LSパワーLv.3

LSパワーLv.3



アオイ総受けラッキースケベ

パルデアとイッシュの時差無視

キャラによって分量の差がある

被害者:ペパー、ピーニャ、シュウメイ、オルティガ、グルーシャ、スグリ、カキツバタ、(アカマツ)

セクハラ系や捏造何でも許せる人向け








朝のテーブルシティ。爽やかな空気と共にアカデミーの寮の一室の窓が細く白い腕によって開かれた。

「今日はいいお天気だな」

部屋の主であるアオイは朝食としてコーヒーを入れ、その日の気分で適当に材料をバケットに挟む。既に洗濯を済ませて部屋干しもしてある。

手慣れた作業を終えて完成したサンドウィッチを頬張ると、どこか今までにはない感覚があった。


《LSそうぐうパワー:Lv.3》


(おいしい……!バランスも取れるし、この組み合わせいいかも!)

今までに試したことのない組み合わせだったが予想以上のできばえに舌鼓を打つ。アオイは一日をいい気分で始められそうだった。

「あっ、カーテンが……」

一陣の強い風が舞い込み、窓のカーテンがはためく。思わず立ち上がってそれを止めに行こうとしたとき、あまりの風の強さに干していた洗濯物の一部が窓の外へ飛ばされてしまった。

「あーっ!」

アオイが急いで窓に駆け寄りその行方を見る。幸いと言うべきか風はすぐに収まり、一部の洗濯物――アオイのブラジャーは寮の一階の方へ落下して行った。

「今の声アオイか?おーい、なんかあった……」

一階の窓から親友のペパーが顔を出す。アオイの下着は狙ったかのようにペパーの顔に着地した。

「ご、ごめんペパー!すぐ取りに行くから待ってて!」

「お、おい……これって……!」

ブラジャーを握りしめて赤くなるペパーにアオイは慌てて声をかけ、部屋を出る。ペパーの部屋まで行くと、息を切らしながら洗濯物の話をした。

「それで風で飛んじゃって……」

「き、気をつけろよ……!」

赤い顔を逸らしながら指先で持つようにアオイにそれを渡そうとするペパー。その時、ペパーの背後からワフッと嬉しそうな声があった。

「おわっ!マフィティフ!」

「わっ!」

アオイの訪問を喜んだのかマフィティフがペパーの足にぶつかりながらやって来る。その衝撃でペパーは体勢を崩し、思わず目の前に手をつこうとした。

「あ……」

その手はアオイのハーフパンツを掴み、一気に下にずり下ろしていた。ペパーの眼前には当然、アオイのあられもない姿が晒される。

「……っ!」

「すっ、すまねえ!そんなつもりじゃ!」

思わず赤面して悲鳴を上げかけるアオイに弁解しようとペパーは体勢を立て直そうとする。しかしその間にも事情をわかっていないマフィティフに後ろからじゃれつかれ、ペパーの体は立ち上がる前にアオイの方へ倒れた。

「……!」

「あ、わ、いや……!」

ペパーの顔はアオイの股間の下着に埋もれる体勢となり、とんでもない格好になる。

「わ、私部屋に帰る!」

耐えきれなくなったアオイはハーフパンツを上げ、ペパーの顔も見れず自室へ逃げ帰った。



(あーもう、恥ずかしくてしばらくペパーの顔見れないよ……)

アオイはエントランスホールの書棚を見る振りをして先ほどの恥ずかしさを忘れようと努めていた。

「あれ、アオイくん?」

「えっ、あ……スター団のみんな」

ピーニャ、メロコ、シュウメイ、オルティガにビワ。五人は以前勉強を教えたときとは違い、いつもの改造制服を身に着けていた。

「今からSTC行くんだよ」

「アオイ殿は勉強でござるか?」

「私はちょっと……時間潰しっていうか」

「暇ならオレのSTC来てもいいぜ?可愛がってやる」

「ありがとオルティガ……わっ」

手に取っていた本を書棚に戻して五人の方へ近寄ろうとしたとき、アオイはタイルにつまずきよろめいた。

「あぶな……!」

その先にいたのは最も小柄なオルティガ。体格の関係から、オルティガの顔に胸からぶつかってしまった。

「んなっ……!」

「ご、ごめんオルティガ!」

「い、今のはオレは悪くないからな!気をつけろよバカ!」

「わ、わかってるって」

「いーや、わかってない!」

真っ赤な顔で怒ってくるオルティガに気圧されてアオイは困り果てる。しかしオルティガは掴みかからんばかりの勢いでキャンキャン吠えてくる。その様子を見た他のスター団が見かねて止めに入った。

