【閲覧注意】変わらない二人、変わっていく二人

【閲覧注意】変わらない二人、変わっていく二人


(退避用スペース)

本編↓↓↓















 積年の想いが遂に溢れたラヴィーネの告白を、カンネが受け入れ、二人の関係は幼馴染の親友から、恋人同士に変わった。それに伴い、お互いの距離感や接し方も大きく変わるのではと、二人とも不安と期待を半々に抱いていたのだが、しばらく経ってみると、相変わらずのケンカップルなのであった。

「ほらほら、ラヴィーネ~? もう限界なんじゃ、ないっ、のぉ……?」

「ぬ、抜かせっ……! カン、ネっ、こそっ……声、上擦って、るぞっ……?」

「はぁ~? 声、上擦ってる、のは、んっ……ラっ、ヴィーネ、じゃん……!」

「ふっ、んっ……カン、ネッ、だろう、がぁ……!」

 カンネの部屋のベッドの上。両手を後ろに着き、ぺたんと座って向き合った二人は、今もまた減らず口を叩き合っていた。

 どちらも、生まれたままの姿。すなわち全裸である。左脚は斜め前に伸ばし、右脚は膝を立てて、相手の左脚を跨ぐ格好だ。そして、二人のその両脚の付け根は、『ソコ』と『ソコ』は、ぴたりとくっつけられている。一糸として纏わぬ、剥き出しの聖域と聖域が、触れ合っていた。そればかりか、カンネもラヴィーネも、不自由な姿勢の体を懸命に動かし、擦り合わせてさえいた。

 女が、その秘めるべき場所に持つ、もうひとつの唇でのキス。貝合わせや鏡磨といった隠語で呼ばれる、女同士での性器と性器の接触、行為。紛れもないセックスに、二人は没頭していた。しながら、以前の喧嘩するほど仲が良い二人のままの会話を交わしている。

「んっ、んっ……気持ち、良いんでしょ、ラヴィー、ネ……? 素直に、言っちゃい、なよ……『ああーん、きもちいいよー! ラヴィーネもういっちゃうー! カンネすきすき、あしてるぅー!』って? そしたら一思いに、イカせてっ、あげる、よ?」

「……は? は? は? はぁ~? 何、言ってんだっ……カンネ、こそっ……『あっ、ラヴィーネ、もうダメっ、カンネもうイクッ……大好きなラヴィーネにっ、いっぱい気持ち良くされて……カンネ嬉しすぎて、気持ち良すぎて、もうイクッ、イクイク、イッちゃう~~ん!』とか、言えっ、言っちまえよっ……!」

「――え、そんなこと言って欲しいの? うわ、キモッ」

 突っ走り過ぎたラヴィーネに、急にスンとなるカンネ。

「ッ~~~!?」

 その反応に自身の発言を反芻し、やらかしを自覚して、真っ赤に沸騰するラヴィーネ。こうなれば、彼女がカンネに対して行うのは、力任せのゴリ押しと相場が決まっている二人である。

「……クソがぁっ!」

「んんっ!? ちょ、ラヴィ、ネェっ!?」

 四肢に渾身の力を込めて、股間を突き出させるラヴィーネ。互いの柔肌と粘膜を、ゆるゆる溶け合わそうとするような丁寧な睦み合いから一転。己が恥骨をもって相手の恥骨を砕かんとするバトルものになる。

「オラッ、オラオラッ! このっ、このこのこのぉ……!」

「やっ、ちょっ、強すぎっ……いだっ、ちょ、痛い、ってぇ……」

「忘れろ! 忘れろこのバカッ、バカッ、バカンネッ! さっさとイッちまって、気持ち良くてもっとバカになって、忘れちまえっ、このぉ……!」

「だ・か・らっ……! 強、すぎるっ、てぇ~!? イカせたいならイケるようにしてよぉ~!?」

「あっ……わ、わり……」

 本気で痛がるカンネに、込み上げた罪悪感で頭が冷え、反省する。

「すまねぇ……ん、ほら。優しく、する、から……」

 ここで、

『ぷっ、ぷぷー!? や、「優しく、する、から……」だってぇ! あははは! カッコイイ、カッコイイよぉラヴィーネっ、いや、ラヴィーネ様ぁ~ん! よっ、イケメン! 王子様っ! キャー、抱いてー! ふひひっ! 抱かれてぇ~~~!』

 などと言ってしまえば、今度こそ間違いなく恥骨を砕かれることは長年の付き合いでわかっている。吹き出しそうになるのを必死で堪えて、お笑い方面に行きかけた気持ちをなんとか軌道修正する。

「んっ、カンネっ……カンネっ……」

(こいつ、躁鬱か?)

