東北自転車観光04|深く静かに十和田湖までバス輪行せよ | r e z a の ブ ロ グ

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  140 文 字 で 書 き 切 れ な い タ ワ ゴ ト。

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朝の十和田市現代美術館。

 

十和田観光二日目の朝、8:45の十和田湖行きのバスに乗る。当初、泊まった十和田市街から(新幹線輪行で持ち込んだ)折りたたみ自転車で自走して、十和田湖観光する気だったけど、ちゃんと調べたら市街からの距離およそ50km。

 

走って走れない数字ではないが、往復100kmとなると朝から夕方まで走り通しになる。それでは十和田湖観光する分の時間と脚力が失われる、意味がない。

で、宿で十和田湖へ向かうバスがあるか伺ったらそれはバッチリあって丁寧に教えて頂いて、自転車はバス停まで走ってって畳んでバス輪行する事にした。そのバス停は十和田市現代美術館の前にあった。

 

考えてみれば十和田湖までは渓谷だ。それは峠道みたいなものである事が予想されたから往復100kmの上にそれじゃヘタレ=私、の足じゃイチ日かけても往復できないか、できても何の修行かって話である。JRバス東北さん、十和田湖まで運行しててくれて、チャリは車体横っ腹の荷物室に積んでくれてありがとう><。

 

 

 

美術館の前から1時間半くらいで十和田湖まで運んでくれる。のほほんとバス旅気分だ。

途中、まだ十和田市内の道の駅的な施設、観光物産館:四季彩館に15分停車した。下車してJAアオレン謹製のりんごジューズを買って飲む。果汁100%なのは勿論だけど、濃縮還元などでは決してない、その豊かな風味に驚いた。小さな缶だけどしっかりしたお値段です。

 

道の駅的な施設に私は目がない。旅先で見かけたら必ず寄るくらいは好き。自転車だから土産とか大きな買い物はできないけど、その地域ならではの食材や名産品が見れたり、その地域の日常もちょっと感じられるのが楽しい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

十和田湖観光の拠点の休屋(やすみや)に到着、自転車を組み直す。休屋周辺には、遊覧船の桟橋やビジターセンターや旅館や土産物屋がある、嫌が応にもわくわくする。十和田湖をどう観光しよう。

 

 

 

実は朝から小雨だったけどそれはバス乗ってる間にやんでいた。なにしろバスに身ひとつで乗って十和田湖観光する気はまったく無かったからラッキーだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

十和田湖をどう巡るか考えながら十和田ビジターセンターを見学する。自転車なんか他に1台も1ミリも見ないけどエントランスにはちゃんと自転車用ハンガーが設置されているのが素晴らしい。

ちなみにハンガーは施錠のためと、私は今回違うけどスタンドを付けないロードバイクなどにとっては有るととっても助かるんですよ。

 

 

 

十和田湖と言えば、魚が棲まないと言われたその湖で苦節22年、遂にひめます養殖に成功した和井内貞行(わいない さだゆき)の偉業が知られている。

ビジターセンターで十和田湖の自然を紹介する一画に、その十和田湖ひめます物語のコーナーがあり、リアルひめますさんも大きな水槽で鱗をキラキラさせます。

 

展示見てて思い出した。たぶん小学生の頃、和井内貞行さんに関するお話を授業で学んでいた筈だった私は。なにしろ洟垂れ小僧時分の事だから断片的なイメージしか残ってないけど、和井内さんが苦節の末、ひめますでさざなみが立つ十和田湖湖面を初めて見た時の想いが文章からグワぁ〜と伝わった。社会科や歴史じゃなく国語の授業だったと思う。

 

今ウィキペディアで和井内貞行さんを検索したら、それらしい文献が4つくらい挙がってたけどどれだったんだろう? いや小学校の授業で取り上げるのだから児童用に意訳されたものだったのかもしれない(し、もしかしたら中学時分だったのかも知れない・汗)。

 

追憶の彼方の記憶の断片だけど、それに大人になってから再会すると何となく嬉しい。昔の国語の教科書と先生に感謝。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんだかんだでバス降りてから休屋に1時間くらいいたけど、ビジターセンターの人の勧めもあってやはり十和田湖を周回する。と言ってもたぶん1周はできない。まぁ半周でも1/3周でもして、どこかで何かを見たり感じる事ができれば善しとする。

なにしろ十和田湖の周回路は46kmもある上に、ヘタレ自転車乗りにとっては非人道的とも思える勾配エリアが存在するのだ><。

 

休屋から周回路を反時計回りに走る。道は湖畔じゃない山道やトンネルにもなります。トンネルは防護柵も備える立派な歩行者用通路があるからそこを走る分には危険じゃないけど、やっぱりちょっとコワい、歩行者は勿論皆無。

 

 

 

トンネル抜けてしばらく走ったら湖畔に戻った。ひと気のない桟橋に、多分使われていない遊覧船が繋がれている。休屋の遊覧船より一回り小さいかな。

 

 

 

お昼は、休屋から周回路1/4ほどの、もう1つの十和田湖観光の拠点:子の口(このくち)。如何にも古くからある観光地って感じの土産物屋さん兼食事処で、折角だからひめます焼き魚定食を所望。和井内さん、美味しいです!

