アースオーバーシュートデーとは、地球が1年間に供給できる資源を、人間が使い果たしてしまう日のこと。2023年の世界のアースオーバーシュートデーは、8月2日です。実は日本のアースオーバーシュートデーは世界のそれよりも早く、5月6日に過ぎています。地球1個分の暮らしを目指して、今日からアクションしてみませんか?

▼この記事を読むとわかること

> 2023年のアースオーバーシュートデー
> あなたの暮らしは地球何個分?
> 暮らしを地球1個分に近づける9つの方法
> 社会全体を「地球1個分」に近づけよう!

2023年のアースオーバーシュートデー

アースオーバーシュートデーとは、地球がその年1年間に供給できる資源を、人間が使い果たしてしまう日のことです。NGOのGlobal Footprint Networkが、毎年、地球のバイオキャパシティと人間の需要をもとに算出しています*

2023年の世界全体のアースオーバーシュートデーは8月2日。この日を過ぎると私たちは、未来の資源を前借りし、大気中のCO2を増やし、大地や海に廃棄物を溜め続けることになります。

1971〜2023年までのアースオーバーシュートデーのグラフ
1971〜2023年までのアースオーバーシュートデー(出典:Global Footprint Network

1971〜2023年までのアースオーバーシュートデーのグラフを見ると、地球が1年に供給できる資源を使い切る日が年々早まっていることが一眼でわかりますね。

1970年のアースオーバーシュートデーは12月。つまり50年前まで人間は、地球が1年間に供給できる資源を使って、「地球1個分」の暮らしをしていました。それが人間による資源消費量が自然による供給量を徐々に上回り、オーバーシュートが始まります。2023年のアースオーバーシュートデーは8月2日で、世界中の人間の暮らしを支えるには、地球が約1.75個必要でした。

生活水準やライフスタイルが国ごとに違うため、アースオーバーシュートデーも国ごとに違います。日本では近年、世界よりも2カ月以上早く、5月にアースオーバーシュートデーを迎えています。2019年は5月13日、2020年は5月12日、2021年〜2023年は5月6日と、より早く資源を消費しきる傾向にあります。2023年も、過去2年と同じく最も早い5月6日にアースオーバーシュートデーを迎えます*

2023年の世界各国のアースオーバーシュートデーの図
世界で18番目に早くアースオーバーシュートデーを迎える日本(出典:Global Footprint Network

世界中の人が日本に暮らす人と同じ生活水準なら、地球が2.8個必要になってしまいます。

あなたの暮らしは地球何個分?

アースオーバーシュートデーは、国や地域に限らず、個人によっても違います。使い捨てプラスチックをあまり使わない、肉や乳製品の消費を減らして地元の野菜を食べているという人は、一般的な日本の市民よりアースオーバーシュートデーを迎えるのが遅くなるでしょう。

日本の暮らしは地球2.8個分イラスト
世界中の人が、みんな日本に住む人のように暮らしていたら、地球は5月6日に資源を使い果たしてしまう。 © Global Footprint Network

診断ツールを使って、自分の暮らしが地球何個分なのか、調べてみませんか?Global Footprint Networkが提供しているこのオンライン診断ツールFootprint Calculatorでは、選んでいる食べものや交通手段、家の種類や買い物の頻度などを答えていくことで、地球何個分の暮らしをしているかがわかります。

暮らしを地球1個分に近づける9つの方法

今の日本で、地球1個分の暮らしをするのはなかなか難しい。地球1個分以上の暮らしをしていることがわかったとしても、落ち込んだり自分を責めたりしないでください。地球一個分の暮らしに近づけるためにできることは思ったよりもたくさんあります。

✅食べもの
・工業型畜産で生産された肉や乳製品の消費を減らして、野菜中心の食生活へ
・輸入や長距離輸送されたものより、地域で生産された食べものを選んでみる
・プラスチックで個別包装されていない食べものを買う

✅住宅
・自然エネルギー100%の電力会社に乗り換える
・夏は暑さに影響されづらい、冬は部屋の暖かさが逃げない、家の断熱を行う
・電気の使用量を抑える工夫をしてみる

✅消費
・服や家電はお直しや修理を活用
・セカンドハンド(中古)で服や雑貨を探してみる
・ものを買うより体験にお金を使う選択

社会全体を「地球1個分」に近づけよう!

個人の努力でできることはたくさんあります。しかし、環境問題に関心がない人や、現時点で地球全体のための努力の余裕がない人も含めて、より多くの人が、地球1個分の暮らしに近づくには、社会が変わる必要がありますよね。

フランスの農薬と化学肥料不使用の菜園
苗床でアブラムシを捕食するテントウムシの幼虫を呼び寄せるためにエンドウ豆を蒔く農夫。フランス(2013年2月)

野菜やくだものがプラスチックパッケージなしで売られていて、食品や飲み物も繰り返し使える容器で買える。どこに行っても、動物性食品を使わない食事や飲み物を選ぶことができるし、自然エネルギー100%を提供している電力会社が主流で、住んでいる場所にかかわらず電気自動車のシェアカーやレンタカーが使えて、どんな家や施設も断熱されていて、空調なして快適温度。

こんな社会が実現すれば、一人ひとりが努力しなくても、当たり前に環境インパクトが低い暮らしを送ることができますグリーンピースは、そんな社会の仕組みを作るために活動している環境NGOです

独立を保つために企業と政府からお金を受け取らないことが創立以来のポリシーです。でも実は、日本国内の活動を支えるだけのサポーター数にはまだ届いていません。消費大国の日本でこそ、「地球一個分」の暮らしに近づける社会を実現する活動が必要だと思っています。ぜひ、サポーターになって活動を支援していただけませんか?

アースオーバーシュートデーをきっかけに、ご寄付でグリーンピースの活動に参加することを検討いただけたらとても心強いです。

「地球一個分」の暮らしをかなえる社会のために