日産・三菱自の軽EV、実質200万円 22年春に発売
日産自動車と三菱自動車は27日、両社が共同で開発している軽自動車サイズの電気自動車(EV)を2022年度初めに発売すると発表した。国の補助金を使った実質価格は約200万円からと、国内のEVでは低価格になると明らかにした。日常の短距離移動での利用を見込み、1回の充電で走る航続距離は約170キロメートルに抑えた。
搭載する電池の容量は20キロワット時と、日産のEV「リーフ」の低価格モデルの半分だ。EVの製造原価の約3割を占める電池の容量を抑えたほか、両社で基幹部品の車台や電池などを共通化してコストを下げた。急速充電と家庭での普通充電に対応し、非常時などに使う外部への給電機能も備える。
車両は三菱自の水島製作所(岡山県倉敷市)で生産し、両社それぞれのブランドから発売する。
21年度の基準では20万円前後となる国の補助金を使うと、下位グレード車が約200万円となる見込み。独自の補助金を21年度に45万円支給する東京都など、自治体の支援を組み合わせると100万円台半ばで購入できる消費者も出てくる。3月に生産を終えた三菱自のEV「アイ・ミーブ」は当初軽の規格だったが、価格は約300万円だった。価格帯がガソリン車に近づき、遅れていた国内のEV普及を後押ししそうだ。