マッシュ・バーンデッドと昔の記憶
マッシュが赤ちゃんの時の記憶をイノゼノ撃破後の平和なイーストン生活中に思い出す感じの話を書いてみましたふわりと落とさないように抱き上げられ、瓶に詰めた温かなミルクを与えられる……掠れた視界に見える薄暗い空間に4人の子供の顔、金髪の青年
嬉しそうに悲しむように誰かの小さな手が頭をなぞる、くすぐったくもミルクとは違う温かさと、こそばゆい感触が肌に伝わり……それに触れようと手を伸ば……
「はっ!?」
「うっぉ!?
お、おはよう……マッシュくん」
「おはよう、フィンくん」
驚きで一緒に目が覚めたらしいフィン
二人で目覚ましを見るといつもより早い起床に驚きつつのそのそとベッドから出る
朝のルーティンを終えても眠気から覚めずにぼーっとして、掠れた脳内を必死に思い出そうと唸ってしまう
「マッシュくん大丈夫?
まだ寝ぼけている感じ?」
「うん、悪夢じゃないっぽいけど
なんというか、こう、う〜ん」
「マッシュくーーーん!
おはようございます!!!」
「ひゃほー!
おはようレモンちゃん!」
「はぁ……朝からやかましいぞ」
「うるせぇ!別にいいだろ!」
教室に向かおうと開放廊下を移動していると次々といつものメンバーが集まって話が弾んでいく、がその中心のマッシュは心ここにあらずとまだ唸っている
「ふーむ……」
どうにかしないとと思いつつ支柱の陰に被った瞬間、暗い空間と冷えた感触、暖かい気温に身体が止まり、頭がぐわりと回る
冷たい石床、暗い空間
色とりどりの兄達の優しい声と手
抱きしめられた時の暖かさと安心感
隣で笑う赤紫髪のあの子
謝りながら嬉しそうに泣く金髪の青年の顔
日曜大工道具と喜ぶ兄達の顔
あの子に近づく敵、泣かす敵
あの子が開けた穴から落ちていく自分
風船が破れたのように色々な記憶が頭から溢れ出し駆けめぐ「あば、あばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばば!?!?」
「ま、マッシュくん!?
どうしたの!?大丈夫!?!?」
マッシュくん!?
シュークリーム切れ!?
大丈夫か?
先生呼んでくる!?
友達の心配する声が聞こえないほど頭が回りすぎて回らないブルブル震えてる頭に自分でもどうしたらいいかわからない
「………思い出した」
「えっ?」
「ドミナくんが言っていた赤ちゃんの時の記憶」
「あか……ちゃん?」
「ごめん
ちょっとセルくんの所まで行ってくる」
頭が覚めたマッシュは、心配する友達に手を振りセルがいるレオン寮に方角に身体を向け走り出す
「えっ?えっ?」
「行ってしまった」
「なんつーヤバイ焦り方だよ」
「うん……でも、嬉しそうだったね」
「先生には欠席の報告しときますねー!」
「ありがとぅーーー」
呆然と見送るフィン、ドット、ランスとぶんぶんと片手を振るレモンにお礼を言いつつ、知らずの内に頬が緩くなる感覚に懐かしさを感じスピードを上げる
「セルくんに会ったらなんて伝えよう」
オマケ
セル「マッシュ坊っちゃんが幼い頃の記憶を思い出したみたいです」
マッシュ「うす……」(なぜか緊張している)
ドゥウム「……取り敢えず、抱きしめてもいいか?」
ファーミン「俺もしたい!」
ドミナ「兄弟全員でやろう!次、僕ね!」
デリザスタ「嬉しいけど、辛い記憶だっただろうに……でも、やっぱり嬉しいなぁ」
エピデム「私達も早くマッシュを抱きしめましょう」
マッシュ「……次はじいちゃん連れてこよう 絶対喜んでくれる」