オーター・マドルと時間稼ぎ
・グロ注意
前回のあらすじ
オーターさんはだいたいファーミンさんの罠のおかげでイノセント・ゼロの部下を倒した。
しかし背後にイノセント・ゼロが来ていた。
オーターは焦りながらも背後のイノセント・ゼロに攻撃しようとする。
しかし、砂が当たる前にイノセント・ゼロはオーターの右足を蹴り砕いた。
オーターは思わず出そうになった悲鳴を噛み殺した。
「マッシュ・バーンデッドはどこにいる?素直に話すのならあまり痛くないよう殺してやる」
「……誰が話すか」
「そうか。では話したくしてやろう」
イノセント・ゼロはオーターにゆっくり手を伸ばしていく。
オーターは怯えるような表情をしながら手を床に付き……その瞬間イノセント・ゼロに向かって天井から煙が吹き出してきた。
(これはファーミンの罠か)
「くだらん」
そう言いながらイノセント・ゼロは煙の中の人影に攻撃する。
人影は崩れ落ちた。
そして、砂となってイノセント・ゼロの足に纏わりついて体勢を崩させる。
(分身!?だがあの傷でどうやって動いた!)
そう思うイノセント・ゼロの背中に痛みが走る。
オーターがイノセント・ゼロの背中を刺していた。
そしてオーターは背中を刺した勢いのままイノセント・ゼロを床に倒し……
そして、床に仕込んであった罠を発動させて自分ごとイノセント・ゼロを串刺しにした。
一部始終を見ていたオチョアは思う。
(オ、オレは見ていたぞ……)
(あの神覚者は煙幕が発生すると同時に分身を作ったんだ)
(そして砂で自分の身体を操ってイノセント・ゼロの背後に移動。イノセント・ゼロが分身を壊した時に砂でイノセント・ゼロの足を掬い、さらに手に持っていたナイフで刺しながら押し倒した)
(その直後に罠を発動させて自分ごとイノセント・ゼロを串刺しにしたんだ)
(……一旦寝返っておくか?)
「……これで悪あがきは終わりか?」
(イノセント・ゼロは無傷!?)
(……寝返るのはなしだな!)
イノセント・ゼロは血だらけのオーターの腹部に手を当て、傷口に手を突っ込む。
オーターは思わず小さな悲鳴をあげた。
「このナイフはファーミンの物だな。お前はファーミンの新しい友だちか」
「全く、アイツのやんちゃっぷりには困ったものだ。私の言うことは全然聞かないは、勝手に悪い友だちは作るは……」
「まあそんな息子だから殺したのだが」
「さてもう一度聞こう」
「苦痛の中死ぬのと、マッシュ・バーンデッドの居場所を話して今すぐ死ぬのとどちらがいい?」
オーターは口を開き、イノセント・ゼロに向かって唾を飛ばした。
「……そうか」
イノセント・ゼロは手に持っていたファーミンのナイフをオーターに突き刺した。
『お父様はオレたちが外に目を向けることを嫌う』
『もし仮にオレがお前と手を組んだことがバレたらお前を痛めつけて殺すと思う』
『だからバレないように上手くやれ』
(そうファーミンさんは言っていた)
(……忠告を聞かなくて申し訳ありませんファーミンさん)
(アレで倒せたならそれでよし、倒せなくてもイノセント・ゼロは私に意識を向けて時間稼ぎにはなる)
(……後は任せました)