 と過らないでもないのだが、瞬く間に気分を取り戻し、いじらしいほど真剣に、自分を気持ち良くしようと腰を使うラヴィーネに、カンネもまたみるみる愛おしい気持ちが込み上げてきた。同時に、いやらしい気分も、戻って来る。

「ラヴィー、ネ……んっ、ふっ、んっ……どう?」

 得意の魔法のコンビネーションでは、水を操るカンネに、凍らせるラヴィーネが合わせる。だが、時系列としてはそうでも、二人の内奥での意識としては、カンネもまたラヴィーネの呼吸に合わせて魔法を発動させているのだ。つまり、相手のしたいこと、してほしいことを読み、合わせるのは、どちらも得意ということだ。

「んあっ……!? あっ、ふぁぁ!? あっ、カン、ネっ……い、いい……ぞ」

 ぞ、という語尾が、精一杯の強がりなことも、お見通しだ。ラヴィーネはすっかり気持ち良くなって、心も体もふわふわし出して、頂上へと昇りたくなっている。

 カンネの中の、ラヴィーネとこうなるまで自覚していなかったサディスティックな部分が、ニヤリとほくそ笑む。いや、素直過ぎる彼女だからして、実際の顔もニヤリとほくそ笑んでいる。

 その意地悪な微笑を、ラヴィーネも見逃さなかった。彼女の中でもまた、カンネとこうなるまで自分でも知らなかった――ややマゾヒスティックな、「受け」気質な部分が、むくむくと頭をもたげる。

「いいんだ? いいんだよね、ラヴィーネ……んっ、嬉しい。私で、気持ち良くなってくれてるんだ?」

「…………」

「違うの? ん?」

「……ちがわない。き、気持ち……いい……」

「何が? ねえ。何が気持ちいいの? 誰が、何で、どうして。気持ち良くなってるの? ねえ。教えて?」

「っ……カンネ……お前に、そういうとこあるの……知らなかったな……」

「ふふ。私も、ラヴィーネにそんなしおらしくて可愛いとこあるの――いや、しおらしくて、可愛いとこあるのは知ってたけど。それがコノ時はそんな感じになるとは、思ってもいなかったなー」

「…………」

「あ、心配しないで? 全然、幻滅とかしてないよ。むしろ、可愛いなって。ラヴィーネのこと、もっと好きだな、ってなったよ?」

「っ~~~~!?」

「うん。ほら、だから、ね? 言って? ちゃんと、言葉にして、ね?」

 狼狽えるラヴィーネが可愛く、またそんな彼女を翻弄するのが楽しくて堪らなかった。カンネは、恋人としてのラヴィーネにだけ見せるようになった、無自覚な小悪魔の笑顔を輝かせて、ここぞと腰を遣っていく。

