■オーターが拐われて兄弟の弟してたIF世界線
※オーターさんのキャラ大崩壊
※ワースが神覚者になってる
幼い私は生みの親に捨てられたらしい。
十になるかならないかという頃にはここに居て、セルさんやいくつも年上の〈お兄様〉達に育てられた。
痛いことも苦しいこともあった。何かの魔法をかけられたり魔法薬を飲まされたこともある。そのせいでここに来る前のことは忘れてしまった。
それでもいいと思っていた。自分を捨てた親のことなんかより自分を思って守り愛してくれるキョウダイ達の方が大切だったからだ。
「私の、おとうと…?」
「そうだ。君の弟、ワース・マドルが今年度の神覚者になった」
セルさんが持って帰ってきた新聞には丸いサングラスをかけた癖毛の若い男の写真が全面に印刷されていた。
………見たことがあるような、無いような…分からない。知らない男。
「イーストンでの僕の協力者の一人なんだ。君が望めばいつだって引き合せることが出来るよ」
「……知らないです」
「オーター?」
「知らないです。こんな人。私のキョウダイはお兄様達です」
…今更、なんだというのだ。
日陰にいる私。もう二度と日の元へは出られない私たち。輝かしい栄光を手に入れた男がこの世に一人生まれたとして、それが一体、私になんの関係があるというのだ。
────
「兄さん!!」
知らない男が、私を見てそう叫ぶ。
「探してたんだ! ずっとずっと! アンタを探すために神覚者にもなったんだ!」
うるさい。
「経緯はセルから聞いた! オレ達は戦わなくていいんだよ! 一緒にイノセント・ゼロを倒しに行こう!」
うるさい。
「オレはアンタを助けに来たんだ」
うるさい!
「うるさいうるさいうるさいうるさい!! 何なんだ! 知らない知らない知らない私はお前なんか知らない!! 私のキョウダイはお兄様達だけだ!」
いつも大きな手で私の頭を撫でてくれて矢面に立ち続けてくれていた兄は、
ずっとずっとあの人に逆らい続けて私達の最後の一歩を引き止めてくれていた兄は、
動かない表情の中でそれでも優しい目をして知識を授けてくれた兄は、
兄弟達の罰を一番多く引き受けて夥しい血を流しながらも大丈夫だと笑っていた兄は、
震える腕で抱きしめて愛を教えてくれた親のような人は、
血も繋がらない私を弟と呼んで愛してくれた彼等は、もう、もう、どこにも行けないのに。
「今更なんだ! もう何もかも遅いんだ! 私達は解放されない! “あの人”に勝てるものか! 誰も敵わないから私たちはここに居るんじゃないか!!」
堰を切ったように叫ぶ私を驚いた顔で見ていた男はふっと笑う。
「いいや勝つさ。勝って帰る。アンタの…キョウダイ達も助ける。アンタを助けてくれたお礼を言わなきゃいけねぇからな」
私の砂と男の泥がぶつかり合う。
城のあちこちで同じような魔力のぶつかり合いを感じる。キョウダイたちも侵入者と戦っているのだろう。
杖を強く握り直す。
負けない。負けたくない。負ける訳にはいかない。
例えここが終わりでも、私は最期まで私の家族のために戦うのだ。
〜〜なんやかんやあってハッピーエンドになります〜〜
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●オーター
十歳の頃に《無邪気な深淵》に拐われ、それからずっとセルや兄弟たちに育てられた
軽い洗脳教育を受けるもイノゼロが本気でやってなかったのと兄弟達が守っていたのでイノゼロより兄弟達への感情が重い
環境のせいでちょっと情緒が幼い。ワースのことを忘れてたのもあり助けに来たとか言われて今さら!?とブチ切れた
なおドミナがキョウダイの中に入っていないのは離されて育てられたので「兄弟たちの兄弟だけど私のキョウダイではない」という認識のため
兄弟の末っ子は自分だと思ってるので保護後はドミナとちょくちょく衝突するようになる
〇ワース・マドル
最年少神覚者。泥の神杖
幼い頃に拐われた兄を探し続け、神覚者になれば使える権力やツテが増えると努力を続け等々成った努力の人
セル経由で《無邪気な深淵》に兄が居ることを知り、やっと会える助け出せると喜んだ所で全力の拒絶を受けた
イノゼロ撃破後は警戒されながらも仲良くなろうと頑張ってる。兄が兄なのに弟をしてるのを見て戸惑いバグり散らかして自分が兄になればいいのでは!?となった一幕があったりなかったり…
〇ドゥウム、ファーミン、エピデム、デリザスタ、セル
会えないドミナの分と居なくなったマッシュの分の愛とかわいがりをオーターに注いで育てた。そしたらなんか凄くブラコンに育っちゃったな…?まあかわいいからいいか
〇出てないけど思いついたドミナ
自分には会いにもこない兄たちが血の繋がってない拾いっ子を弟として可愛がってると聞いて、無自覚だったけどはらわた煮えくり返ってた弟
はー!?一向に僕の兄さんたちなんですがー!?
保護後ははっちゃけたのでオーターと弟の座をかけて都度都度喧嘩をするようになった