【映画ネタバレ注意】
「起きて!いつまで寝てるのよミラージュ!」
俺を呼ぶ声が聞こえる。悲しみと恐怖が混ざりあった声だ。俺達オートボットが聞き慣れてしまった声。セイバートロンで死んじまった仲間達を思い出させる。
俺そろそろアイツらと同じ場所に還る時が近づいてるってことか。短いようだったが充実していた。
セリカ
シロコ
ホシノ
アヤネ
ノノミ
ビーと一緒に銀行強盗手伝わされたり、セリカのバイト見送りや手伝い、夏はリゾートでバカンス。正月は賽銭箱争奪戦やらと意味わからねえけど、充実していて楽しくて、ディセプティコンと戦争してるってことすら忘れるくらい楽しかった。でも楽しい時間はもうこれで終わりのようだ
「起きてよ!ミラージュ!」
俺が作ったデバイスを装着した腕で俺のボディを殴っている。やめろよ、ソレは俺のスパークを少し削って作ったんだから大切にしろよ。
「ああ…」
「ミラージュ!生きてるのね?そうよね?」
「生きてる。かろうじてな」
「何で…何で私達を庇って」
「約束だからな。アヤネに見ていてくれって言われてたからそれを守っただけだ。気にすんな」
違う。
ミラージュ様ならもっと粋なジョークかましてるとこなのに考えてることとは違う言葉が、本音がポロポロと役目を果たした部品達のように零れ落ちる。
「なあ、みんなはいるか?よし集まったな」
別れは明るく笑ってなんて考えてもそんなこといざとなれば言えねえみたいだ。心のまま、スパークのままに任せることにした。
「お願いがある。俺からお前達に頼みたいんだ。」
最後の我儘を俺のダチに託す。
「お願いだ」
お前達みたいな最高なメンバーはこんなとこで死んでほしくない。でも俺はこれ以上約束を果たすための気力は残ってない。
「俺のハンドルをお前達が握ってくれ。」
俺の身体を鋼の身体をやる。
だから生きていてくれ。俺はもう喋れねえし走れねえけど、託すことならできる。
少しはお前達を守れるはずだ。
じゃあな、キヴォトスの初めてのダチ達。
あと俺のボディのメンテナンスも欠かすなよ。