「あっ、ふぁ!? か、カンネっ、ちょ、これ、だ、だめだぁ……!」

「えー? だめ? ほんとに~? じゃあ、やめていいのぉ~?」

「っ……それは……」

「ラヴィーネのここは、そんなこと言ってないだけどなー? 上の口と違って、下の口は素直だよねぇ、ラヴィーネちゃんは~? んー? ウリウリ~♪」

 調子に乗りまくり、煽りまくりつつ、ラヴィーネの花弁に自らの花弁を擦りつけ、吸いつかせる。

「あっ、うぁっ、くぅ……! う、うるせぇ……! し、下の口とかっ……お、オヤジくせえぞっ……!」

「なんだとー? こんな美少女のカンネちゃんを捕まえて、オヤジくさい~? そんなことを言うのは、この口かっ。オラオラ、この口か、ラヴィーネちゃ~ん?」

「んあぁ!? ひあっ、あっ、うぁぁっ……!」

「おっと、違った。こっちの口は素直な方だった。素直じゃない方は――こっちだったね」

 ちゅ。

「んむっ!?」

 ノリノリで揺すり立てていた動きが急停止したかと思うと、前のめりになったカンネの顔はもう間近に迫っていた。不意打ちで唇を重ねられ、比喩ではない本物のキスが始まる。

「ん、ラヴィーネ……ちゅ、ちゅっちゅ! ちゅっ、じゅぷっ、んむっ、んちゅうぅ~~~♪」

「んっ、んむっ、ふむぅ……!? んちゅっ、んっ、じゅっ、じゅ、んむぅ~~~!?」

 しかしそれは、あまりに濃厚で熱烈で、そして淫らな口づけだった。カンネはラヴィーネの唇をちゅうちゅうと吸い立て、舌を差し込んで、口腔内を隅々まで確かめるように這わせて来る。そうしながら、次々と分泌される唾液を流し込み、巧みに舌を使ってラヴィーネの舌へと絡め、味わわせて、それから飲み込ませる。また逆にラヴィーネの唾液を片端から掬い取り、吸い取っては、自らの口中に一通り巡らせ、じっくりと味を確かめ、楽しんでから、ゴクン、ゴクンと喉を鳴らして嚥下した。

 陰唇を交わす女同士のセックスがキスのようなら。唇を性器にしてまぐわらせる、セックスのようなキス。

 戯れや、強い親愛を確かめたくなったときなど、キスは何度もしてきた。けれど、こんなにも肉欲を剥き出しにし、ぶつけ合い、受け入れ合うキスなんて、恋人になるまで想像したこともない。だから、二人の関係は、もう取り返しがつかないほど変化しているのも確かだった。

「んっ、んちゅ――ぷはっ! はぁ、はぁ……ラヴィーネ……」

「はっ、はっ、はっ……カン、ネ……」

 融合を試みる原始的な生物のようだった二人の唇が、ようやく離れた。白く濁り、粘ついた二人の混合液が、太く長く糸を引き、それでもやがては切れて、互いの胸元に垂れ落ちた。

 カンネは余韻を味わいつつも休むことなく、即座に腰の動きを再開させる。

「あっ、あっ、ふあぁっ……! カン、ネっ……カンネぇ……!」

「んっ、んっ、んっ! ラヴィー、ネっ……ねえ、本当にダメなの? ねえ、気持ち良いんじゃないの? ラヴィーネ、ラヴィーネっ……」

 高まり続ける興奮に、カンネも余裕を失い、切羽詰まった声で問いかける。

 下腹部から全身へと迸る快楽に絆され、桃色に茹った脳髄に、カンネのその興奮が伝播して、ようやくラヴィーネもありのままを晒せるようになっていく。

「だめ……じゃないっ……。気持ち……良い……。気持ち、良い……!」

「っ、ラヴィーネっ……うん。もっと、もっと気持ち良くしてあげる……ううん、一緒に、一緒に気持ち良くなろう?」

「あぁ……カンネぇ……ひゃん!?」

 パンッ、とキレ良くひとつはたくように秘丘を秘丘にぶつけると、それを嚆矢に、いよいよ本気で、全力で腰を遣い、性器と性器を擦り合わせ始める。

「あっ、ひあっ、うぁぁ!?」

「んっ、んっ……ラヴィーネっ、ラヴィーネぇ……! 気持ち、良いでしょ? ねえ、気持ち良いでしょ、私の……オマンコっ!」

「ちょ、おまっ……下品っ……」

 ――『私のオマンコ』。

 カンネの、ずっと好きだった女の子の、大好きな、大切な幼馴染で恋人の、愛おしい唇から発せられたあられもない言葉に、ラヴィーネの心臓が、内奥の中心が、高く早く脈打つ。

「ラヴィーネもっ、気持ち、いいでしょう……? オマンコ、ねえ、オマンコ気持ちいいよねっ……!?」

「あっ、ひぁっ、んんんっ……!? カンネっ、カンネぇ……!」

「言ってよ。ねえ。言って、ラヴィーネっ……! オマンコ良い、って。『オマンコ気持ち良い』って。ラヴィーネも、ほら、言って、ほらっ、ほらぁ……!」

「うぁっ、うあぁぁぁっ!?」

 早口で捲し立てながら、カンネは上体を起こし、ラヴィーネの右脚に両手を掛けた。足首を掴んで上へと伸ばさせ、ふくらはぎを左肩に乗せて、股間を股間で押し込みながら、膝立ちになる。