 

 

 

燃料満タン、子の口から再び走り出す。十和田湖半は、東京よりも十和田市街よりも紅葉が進んでますね。

 

 

 

御鼻部山展望台(おはなべやま展望台)というのを目標に子の口から走っていたのだけど、展望台と言えば普通は高い所にあって、今回は標高1,010.6mのズバリ御鼻部山山頂だ。当然えんやこら登り坂である。この画像はまだ道半ばだけど、ここまでで既に死ぬかと思った精神的に(苦笑)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして辿り着いた御鼻部山展望台から望む十和田湖。ビジターセンターのスタッフさんが御鼻部山登頂を強く勧めてくれた訳が分かった気がした。宇宙船で惑星探査に来ちゃったみたいな絶景。こころなしか湖面より雲の方が近く感じられます。

 

 

 

ナビ代わりに自転車に搭載していたiPhoneSEは最近バッテリーがヘタレ気味だったけど、寒さのせいか充電器繋げてても標高が高くなると頻繁にシャットダウン(充電できたかと思ってカメラなどのアプリ作動させると即バッテリー1%の警告が出て機能停止)した、けど同じく携行してたミラーレス一眼のEP-1は問題なく作動したからそのズームを効かせて撮った御倉半島。

 

十和田湖には2つ細長く突き出た陸があり、休屋に近いより細い方を中山半島と呼び、もう1つ子の口に近い方を御倉半島と呼ぶ。御倉半島の先端は御倉山という名を冠するくらいの高さがある。

画像やや左の白い点は遊覧船。さっき休屋にいたヤツかな? なんかさー、こんな風に見るものの見え方が変わる所まで自走しちゃうのって自転車ならではの醍醐味と言うか、単なるもの好きな気がする(笑)。

 

 

 

十和田湖は約20万年前の火山活動がはじまりで、噴火や陥没を繰り返し今の姿になったのだそうだ、展望台壁面に埋め込まれたプレートによると。

 

 

 

その御鼻部山展望台。この吹きさらしの構造物の他は無駄に広い駐車場しかないから長く居る事ができない、何しろ寒いのだ。だから私のように酔狂で自転車で来たんじゃない、車両で訪れた観光客は「凄い景色」か「絶景」とかを3回くらい言って「寒い」を5回くらい言って7分くらいで退散する。

 

そんなに寒い?と思ったけどそれは私が此処まで自転車で自走して、汗だくではないまでも体温が上がっていたせいだった。だが展望台に5分も滞在しているとその体温も奪われ、歯の根が合わない状態に。

折角来たのだから、駐車場の隅っこに駐輪してから再びそれに跨るまで多分20分くらい居たけど、軽装で来ていたから生命維持の限界を感じて帰路に就く。

 

それでも背中のメッセンジャーバッグにウインドブレイカーを突っ込んでいて助かった。それを着て、あと指先のないサイクル・グローブでは展望台にいる間に手首から先の感覚が失せたけど、自転車を折りたたむ時に使う手のひら側をゴムでコーティングした百均の作業用手袋をサドルのボトルケージの物入れに入れてたから、それをサイクル・グローブの上からはめて、なんとか走れる状態になった。イヤーパッドも携行しといて正解だった(それも百均)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

実は復路のバスは逃した。その最終便の時刻15:20は、展望台を目指してる途中で過ぎた。

 

 

打算もあった。往路をバスで運んでもらって分かったのだけど、十和田市街から十和田湖に向かう中で存在する勾配は、ほぼ登り坂。つまり帰路はほぼ下り坂になる筈。ならば自走してもそんなにはトホホな状態にならず、十和田市街に戻れるのではないかと思った。

 

何しろひーひー言いながら御鼻部山山頂を目指していて、バスの時刻があるからと、途中で戻るなどという引っ込みはつかなくなっていた(苦笑)。

 

 

 

十和田市街と十和田湖を繋ぐ国道102号は、奥入瀬渓谷の途中で、渓谷にまるっきり沿うルートと、そうじゃないルートの2本に分岐していて、バスで運んでもらった往路は前者で、御鼻部山山頂から自走で戻る時は後者のルートになった。当たり前だけど奥入瀬渓谷に合流するまでも延々下り坂。用心しないと(全くペダルを漕がなくても)速度が無限に上がる。

 

車両ではない折りたたみ自転車だから40km/hを超えるともうコワい。注意してブレーキレバーを握ったり解放したりして30km/h前後で巡航する、カーブでは後方確認しつつその直前で思い切って減速し、カーブを抜けながら再び加速する。

受ける風圧のせいで寒さは強烈だけど、ひーひー漕ぎながら稼いだ高低差を一気に下る爽快さは自転車ならではだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