「オルティガ、そこまで言うことねえだろ」

「そうだよ、そんな迫っちゃアオイくん気にする……」

メロコの言葉を受けてオルティガとアオイの距離をとらせようとしたピーニャだったが、その視線はオルティガを見ていたため、仲裁の手が思わぬ所へ当たってしまう。

アオイの胸である。

「きゃ!?」

「ご、ごめん!!」

ぱっと手を離してピーニャまで赤面してしまう中、シュウメイはアオイのつまずいたあたりに跪いていた。それを上からビワが覗き込む。

「ラッキースケベというもの……ここのタイルがはがれかかっていたのが原因でござるな」

「後で先生に伝えないとね」

「あっ、それなら私から伝えてお――」

ピーニャとオルティガへの恥ずかしさから逃げるようにアオイがシュウメイ達の方へ向きを変えようとしたとき、運悪くちょうどシュウメイが立ち上がろうとするタイミングと重なった。

「はて、ソフトな感触が――?」

「――っ!!」

シュウメイの頭にまでさほど当たる体積もないはずの胸が当たり、アオイは目を回さんばかりに羞恥に染まる。

「ご、ごめんっ!私用事ができた!!」

「あっアオイ殿!?」

全速力でアカデミーを駆け出し、逃げるようにイッシュヘ飛ぶ。アオイは何かがおかしいとぐるぐる回る頭で違和感に気付き始めたが、どうすることもできないでいた。



「グルーシャさん、バトルしてくれてありがとう」

「別に。ぼくもいつかあんたに雪辱したいっていうか……ごめん、サムいね」

ブルーベリー学園で特別講師として招いたグルーシャとの対戦で、アオイは少し落ち着きを取り戻せた。アカデミーの制服でいると今朝の一連の失態が思い出されてしまうため、こちらに着いてからはリーグ部のタンクトップに着替えていた。

いつも通りの実力を発揮でき、勝負はアオイの勝ちだった。グルーシャが回を重ねるごとに負けた悔しさを隠さなくなってきているのをアオイは嬉しく思い、せっかくだからリーグ部の部室でみんなとお茶でもと誘った。


「アオイ!さっきのバトルすごかったよ!熱かった!」

「アオイが特別講師の先生呼んでくれてわや勉強になるべ」

「疲れたろぃ?ダラダラしようや」

部室では先ほどのグルーシャ戦を観戦していたスグリ達がアオイとグルーシャを歓待した。

アカマツが皆のためにサンドウィッチを作ってくれると言うので、アオイはせっかくなので今朝発見したおいしいレシピを伝えてみた。アカマツは快諾してそのレシピ通りにサンドウィッチを積み重ねていく。

「できたよ!ピリ辛って感じかな!」

「わーおいしそう!」

アオイも皆も食べ始めたところで、アオイはそうだと気づく。いつもお茶を淹れてくれていたタロが今日はまだ来ていない。それなら自分が用意しようと席を立った。

「あっ」

タンクトップの裾が椅子の角に引っかかり、めくれ上がる。

「……!」

たまたま男だらけだった部室で、アオイの素肌と小さなへそが見えてしまい、男たちの視線はそこに集まった。

(い、今まで引っかけたことなんてなかったのに……!)