 必然、後ろに倒れ込んだラヴィーネは、純白のシーツの上に仰向けになり、伸ばした右脚を真上よりやや頭の方に傾けた帆掛け船のような恰好になった。カンネは、ラヴィーネにとっては前後に、客観的には上下に開いた両脚の間に、自らの身体を、両脚の間を挟み込ませる。白く、小さく、瑞々しいお尻の下に、ラヴィーネの左脚を敷く形だ。

 両脚を大きく開かされ、背部を丸ごとベッドに押しつけられて、ラヴィーネはほとんど身動き出来ず。一方のカンネは、好き放題に動ける体勢である。膝から下でしっかりと支えた体を存分に使って、カンネはより一層激しく慌ただしく、自在に自由に腰を振り立て、ラヴィーネを貪り、ラヴィーネに味わわせていく。

「ラヴィーネっ、ほら、イイでしょ、イイよねっ? ラヴィーネぇ……!」

「あっ、ああっ、ぃ……いいっ、いいぃ……! 気持ち、良いっ……カンネっ……カンネの、カンネのオマンコ、気持ち、いいっ……!」

「いいんだっ、私のオマンコ、気持ち良いんだねラヴィーネっ!? じゃあ、ラヴィーネは、どこが良いの、どこが気持ち良いのっ? ちゃんと言葉にして伝えてよ。私に告白してくれた時みたいにっ……!」

「あっ、はぁっ、あぁんっ……お、オマンコが、アタシ、お……オマンコが……気持ち、良いっ……! カンネの、カンネのオマンコが、気持ち良いんだっ……カンネのオマンコが、アタシのオマンコにっ、当たって、擦れて、混ざりそうでぇ……気持ち良いっ、カンネぇ……オマンコ、気持ち良いぃ……!」

「っ……ラヴィーネっ!」

 ようやく勝ち気の鎧が溶けきり、恥じらいつつも本心を吐露するラヴィーネの愛らしさに、カンネは下腹部が熱く疼き、いささか凶暴な衝動が背筋を駆け抜けてくるのを感じた。

「ラヴィーネっ……可愛い、可愛いよ、ラヴィーネ……! 好き、大好きっ。もっと、もっと気持ち良くしてあげるね、ラヴィーネのオマンコ、私のオマンコで、もっと、もっとぉ……!」

「ふあっ、あっ、ひぁん!? も、もう、十分っ、きもちぃっ……きもち、良すぎるぅ……良すぎる、のにぃ……ああ、でも、もっと、もっと気持ち良くして欲しいっ、カンネっ……! カンネのオマンコ、もっとっ……アタシのオマンコを、もっと、もっとシてっ、もっともっと、気持ち良くしてくれぇぇ……!」

「うんっ、うんっ! 任せてっ! いっぱい、いっぱい気持ち良くしてあげるからね、ラヴィーネ……えいっ、えいぃ♪」

「おおぉおぉっ!?」

 もはや、一緒に最果てまで駆け抜けることだけを目指した動きだった。

 ベッドに膝立ちになったカンネの華奢な上半身が、いや、シーツに着いた膝から上のすべてが大きく波打ちながら、ひたすら股間を前後動させる。狂った機械のようでもあり、正確無比に習性をなぞる昆虫のようでもいて、いっそ滑稽味のある絵面でありながら、底抜けに淫靡で背徳的であった。

 二人をまだ乙女と呼べるかは、意見が分かれるところだろう。ただし、明確な肉体的条件を基準にするならば、未だ処女には違いなかった。だから、二人の聖域に息づく花弁は、誰もが乙女のそれと確信する外見であることに不思議はない。

 カンネもラヴィーネも、その神聖な器官への入り口は、ただ一筋の線と見紛うものであった。その線と線とが、情熱的にすり合わされるたび、わずかに互いを捩り、めくれて覗く内側は、白地にほのかな桃色を滲ませ、あまりに可憐で幼気である。けれど、純粋無垢を花と咲かせたような其処は、自身が作り、溢れさせた蜜でぐっしょりと濡れそぼっている。精巧な細工物のように組み合された二つの股座は、二人の蜜をブレンドしたシロップを入念に塗り込まれて、甘やかでありつつも酸いた生々しい芳香を立ち昇らせ、蒸れたぎっていた。