奥入瀬渓谷に合流してからは渓谷観光三昧だ、20km/hくらいで自動的に移動しながらではあるけど。日が暮れるから急がなければならないけど稀に停車してEP-1で画像も撮ったりした。

 

 

 

言ってもやっぱり日は暮れた、十和田市街に着く前に。

都市部なら街灯が煌々と道を照らすから何も問題ないけど、それは都市生活者の思い上がりである。そうではない地域では街灯は時々しか灯らないし、特に山間部は日が暮れると道の存在が不明瞭になるくらい、普通に暗い。

車両ならそれを打ち破る強力な前照灯を搭載しているが、今回私の自転車は、自分の存在を周囲に知らせるのが主な役目の其れしか装備しない。本当に真っ暗なエリアでは路面を薄っすら照らす効果はあったけど、だから日没後は下り坂でも更に用心深く走る。

 

またしかし、102号で十和田湖から降りてくる車両が結構いて、それらが移動式の街灯?のように時々道路の状況を明らかにしてくれたし、十和田市街以前でも、民家が時々はあるようなエリアでは街灯の存在率が僅かに上がったし、自分でも最大限注意して走っていたつもりだったから危険な思いはせずに済んだ。

 

 

 

iPhoneは完全に死んでいたからナビとして使えなかったけど、道に迷ったり間違えたりする事もなかった。十和田市街へ繋がる奥入瀬渓谷以後の102号はほぼ一本道だったらしく、稀に丁字路を曲がる局面もあったけど、そういう時は標識が方向を示してくれた。

その標識も真っ暗で記載情報を読み取れない時もあったけど、慌てず騒がず一時停車、歩道に自転車上げ、前照灯を外して標識近くまでトコトコ歩いて行ってそれを照らし、目指す方角を確認した。

 

帰路は下りが殆どだろうという打算は幸いにも的中し、市街近くまで概ね下り坂だった。何箇所か小山と言うか丘を超える程度の登りはあったけど、それくらいは流石に軽くクリアした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

晩ご飯は十和田市街への無事帰還を祝して?まず奥入瀬ビール、上品な風味のクラフトビールです。と、十和田名物バラ焼き。燃料がエンプティーと言うかマイナス状態だったから一品目から飛ばしてます(笑)。

お店の人に「バラ焼きにご飯付きませんが」と念を押された。入店していきなり頼んだから定食みたいなものと勘違いしてると心配されたのかな? いいんです、呑兵衛なのでお供はビールで♪

 

 

 

うへへ、バラ焼き焼けました。甘辛いタレとお肉と玉葱の組み合わせが天下無双!

 

 

 

続いて十和田のねぎ焼きと焼き小籠包など、ビールがすすみます。もっとガンガンいく気だったけど3品で燃料満タン、食いしん坊旅情が満たされます。

 

 

 

空腹だった事もあり、2日目の晩は十和田の名物的なものを食べようと、泊まっていた宿に自転車で突っ込んでシャワー浴びて着替えて徒歩で、バラ焼き出してくれるお店に向かった。

 

前日、十和田市現代美術館に向かったらその前の通りで、街頭アンケート?の人(市の観光課かそれに準ずる立場の人)に声をかけられ、なんだか楽しくて調子に乗って答えるアンケートと同じくらいの情報量をこっちから質問してしまい(図々しい!)それで知ったお店。バラ焼きがどういう料理で、十和田の名物である事もその時教えて頂きました。

 

なんの事はないバラ焼きのバラはバラ肉のバラで、今改めてネットサーフして確認したら、終戦後に流通し始めた牛のバラ肉を使い、甘辛いタレと玉葱を合わせた料理で、諸説あるものの青森県三沢が発祥とされています(ガスレンジに乗せた平たい鉄鍋を客自身が見守ります、玉葱に火が通るまで無闇に掻き回してはいけません)。

 

アンケートの人の話ではそのバラ焼きでB級グルメ的なイベントでグランプリを獲った店が十和田にあるとの事で、その店に突貫したのだ。私は食べ物に関してはそういう権威に迎合すると決めている(笑)。

それは産馬通りと三本木大通りの交差点、観光物産センターの一画にある「司」さん。物産センターと棟続きではない、駐車場の奥にある屋台村のような佇まいだった。

 

 

 

 

 

 

ちなみに、大騒ぎした割に18時半には十和田市街の宿に帰り着き、十和田湖観光とその帰路合わせた走行距離は70.03kmだった。休屋から御鼻部山山頂まで、周回路を半分くらい走った。十和田湖の情報を心身に記録できたし良かった。

 

この日の宿の部屋での二次会は、300mlの小さい瓶の日本酒、鳩政宗謹製純米酒 八甲田。美味しい♪ 前日に十和田市現代美術館で頂いたりんごは皮剥かないでシャクシャク食べた、酸っぱいけど美味しい、酸っぱいのが美味しい。

東北自転車観光05 | ペダルよ!あれが八戸の灯だ