オウくんの居るSEED HD版　PHASE-2 視界の端に見た…… 後編。

ﾃﾝﾃﾃﾝﾃﾝﾃﾝ ﾃﾝﾃﾝﾃﾂﾃｰﾝ

ドォン　ドォン　ドォン

ムウ『引き上げる？だが……まだ何か……』

ﾃｨｷﾘﾘｰﾝ!

ムウ『これは！！』

ラウ『私がお前を感じるように、お前も私を感じるのか？不幸な宿怨だな……ムウ・ラ・フラガ……それともう一人は何だ……何かノイズまで感じる』

ーー

オウ「……何だまた……やけに延髄がむずむずする」

？？「うぐく……うう……」

ミリィ「気がつきました？キラー!」

キラ「あっ、まだ動かない方がいいですよ……すみませんでした、なんか僕……無茶苦茶やっちゃって……」

ミリィ「お水、いります？」

？？「……ありがとう」

トール「すっげーなー！ガンダムっての」

カズイ「動く？動かないのか？」

サイ「お前ら！あんまり弄るなって！」

カズイ「何でまた灰色になってんだ？」

トール「メインバッテリーが切れたんだとさ」

？？「その機体から離れなさい！」

パァン

「「うわぁ！？」」

キラ「何をするんです！？止めてください！彼らなんですよ！気絶してる貴女を降ろしてくれたのは！」

オウ「馬鹿！離れろキラ！？洒落じゃないぞこの人！！」

？？「助けてもらった事は……感謝します……でもあれは……軍の重要機密よ……民間人が無闇に触れていい物ではないわ」

トール「何だよ……さっき操縦してたのはキラじゃんか……」

オウ「トールも無闇に言い返すな！状況分かってねぇのか！？……場合によっちゃ俺たちは……全員撃ち殺されてもおかしく無い……」

トール「ええっ……」

？？「みんな、こっちへ……一人ずつ名前を」

サイ「……サイ・アーガイル」

カズイ「カズイ・バスカーク……」

トール「トール・ケーニヒ」

ミリィ「ミリアリア・ハウ」

オウ「……オウ・ラ・フラガ」

キラ「……キラ・ヤマト」

マリュー「私は……マリュー・ラミアス、地球連合の将校です……申し訳ないけど、貴方達をこのまま解散させるわけにはいかなくなりました」

「「「「ええっ！？」」」」

オウ「やっぱり……やらかしたな、俺ら」

マリュー「物分かりがいいわね、貴方もしかして……」

オウ「地球軍のパイロットに兄貴が在籍してるんだ……そのよしみで解散は駄目？」

マリュー「なりません、事情はどうあれ……軍の重要機密を見てしまった貴方がたは、然るべきところと連絡が取れ、処置が決定するまで私と行動を共ににしていただかざるを得ません」

カズイ「そんな！」

トール「冗談じゃねえよ！何だよそりゃあ！」

マリュー「従ってもらいます！」

サイ「僕たちは、ヘリオポリスの民間人ですよ！中立です！軍とか何とかそんなの何も関係無いんです！」

オウ「ちげーんだよサイ……見ちまった時点でアウトなんだよ」

サイ「ええっ？」

カズイ「な、何でさ？」

オウ「軍事機密ってのは程度によっちゃあ、身内すら見たら撃ち殺しかねない話まである、しかも……俺とキラに至ってはOSを覗いて書き換えちまった、寧ろマリューさんがこうして同行を強制してんのは温情なんだよ……」

トール「け、けど俺たちは民間人だぜ？中立国オーブの！そもそも、何で地球軍がヘリオポリスに居るわけさ、そっからしておかしいじゃねぇかよ！」

カズイ「そうだよ！だからこんな事になったんだろう！？」

ズドン！ズドン！

マリュー「黙りなさい！何も知らない子どもが……中立だと、関係無いと言ってさえいれば今でもまだ無関係で居られる……まさか本当にそう思っているわけじゃ無いでしょう？ここに、地球軍の重要機密があり、貴方達はそれを見た……それが今の貴方達の現実です」

サイ「……そんな乱暴な」

マリュー「乱暴でも何でも、戦争をしているんです！プラントと地球……コーディネイターとナチュラル……貴方がたの外の世界はね……」

ーーーー

ﾌﾞﾛﾛﾛﾛ

オウ「まさか捕虜になるとはなぁ……けど、街に出てたら死んでたかもしれねぇなぁ……」

サイ「今日に限ってサボらなかったんだな、お前」

オウ「本当よく当たるから便利だわ、虫の報せ……あん？」

サイ「どうした、オウ？」

オウ「サイ、先行っててくれ、必ず戻る」

サイ「はぁ？お前、一人逃げる気か！？」

オウ「キラもカズイも見捨てて逃げるかよばぁか、あ……マリューさんにこれ渡しといて」

サイ「何だこれ、ドッグタグに……ロケットペンダント？」

オウ「地球軍のレプリカ、けど本物同様に作って貰った兄貴のプレゼント、俺の情報が刻まれてる……もし、俺が帰らなかったら、軍法会議に兄貴をかけて貰って構わないって言っといてくれ、何なら俺を国際指名手配にしてもいいし、うまく使えば犯罪のスケープゴートに使えるって、じゃあ頼むわ！」

サイ「あ、おい！」

…………

マリュー「それで、貴方は呼び止めず逃がしてしまったと？」

サイ「いや！違います！奴が勝手に、それでこれを渡して欲しいと」

マリュー「ドッグタグ……ロケットペンダント……分かりました、預かります」

ミリィ「何よあいつ、偉そうな事言って逃げたんだわ……」

トール「抜け目ないからなぁあいつ……」

カズイ「お、オウはそんな卑怯な事しないよ、絶対」

キラ(オウ……戦ってた時に何かを見ていたけど……それなのかな？)

ーーーー

オウ「あのMSでやり合ってた時に……視界の端で確かに見たやつだ……ここから入れそうだな」

がちゃ……

オウ「ここも……MSのドックか？パーツが散ってる、何かを作ってたより、解体してたのか？ライトは……これか」

ｶﾁｯ……ｶｯｯ！

オウ「おっとぉ……なーんでこいつがあるのやら、だがラッキーだ……」

キュルキュルキュル

オウ「OSはまんまか、抜き取られてガワだけ、もぬけの殻じゃなくてありがたい……武器も無いあたり、鹵獲してあの機体の訓練用ダミーにする気だったなこりゃ……」

ｶﾀｯｶﾀｶﾀ､ｶﾀｶﾀｶﾀｶﾀ……

オウ「ちっ、キラみたいに上手くはいかねぇか……だが、何とかなりそうだ……多分あいつはこれから戦わされる……無理矢理に、死にたくないならって……キラも皆を守ろうとしていやいやながら戦うだろうな……よしアクセスできた！」

ｷﾞｨﾝ！ｷﾞｭﾎﾟｰﾝ！

ﾄﾞｶﾞｧｱｱｱｱｱ！

オウ「何かあったな……待ってろキラ、こいつを何とかして動かしてやるからな……一緒に戦ってやるからよ、間に合え〜〜！？」