「ラヴィーネっ、ラヴィーネぇっ!」

「カンネっ、あっ、あっ、カンネぇぇ……!」

 互いを研磨するように高速で擦り合わされる二人の股座からは、グチョグチョ、ヌチャヌチャと、卑猥極まる粘着質な水音が絶え間なく響いていた。

 捩れ、めくれて、花弁の内側、情欲に煮えた粘膜と粘膜が触れ、擦れるたびに、カンネとラヴィーネはそこから生じる快美感に酔い痴れ、飛んでいきそうになる。だが、それさえ副次的に生じるものであって、本命の行為は別にあった。

 純然たる快楽器官。糸のような縦筋の上端に、控えめな宝石のように輝く小さな肉粒――陰核を、自分のクリトリスと相手のクリトリスとを擦り合わせることこそ、今この瞬間の彼女たちにとって唯一絶対の使命であり、渇望であった。

 ――ラヴィーネ、カンネ、ラヴィーネ、カンネ、ラヴィーネ、カンネ……、

 相手の名を呼び合う二人の声が、交互に、あるいは同時に、何度も何度も繰り返される。股座で奏でる水音を伴奏に、切なく狂おしく歌い上げられるデュエットのようだ。

 興奮に充血しきり、限界まで硬く、肥大しきってなお儚いほどに小さな小さな二人の陰核と陰核が、そのデュエットに合わせて踊る舞踏のように絡み合い、擦り合され、捏ねて、捏ねられて。ひとつに結合することを望むようにきつく押しつけられ、また傷つけ合いながら慰め合う歪んだ共依存のようにぶつかり合い、弾き合う。そのたび、太い針を突きさされた鋭痛を、裏返したような激悦が二人の全身に迸り、駆け巡り、最後は元の場所に還って、ますます敏感さと貪欲さを増していく。

 女体の芯たる粒果を絡め合えば、同時に触れ合うのは、その丘の下側に咲く花唇ばかりではない。上側に生い茂った叢もだ。

 二人とも、それは髪とほぼ同じ色をしていた。ラヴィーネは高貴で神秘的な銀色で、カンネは明るく柔和な栗色である。銀色と栗色の叢が、たっぷりと朝露を湛えたように濡れ光り、相育むように絡み合っていた。まるで原始的な触手状の生物が、群体での交尾行動に耽溺しているかのようでもある。それは可笑しくも悍ましいようでいて、侵し難い聖性を感じさせる、幻想的な光景を描き出していた。

「好きっ、ラヴィーネ、大好きぃ……!」

「アタシも……! カンネっ、好きだ……あっ、あぁぁ、好き、大好きっ……!」

「気持ちいいよ、ラヴィーネのオマンコっ、気持ち良すぎるぅ……! だから、ああ、も、もうぉ……」

「ああっ、アタシも、もう……! だって、カンネ、良すぎるっ……オマンコ、気持ち良すぎるもんっ……!」

 叢と叢、花弁と花弁をまぐわらせつつ、その間にある女体の核心と核心をぶつけ合って、二人はみるみる昇っていく。貪婪で奔放なカンネの動きに、ラヴィーネもまた不自由な姿勢から精一杯の動きを絞り出して、呼吸を合わせる。水と氷の魔法のコンビネーションで、何度も行ってきたことだ。けれど、この愛し合う行為によって生み出されるのは、得意な魔法とは正反対の、灼熱と稲妻だ。灼熱に焼かれ、稲妻に打ち据えられるような、愛欲の絶頂へ。二人は息ぴったりに、一緒に到達する。

「イクッ、イクぅっ! オマンコイクッ、大好きなっ、ラヴィーネのオマンコでっ、イクっ、イっちゃうぅうぅぅ!!」

「カンネっ、好きだっ、好きだぁ……! カンネのオマンコでっ、イクッ、オマンコイクッ……イッ、クぅぅぅぅ!!」



 三年後。二人は共に、一級魔法使いの試験に合格した。

 ……「後始末」のための必要から、カンネが『水を操る魔法』(リームシュトローア)の精度を著しく向上させたことがそれに大きく寄与したことは、二人だけの秘密である。

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