アオイは視線を感じながら急いでタンクトップの裾を戻す。そして早く忘れてもらおうと紙コップとおいしい水を取り出した。

「み、皆お水でいい?あ、スグリは辛いの苦手だったっけ?モーモーミルクにしようか?」

「アオイ覚えててくれたんだべ?ありがとな」

てきぱきと人数分の飲み物を作り、お盆に載せてそれを皆の手元へ運ぶ。

「はい、お水です」

「ありがとう……」

お盆をテーブルに置き、グルーシャに最後の紙コップを渡そうとする。だがグルーシャの分厚い手袋では小さな紙コップは掴みにくかったようだ。

つるりと滑った紙コップが回転し、ぱしゃりとアオイの上半身を濡らしたのだ。

「ごっ、ごめん……!」

「大丈夫ですよ、これくらい……」

言いかけたところでアオイは事態に気づく。白のリーグ部タンクトップが濡れてしまったことで、その下の薄色の下着が透けてしまっていたのだ。

「あ、アオイ……!」

「~~~!!!」

またしても男たちの目がそれを見てしまう。アオイが急いで着替えようとしたところに席を立ったカキツバタが近づき、着ていたジャージをばさりと羽織らせた。

「ちっとオイラので我慢してくれぃ」

カキツバタがジャージのジッパーの前を閉め、アオイの透けた下着を隠す。

「あ、ありがとうカキツバタ……」

「……」

しかしカキツバタのジャージはアオイには大きく、裾がリーグ部服スパッツのギリギリのラインまで来る。アオイは気づかなかったが、下に何も履いてないように見えるこちらの方がいやらしいかもと言葉には出さないが男たちは思った。

「ごめん……もとはといえば、ぼくがヘマした……」

「お水、入れ直します!」

グルーシャが申し訳なさそうにアオイの元へ立ち上がろうとするのと、アオイが落ちた紙コップを片付けようとしゃがむのは同時だった。

「っ!」

またしても部室の男たちは息を呑んだ。アオイの唇がグルーシャの鼻先に押し当てられてしまったのを目撃したのだ。

「ごっ、ごごご、ごめんなひゃい……!」

「い、いや、あんたは悪くない……」

「アオイ、いったん落ち着けぃ」

赤面してしどろもどろになるアオイの肩をカキツバタが持ち、ひとまず着替えに行かせようと部室の入り口へ誘導する。

「あ、アオイ!片づけは俺たちでやっとくから……」

自分も何かしようと慌てて立ち上がったスグリだったが、不運の連鎖は続く。スグリの手元のモーモーミルクが勢いよく倒れ、アオイの下半身にかかったのだ。

「す、スグリ、気を使わせて私こそごめん……スグリ?」

「……う、あ……その……」

アオイの太ももから白い液体がぽたぽたと伝い落ちる。アオイはなぜスグリ達が固まってそれを凝視しているのかわからず、首をかしげた。

「……とにかく、着替えてこようぜぃキョーダイ。片づけもそれからだ」

「そ、そうだね。ごめん……!」

カキツバタに促されるまま入り口へ向かおうとしたアオイだったが、さんざん液体にまみれたせいかグルーシャがいつも言うように空調が効きすぎていたせいか、鼻がムズムズしてくる。

「……ふぇっくしょ!!」

「うおっ!?」

足元に残っていたミルクも手伝い、アオイは体勢を崩し前のめりに倒れかけた。カキツバタがそれを受け止めようとして、アオイの背側から抱え込むように両腕を伸ばす。すると。

「あ……悪ぃ……」

「……っ!!」

カキツバタの手はアオイの胸を抱いており、アオイはまた声にならない声を上げる。

男たちから見れば、くの字に折れたアオイの上半身を後ろから密着して支える姿は立ちバックのそれであり、部室に何とも言えない空気を作った。

「か、カキツバタ!アオイから離れ……!」

さすがに思うところのあったスグリがカキツバタをアオイから引き剥がそうとする。その時、またしても足元の液体に滑り、スグリが前へと倒れる。

「スグリ危ない!」

とっさにアオイが抱きとめようとしたが、体勢に無理があり、二人して床のカーペットに倒れ込んでしまった。

「うう……スグリ、大丈夫?」

「あ、アオイ、お、俺……っ」

アオイはケガのないスグリを見て一安心するが、スグリはそれどころではなかった。

床に倒れた拍子にアオイと密着して押し倒すような格好となり、さらにアオイの足の間にスグリのひざが当たる体勢。

スグリは耳まで茹だるように赤くなってひたすら「ごめん」を繰り返した。

「?大丈夫だよ。ケガしてないし……」

アオイはこれに関しては何故謝られているのかよくわかっていなかった。


その後、ゼイユがやって来て弟を一喝し、何故か動けば謎の災難に見舞われるアオイを大人しくさせてとりあえず事態を収拾してくれた。


翌日、アオイのよく来る場所には思い詰めた顔で「責任取らないと……」と呟く男達の姿があったという。


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