最強と求道者

最強と求道者



 「また、やんの?」


 「無論、その無限を完全に打ち破るまでやるよ」


 二人の間には戦闘能力の総合的な値で言えば大きな隔たりは少ない、しかしそれは互いに殺しはしないという誓約の中でのみで有る。


 その誓約無ければという仮定は無意味である何故なら、どれだけ速く術式を、どれだけ速く武器を。ガンマンの早打ちのように相手の急所を一撃で破壊しうる攻撃を打ち込むそうなるだけだからだ。


 作戦そして術理も技量も投げ捨てた勝負ならばする必要もないだろう。



 だが、彼女には眼の前の男に対して勝負を挑む理由がある。


彼は術師であり此方は武人


彼女曰く、無限を己のみで打破したいと

 

 コレは、彼女の我が儘であり

 唯一の欲望である。


 しかし、彼には理由が無い、戦う理由も殴る理由も暴力で蹂躙する理由も。


 「なぁ那岐」


 「何?五条」


 「本当にやんの?」


 「やるに決まってる」


 彼女は求道者

 彼女の道は未だに険しく鬱蒼としている


 そう、あの一夜(呪い)を超えるまで

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