのだから…キングは、余計にそうだろう。
「…あっ…『“同族殺し”をさせて、ごめん』とも言うかも?」
この、最期の言葉は…キング本人と、おれ、クイーンしか知らねぇ。
「…マジで??」
似ていると言われたゾロがどう言うのか…ただの興味本位だっただろうが、ゾロに問い掛けた本人であるクイーンが唖然としている。
「?…うん。おれだったら、多分言う」
「それに…悪いの“黒炭オロチ”と“オロチの後見人二人”じゃないのか?」
「「「「…は??」」」」
「オロチも、後見人の二人も、あんた等に詳細を話して無かったんだろ?なら…結果的には、あんた等を騙した様なもんだろ。話されてたら、一時的に敵対したとしても殺し合いは回避出来た可能性もある」
「だって信仰対象である“火神様”があんたの右腕だ。もし、キングが“火神様”として接していたら…ワノ国の民衆は、受け入れるだろう。そして、民衆が受け入れれば…大名家も、無視は出来ん」