辺野古周辺住民ら、新たな訴訟提起へ 国の代執行は「不当」 県民投票5年を前に「不条理止めたい」 


辺野古周辺住民ら、新たな訴訟提起へ 国の代執行は「不当」 県民投票5年を前に「不条理止めたい」  辺野古新基地建設の代執行訴訟判決と承認の代執行を不当だとして、新たな訴訟を提起すると説明する辺野古周辺の住民ら=16日午後1時半すぎ、那覇市の県庁記者クラブ
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 沖縄県名護市辺野古の新基地建設の設計変更申請承認を巡る代執行訴訟で県敗訴の判決が出て、国土交通相が承認を代執行したことを受け、辺野古周辺の住民らが16日、那覇市の県庁記者クラブで会見し、判決と代執行は不当だとして、代執行の取り消しを求める抗告訴訟を提起することを表明した。弁護団によると、代執行を巡る提訴は全国初。

 辺野古新基地建設に反対する民意が示された県民投票(2019年2月24日)から、5年目となる直前の今年2月22日に提訴する方針。被告は国交相を想定しつつ、訴訟の入り口論で訴えが退けられる「門前払い」を避けるため、県を被告に入れることも想定するという。

 新基地建設を巡り現在、住民らが提起している訴訟は2件あり、それらの訴訟の原告らが新たな訴訟の原告にもなる予定。新たな訴訟で改めて国の工事の違法性を問いただし、新基地建設に反対する玉城デニー県知事を支援する狙い。

 原告団長の東恩納琢磨さん(62)=市瀬嵩=は「承認の代執行には納得していない。まだまだあらゆる闘いができる。不条理を止めたい」と訴えた。

 住民の訴訟は現在、県による設計変更申請不承認を取り消した国交相裁決の取り消しを求めた抗告訴訟が那覇地裁で係争中。また、県による埋め立て承認撤回を取り消した国交相裁決の取り消しを求めた抗告訴訟は一審で、住民の一部の原告適格が認められて審理されたが、22年4月の那覇地裁判決はその4人の原告適格を認めず訴えを却下した。住民らが控訴し、福岡高裁那覇支部で取り扱われている。